金色のガッシュ2第4話の感想、考察page1 僕たちはこれが見たかった。

漫画の1話でここまで感動したことがあっただろうか。
page4を読み終えたときの感情をうまく言葉にできる気がしない。書いたら陳腐になってしまう気がするが、それでも書きたい。
面白かったどころの騒ぎではない。しばらく興奮で眠れなかった。
一晩たってさすがに少し落ち着いたので、眠い目をこすりつつ感想を書いてみる。

「明らかに観光帰りだ」

シリアスな展開にギャグをぶちこむお家芸。こんなん笑うわ。
「ニッ」じゃないよ。パーティー会場で友達見つけた顔じゃん。敵を見つけた顔じゃないじゃん。
予告編で出てたコマで、仮装パーティーでも行ったんか?ってツイートしたんだけど当たらずとも遠からずだった。

「教ー授ーなんでこんな村調べるんですかー?」

最初はザハラが敬語だったことが判明。
誰とでも壁を取り払って仲良くなれるのも清麿の魅力。
賢いキャラは普通距離を置かれがちなのに。
お高くとまらず老若男女問わず同じ目線で語れるもんなあ。

遺跡の謎解きも面白いんだけど、一回目に読んだときは先が気になりすぎて読み飛ばしちゃったのは僕だけではないはず。

というわけで、遺跡の謎についての詳細は別記事で考察します。(6月25日書きました)ニ周目でじっくり読んだけど、ここの考察をこの記事で書くと、一番書きたいカラーページの感想に一生たどり着けない。

ただし一点だけ思ったことを。
ミイラは依り代であり、ガッシュは本当は死んでいる。魂が依代に一時的に宿っただけ。
そんな考察をいくつか見たが、それは違うと思っている。

あのミイラは、元々生きていた人物をミイラ化したものとは違うんじゃないんじゃないかな。
魔物は戦いが終わったら魔界に帰る以上、魔物じゃないことは確定だし。(石にして帰れなくするゴーレンはイレギュラー中のイレギュラーと雷句先生も言っていた。)

そう考えると、あのミイラは「魔術師」が未来に向けて、誰かの魂が時空を超えて復活できるように用意したアイテムなのだと思う。

加えて、王として努力したガッシュなら、元々博識だったゼオンの力も借りて、相当な知識を得たはず。
そのガッシュが、「自殺ではないぞ」と言う以上、一時的な復活程度で良しとするとは思えない。

まあ、とにかく生きていてほしいっていう願望ありきの考察なんですけどね。

「ああ ガッシュも同じことを言ったろうよ」

さて、静かな遺跡攻略から一転、ここから一気に展開が盛り上がる。
ゼリィが清麿にガッシュを重ねた瞬間、一切の戸惑いを見せずに清麿が言ったこの台詞。
あいつが俺と同じように考えるのは当然だとでも言わんばかり。

そう、この2人は似た者主人公
もちろんガッシュに清麿のような頭脳はないし、清麿が心の殻を破ったのはガッシュのおかげ。
互いの不足を補い合うという意味でも良いパートナーなのは間違いない。

でも、自らの犠牲を省みず他者を助ける心は同じ。
核となる部分が同じだからこそ、同じように怒り、同じように笑い、同じように戦ってきた。
同じ方向を向いているからこそ、2人の推進力は他のメンバーを引っ張る力となってきた。
並んだ清麿とガッシュが似た表情をしたコマなど、コミックスを手に取れば探そうとしなくても目に入る。
似ているからこその信頼で、似ているからこそ2人は無二の友人なのだ。

ガッシュと離れてからの清麿は、きっと心が折れそうなとき、「ガッシュなら…」と心を奮い立たせていたんだろう。
今回の「ガッシュだったら 見捨てない」と自分を奮い立たせるシーンを見ると、そう思わされる。

ガッシュへの理解と信頼が凄まじい。お前らほんっと仲良いな。

「オレ達は再び会うんだろ?」

台詞の熱さが尋常じゃない。
清麿の表情がかっこよすぎる。ただの人間とは思えない頼もしさ。
ガッシュへの思いが強すぎて、後ろにガッシュが見えそう。

難しい言葉なんて一切使っていない。
内容だって、目新しいことは言っていない。
それでも雷句節はどこまでも心に響く

ボロボロになりながら、不適に笑う清麿。
「会える」でなく「会う」。
再会を確信し、自らの手で道を切り開く。
友に恥じぬ姿で再会する。
一コマ一コマから強いメッセージが伝わってくる。
台詞を裏付けるキャラクターの表情と展開。
この表現力を見ると、本当に昔のままの魅力でガッシュが読めるんだなあと嬉しくなる。

「第一の術…ザケル!!!」

こんなん泣くよ。
「第一の術…」で上下に分かれた2人の顔が芸術的。
喜び、希望、決意、信頼、成長。
離れて過ごした期間の厚みと、それでも変わらない2人の関係がこのコマだけでこれでもかと伝わってくる。

どんな台詞を言わせてもいい場面。
清麿なら「変わらねえな」でも「いこうぜ」でも「遅えよ」でも。
ガッシュなら「信じていたぞ」でも「ゆくぞ」でも「待たせたな」でも。

本当に何を言わせてもハマる表情で、言わせた台詞が「第一の術 ザケル!!!」
何でもハマるけど、これしかない。
第一の術 ザケルという言葉の意味を僕たちは知っている。
物語の始まりであり、清麿覚醒の象徴でもあるこの言葉。
友との再会の喜び逆転への希望を兼ねたこのシーン、この言葉以外あり得ない。鳥肌が立った。

それにしてもすごい表情だよなあ。
面影は残しつつも、明らかに原作では見せたことのないガッシュの表情に確かな成長を感じる。
不適に笑うなどという微妙な感情表現はあの頃のガッシュには存在しなかった。
ものすごくかっこよくて頼もしい。
クールになりすぎて、昔とは変わってしまったか?と思いそうになるが、不適な笑みの中に清麿への信頼が確かに込められている。
何より、そのガッシュを見る清麿の嬉しそうな表情が、本質的には変わっていない友との再会を表している。
なんというクオリティ。
カラーページに込められた熱量に見合う対価を払えている気がしない。
132円て。

まとめ


予想はことごとく外れた。
「page」というサブタイトルにすら意味があった。
アンサートーカーについて考察していたのが恥ずかしい。

どんな予想も考察も、足元にすら及ばない面白さ。
「予想は裏切り期待に応える」を地でいってる。

展開は「窮地に主人公が駆けつける」というベタ中のベタのはずなのに、どこにもない展開。偉大さについて語った記事のとおり、まさに王道なのに新しい。

今後どう進むのかは分からないが、ミイラのようなアイテムの個数から考えても、それなりの長さの連載になることは期待して良さそう。続きを座して待つのみである。

いやー、読んでる時間、本当に至福だった!
雷句先生ありがとうございます!

page5感想↓

過去感想
page1
page2①清麿編
page2②ワイグさん編
page3
page4②遺跡考察編

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