【3巻掲載話全感想】金色のガッシュ2 唱える呪文はサイフォジオ

※掲載話の感想なので3巻発売日前にアップしました。

さて、もちろん表紙のとおりティオの登場に最大のインパクトがあるんだけど、それ以外にも見所がありすぎる3巻。
単話ごとの感想がリアルタイムでは書けなかったので、各話の感想を順番に書いていく。

page12

清麿ガッシュとフォルゴレキャンチョメの再会回。
ガッシュたちが駆けつけたのは、あくまで戦闘終了後ってところがいい。
レビー達に勝てたのはフォルゴレキャンチョメペアだけの力。
シン・ポルクを除いてはトリッキーな技で翻弄して時間を稼がざるを得なかったあの頃とは違う。
元からあった「自分たちの力だけで勝つ」という心の強さに加え、それを実現できる自らの強みをキャンチョメはをもう理解しているのだから。

「さすがは鉄のフォルゴレ 頼もしいぜ」

のコマが最高。
清麿がフォルゴレに向ける「鉄のフォルゴレ」「頼もしい」という評価は、「なんかやたらとタフ」程度で始まった原作から、鉄の意志でカバを貫く最強のスーパースターへの信頼に様変わり。
お前が頼りになることなんて知ってると言わんばかりの清麿の表情。
それを返すフォルゴレの清麿への信頼。
あの瓶の真の重要性はフォルゴレには理解できていない。
というか読者も完全には分からない。
それでも、清麿にさえ渡せば絶対にティオ達の助けになると感覚で理解しているフォルゴレとそれをしっかり受けとる清麿の信頼関係がたまらん。

思えば清麿にとって王を決める戦いを共有できた上で対等な立場で話せる友人は相当少ないし、中でもフォルゴレには心から気を許してるんだなとこの笑顔を見て思う。
ガッシュ2では張り詰めたシーンが多いから、本当に無邪気に清麿が笑えたのは今のところこの「でももう電気ショックは撃たないで~」のときくらいじゃないかな。
大人の友情最高だよ…

「みんなの明日は私が守る」

トレンド入りしたティオさんの見た目のインパクトは今さら語るまい。
雷句先生は天才なのだ。
外見も含めた完璧なキャラメイクを我々は有り難く享受するのみ。

さて、ティオとウォンレイには、実は他のキャラに比べると思い入れがなかった。
もちろん大好きなキャラ…というが金色のガッシュに魅力的じゃないキャラなんていないんだけど、それぞれ単品で1本記事書けるほど思い入れがあるかというと…という感じだった。
でも、唯一大好きなシーンがある。それがこれ。

ティオを導くウォンレイ

っていうかこのエピソード読み直したらティオもウォンレイも大好きだわ。思い入れないとかいってごめん。
とにかくこのシーンが大好きなのだ。
全力で頑張る強い思いを師匠キャラが認めてあげるシーンが大好きなのだ。

このエピソードのあらすじはこんな感じ

清麿チーム最強(あくまでこの時点)のウォンレイが、単純に実力差で相手に追い詰められる。
それでもウォンレイの心は折れない。
ボロボロの体で立ち上がり、動けない恵とティオの前に立ち塞がり続ける。
リィエンに「守る王」の姿を焼き付けるために。
感化されたティオのサイフォジオは回復と同時にウォンレイに戦う力をも注ぎ込む。
段違いの威力となった術と覚悟の差で圧倒するウォンレイ。
「私の後ろには傷つけてはいけない人がいる。」

金色のガッシュ!!LEVEL.130~134

なんだこれ覇権漫画か?
覇権漫画だったわ。

この流れの後でウォンレイに教えを請うティオに対する返答が冒頭のコマ。
ティオの輝く瞳もウォンレイの優しい笑顔も眩しい。
強さでは間違いなく上のウォンレイがティオの芯の強さを認める姿に目頭が熱くなる。

このエピソード以降のティオの軸は「守る」こと、そしてガッシュに示してもらった「明日への希望」の二つ。

この過去からの
「みんなの明日は私が守る」
感無量である。
ティオがどう成長したのかこのコマ、この台詞だけでありありと分かる。
物理で守れるほど強くなったんだね。
明日への希望を示してあげられる側になったんだね。
誰も想像つかない形で、誰もが納得する形で成長した姿を描き続ける雷句先生。
一生ついていきます。

page13

魔女コンビとバトル&恵が相変わらずアイドルとして活躍してる姿を見せてくれた回。
ここからは、適宜自分が投稿したアマゾンレビューをコピペします。パクりじゃないよ。自分の投稿だよ。

