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ピーテル・パウル・ルーベンス / メトロポリタン美術館
テーマ7.人間を考える
最後のテーマ名をどうするか、正直に言うとかなり悩んだ。
最終的に「人間を考える」と付けたが、人間について考えただけで結論は書いてはいない。これからも人間について考えていきたいという思いを込めて付けたテーマ名である。
老子には、人間観というべきものはない。
彼の思索視野は広大で、宇宙の根本原理に向けられている。人間もその原理に沿って「無為自然」であれというだけである。
むしろ人間が自然の原理に逆らうことで起きる弊害を指摘している部分が多い。人間かくあるべし、といった教訓というよりは、なぜ人間はこうも愚かなことをやってしまうのか、という嘆息のように思える。
人間の愚かさに対する老子の嘆きは、現代の我々に向けられたかのような普遍性がある。
二千五百年前も今も、人間は同じ失敗を繰り返している。それはなぜなのか。私達はこれからもずっと考えていかなければならない宿題のようだ。「人間を考える」というテーマ名の含意である。
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