「ツッコミだ」

これである。これぞガッシュ。
生物に向けて電撃を撃った側が発言する台詞ではない。
ゼオンと清麿が初対峙するシーンで鬼麿というキャラをぶちこむ雷句先生ならではのスタイル。
「安心しろ」と無理矢理正当化する清麿は天才ではなくただのツッコミ師。
シリアスとギャグの境目がないこのスタイルが好きなんだよなあとしみじみ思う。

成長を見せながらも甘さが消えていないガッシュ。優しさと隣合わせのその甘さは、ゼオンが厳しさで補ってくれていたから消えなかったのかなと思うと、高潔な兄の現在も気になるところ。
敵の本拠地で窮地に陥っているところにデュフォーが駆け付けて「ゼオン…」って言いながら指差してザケルさせるんでしょ知ってる。

魔女とポーラ王子

緊張感のない敵キャラ登場シーンが懐かしい。
月刊という、次は来月まで続きが読めない貴重なページ制限の中でしょーもないこと喋ってホテルで一泊しながら水星の魔女視聴した挙句良くわからんポエムまで書きやがって…そうだこの人はアホのお手玉で一話消費する人だった。

ギルとワイグ、ブーとレビーもそうだったが、ペアがみんな仲良し。
無印でも、序盤のチンピラを除くと、敵味方問わずほとんどのペアが互いを信頼していた。
コンビが力を発揮するためには信頼関係が必須という雷句先生のスタンスが感じられて嬉しい。
これのおかげで敵キャラでも退場シーンが感慨深くなる。ロデュウとかね。
しかしこの魔女コンビの退場シーンは想像つかないなあ。

page14

ガッシュ2の醍醐味ともいえるパートナー駆けつけ回。
ティオと恵のコンビの絆が熱すぎる

唱える呪文はサイフォジオ

記事タイトルにもしたこのフレーズから分かるとおり、page14が3巻で一番好き。

二人合わせて僧侶ポジションに見えるティオと恵ペア。
それぞれの本質が「守り」と「癒し」に分かれていたことに続編で初めて気付いた。
ティオの強さは元の性格に加えてウォンレイからも引き継いだ守りの心
恵の強さはファンに活力を与える癒やしの力

術が使えない中奮闘するティオ。
術などなくても戦えるように鍛えてきたことはその姿を見れば一目瞭然。
それでも守りきれず致命傷を負った子供に、鍛えた体だけでは何もできない。
癒やしが欠けたことで救えるはずの者が救えず、強くなったように見えたティオの心はいとも簡単に折れた。
勝ち目が見えなくても、どんな傷を負っても一切怯まなかったにもかかわらず。

絶望的な場面に、欠けたピースを埋めるかのごとく駆け付ける恵。
唱える呪文はサイフォジオ。
コマ割りや背景を白塗りにする演出は、エルのキズだけでなく、ティオの心も呪文で癒やされたことを表しているかのよう。

ティオのピンチに駆け付けたときにやることが、シールドでもティオ自身の回復でもなく「ティオが守りたい子を恵が唱える術の力で癒す」なのがコンビの再会として正解すぎる。
このシーンの欠けてたピースがはまった感は異常。
そして涙を流しながら凛とした表情で構える恵さん美しすぎます。

「魔界へ行ける」

ちょっと戻るけど、よく分からなかったシーン。
前回からの流れからすれば、何かしらのきっかけで魔界へ行ける兆候を清麿達が察したからこそのこの発言だと思うんだけど、何回読んでもそれらしきコマが分からない。
「本が言っている」と言う以上、本からそんなメッセージが発せられていることを清麿とガッシュが感じ取ったってことなのかな。感じ取ったシーンが描写されていないだけで。
人と魔物のペアが人間界と魔界に別れているときに、本を人間が持てば魔物側(肉体ありで生きている場合に限る)に移動できるというのがしっくりくるか。
魔物は今ほとんどが魂の存在だから、この条件を満たせるペアはほとんどいないし。
そうなると何でガッシュと清麿も移動できたの?ってなるけど、移動の時に近くいればセットでOKとかかな。ルーラでパーティ全員が移動できるのと同じ感じで。

page15

ティオ恵無双からのアシュロン顔見せ回。

コンビ再会

「め…ぐみ?」
「ハイ」
を見たときに、あれ?これもしかして…とそれぞれのペア再会時第一声を読み返して鳥肌が立った。
ガッシュとの再会が「第一の術ザケル!」
キャンチョメとの再会が「鉄のフォルゴレー無敵フォルゴレー」
ティオとの再会が「恵」「ハイ」

このペアといえばこれって台詞が完全にシチュエーションに合った形で再現されている。
ここまで原作リスペクトしてる続編この世に存在する?
いや、同じ作者だからリスペクトって言葉は違うのかもだけど。
あれだけ原作が愛されていたんだから、キャラに対する思い入れもファンの数だけ存在する。
読者の数から考えれば「この再会シーンは思ってたんと違う」って感想が一人くらいいてもおかしくないはずなのに、少なくとも自分は一度もそんなコメントを見たことがない。
原作と続編ってここまで綺麗にリンクさせられるものなのか。
再会するたびに次のペア再会のハードルが上がるのに軽々飛び越えていくなあ…

絆が熱すぎる

「顔は死守したわ」に対し謝罪より先にありがとうが出たティオに涙する恵を見て、ああ、このコンビも昔と変わってないなと思わせてくれる。

いかに心細かったか、追い詰められていたか、恵だからこそ一瞬で理解できる。
無茶して駆け付けた恵に、本来最初は小言か謝罪で入るのがティオだから。
筋肉に一瞬ビビる清磨に対し、恵はティオの見た目に一切驚かない。
「守る」ことへのティオの思いの強さを誰より知っているから。

アイドルとしてファンを大切に思う姿勢を見せた上で、それを差し置いてでもティオのために駆け付けた恵。
その恵が怒りという心の力も加えて唱えたマ・セシルドが「これがティオの盾だ」と言わせる強度を見せるのが誇らしい。誇らしいってなんだ。でも誇らしい。これがティオ恵ペアだ。誰だ思い入れないとか言った奴は。100回原作読み直せ。

「悪者退治はお願いね」

あれ、恵ってこんなに魅力的だったっけ…
「助けてもらう」ってスタンスじゃなくて攻めと守りの役割分担を前提にした信頼関係が心地良い。

ここに至るまでのティオの表情の変遷を追うだけでかなりの長さの文章が書けるんだけど、とりあえず清麿見たとき嬉しそうなのにガッシュ見た瞬間キレ始めてるのが最高。

「王の帰還です アシュロン」

いやどう見てもアシュロンが王!!!
味方側にいていい風格じゃないだろ。
最終決戦以外で存在していいサイズじゃないだろ。
こいつがいて誰に苦戦するんだ。
って思ってたら次回ちゃんと戦えないって説明があって「お、おう」ってなった。

アシュロンが好きじゃない人類が存在するはずがないが、御多分に漏れず自分のテンションもぶち上がった。
人型にもなれて圧倒的な強さを持ちながら最後は平和を願って笑顔で主人公に思いを託した伝説の鱗を持つドラゴン好きじゃない奴いる?
加えて、ガッシュ世界随一の常識的感性と相手の理解力に応じた説明ができる頭脳の持ち主なので、出てきてくれてめっちゃ安心した。
清麿さん天才すぎて一人で「なるほど」ってなってるんだもん。お前が分かってもこっちは分からないんですよ。

page16

今まで良く分からなかった部分をアシュロン先生に説明してもらえたのにシェリーの登場により全部頭から吹っ飛んだ回。
正直3巻感想のため読み返すまでこの回の説明ちゃんと読めてなかった。

「ハハッ清麿!! 再び会えて嬉しいぞ」

お前かわいさ属性も持ってるんか。
無邪気な笑顔かわいすぎるだろ。
その流れからの心臓暴走のくだりがエグ過ぎる。
いや、味方にいちゃダメってのは言葉のあやでさ…そんな形で戦線離脱するなんて思ってなくて…ごめんて。

ついにきた説明パート

信じてたよアシュロン。お前がいれば説明パートがスムーズに進むって。
アシュロンだけが説明しているわけではないけれど、アシュロンがいるからこそここまで分かりやすく整理できた。雷句先生もアシュロン動かしやすそうだよなあ。
せっかくなので出てきた情報整理。
・ガッシュが救ったのは約1000万人(思ってたのと桁が違った)
・救われた民は、魂として一か所に集まっている。
・肉体とセットで生き返れたのはゼリィとオルモのみ
・リオウの転送装置以外での人間界への移動は難しい
・遺跡による魔物の復活(切り取ったページが命の欠片として機能したことも含む)は魔界チームの想定通り(伝承されていた)
・敵のリーダーはべリエルで確定。北の大地に拠点。
・べリエルが従えているのは、魔界・人間界以外も含めた多種多様な種族で、生前の欲求を餌に成仏すべき魂が使役させられている(ギルは知の探究が目的なのね)。
・本は27冊(数字出すな考えたくなるから)
・人間界と魔界の行き来は本の使い方も含め不明瞭(だから長老を集める)
・雷の竜の卵(雷の竜の卵?)
いや多い多い!!
すっきりした分以上に新しい情報てんこもりか!
でもアシュロン出てきたし長老集めてくれるってことで俺はアシュロンを全面的に信じて考察を放棄する。
近いうちに説明してもらえる。信じてるぞアシュロン。

脳筋ティオ

全然話聞かないじゃんwww
明らかにアシュロンとガッシュが正しいよwww
一応疑問型で投げ返してるけど回答内容問わず殴る気しか見えない。
アシュロンの「熱くなると敵であろうと味方であろうとペラペラ喋ってしまうであろう?」はていくらなんでも辛辣すぎてここでも笑ってしまう。
※追記
これガッシュの発言だった…アシュロンはもっと配慮ある言い方できるしむしろあちゃーって顔してたわ。ごめんアシュロン…

ただ、ティオ目線だと信頼してないの?って怒りはごもっともだし、論理より先に感情で動くのはいい意味でティオらしくて嬉しくもある。
ガッシュ2だとガッシュですら精神的に大人になってしまって感情剥き出しのキャラがいないからなあ。

バリー

バリーーーー!!
王をも殴れる男になったバリーー!!
脳筋女がその役目は果たしちゃってるけどそんなことはどうでもいい!
ずっとかっけえなあお前は。
術なしでも瓶ありの相手を圧倒する強さが健在で嬉しい。
「オレの仲間達」!?「オレの仲間達」って言った!?
孤高っぽさと荒さを残しながらそんな仲間を大切にしてる思いを口に出せるようになったの!?
合流はよ!合流はよ!

シェリー

14日に18話配信だから、18話の内容によってはシェリーについて何かしらの言及したくなりそうだから慌てて13日に更新することにしたくらいシェリーが母になってることに驚いた。
16話更新時動揺したなあ。
シェリー部分以外当時の記憶ないもんなあ。

page17

さすがにこの回は単話感想を書いた。
…んだけど突貫で書いたからちょっとイマイチだな。

ブラゴの死亡に関しての読み込みが浅すぎた。
page16で魂だけの状態になってるって言ってるじゃないか。何が「魂が復活しても体がないからと考えられる。」だよ。考えられるも何もそのまんま直前の回で言ってるじゃないか恥ずかしい。

修正について

実はこの回は更新日の2週間後に最後の数ページが差し替えられた。
電子配信ならでは。
具体的には、シェリーの走る迫力が増したことと、シェリーの慟哭のコマが加わった(うわあああああああああっ!!!のところ)と、このあたりの表情に涙が追加されたこと。
感想記事では泣かないところにシェリーらしさがあるなんて言ってたけど、泣いてたら泣いてたでしっくりくる。
要するに助けてもらうんじゃなくてボロボロでも助けを待つんじゃなくて走りきるのがシェリーらしさってことなんだと思う。
…負け惜しみっぽくなってるけど本当にそう思ってるから!

まとめ

おまけページも感想書こうと思ったけどシンプルに面白い以外の感想が出力できないのと力尽きたので省略。

いやー、ここまで読んでpage18買うの我慢できるコミックス派の人いるのかな…110円はそれを思いとどめるには安すぎる。
自分ですらわかっていなかった「これが見たかった」がいつだってそこにある。
あまりにも期待から外れなすぎて怖くなる。
毎回ツボを押してくれるしそのツボは自分では気付いていなかった部分にまで届いている。
週刊で魔々勇々、月刊でガッシュが読める人生で良かった。

ここからは過去話一覧。
別枠としてブラゴの再登場に備えて、ブラゴがライバルとして世界最強なことを復習したい人用

過去感想

ガッシュの魅力
フォルゴレ紹介
page1
page2①清麿編
page2②ワイグさん編
page3
page4①雷句先生ありがとう編
page4②遺跡考察編
page5
page6
page7
page8①
page8②

※ネタバレ注意
page18


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