金色のガッシュ2第4話の感想、考察page2 ミイラの謎を解明せよ

page4の更新から3日。未だに「page1!!!」から始まる数ページを繰り返し読んでいる。
麻薬のような多幸感。
その部分について語った感想はこちら

しかしやっと冷静に読み返して考察できるくらいには正気に戻ったので、分かった情報を整理してから考察してみる。

明らかになった情報

描写や発言から、推測なしで事実と認定できるものをリストアップ。
※扉の先の場所のことは便宜上「ミイラ置き場」と呼ぶ。

・ピラミッド建造の現場監督者の一人「魔術師」が、ミイラ置き場までの目印を設置
・ミイラ置き場は3015年前に作成
「友の世界」「再び」「大いなる厄災」に襲われたときのため、「この扉の奥に希望を残す」と表現
魔界の文字で書かれている
「命の欠片を持ちて 希望は光となろう」とのメッセージ(数秒しか見えない)
・大量の石になった魔本
・魔本が石になっているせいで術が発動しない。
・「復活のできない業火」で全ての魔本が燃やされた
・以前は魔本の力でギル達の種族が辛酸を舐めた
大量のミイラ。人の形も人以外の形も。
・ガッシュは自分の「身体」と「命」を犠牲に複数の魔物を生き返らせる術を使った
・ガッシュが「自殺ではない」と言って、一枚の紙をジギーに託した
・この紙には、誰でも読める絵と文字で清麿が書いてあり、加えて、清麿にしか見えない「第一の術 ザケル」という文字が書いてある。
・これを清麿が持ち、魔本を手にしたところで次の現象が起きた
①魔本が輝き出し、清麿が持っていたページが魔本の中に
ゼリィとオルモから光が飛び出し、一つのミイラの中へ
光を吸収したミイラの外郭を破り、中からガッシュ登場

考察

さて、ここまでの情報を元に考察してみる。

ミイラ置き場の作成者


情報から分かるのは、ミイラ置き場までの目印を作ったのが「魔術師」であることまで。
しかし、魔界の文字を操り、3000年先の未来に向けた準備をできる知能を持つ人間がそうそういるはずがない。
そう考えると、ミイラ置き場も「魔術師」が作ったことでほぼ確定。

さらに、
1000年という周期に近い時期に存命していた。
魔界の王を決める戦い以外で、人間界と魔界の接点が生じることはほとんどない
以上のことから、「魔術師」は、魔界の王を決める戦いに関わった可能性が高い。(ただし、後述するように、王を決める戦い以外にも接点は生じるようだが)

「魔術師」は、自在に魔界の文字を操れる、清麿に匹敵する頭脳の持ち主で、当時の王のパートナーだったんだろうなと想像できる。

ミイラ置き場作成の目的

まず、「魔術師」が大いなる厄災(=魔界の危機。魔物が術を奪われ全滅の危機に瀕することか?)に向けて作成したことは読み取れる。

大いなる厄災を「再び」としているところが気になる。一度は起きたことを自分で見なければこの表現にはならない。
王を決める戦いは厄災ではない。それを厄災と呼ぶなら魔物を「友」と呼ぶこともないだろう。
すると、「魔術師」は、王を決める戦いの後、別のタイミングにおいて魔界の危機に直面したことになる。

この危機の内容はあとで考察するので一旦置く。
「魔術師」が、清麿のように魔物と通じあったとすれば、危機を切り抜けた後も、友の暮らす魔界の未来を心配するのが自然な流れ。
一度経験した危機から、将来生じ得る魔界の危機を予測し、友の世界を守るためにミイラ置き場を作成したのだろう。

過去に何があった?

まずは、千年前の戦い以降に起きたことを考察。
そのあとで、ここを整理することで見えてくる、魔術師のいう三千年前の「大いなる厄災」について考えることとする。

1 千年前の戦い以降に起きたこと
ガッシュの父であり、先代の王であるダウワンによれば、ダウワンが王になってから(つまり約千年前から)
魔界が滅ぶほどの大きな戦争が3回
・うち1度は魔界の者でない者との戦い
・その戦いでは全ての力を奪われた
・が、魔本がダウワンの本の持ち主達を連れてきて助けてくれたことで切り抜けられた
とのこと。

ギルの「辛酸を舐めた」との発言も併せれば、ギル達のグループ(祖先?)による魔界侵攻が、ダウワンの戴冠後に行われたことは間違いない。
この戦いが、ダウワンの言う、魔界の者でない者との戦いだろう。

そして更に、ここまでの情報から、
当時からギル達は魔物から術を奪うことができたこと
奪われても魔本と人間の力で戦えること
③これに懲りたギル達が、まず魔本を燃やすことにしたこと
が分かる。

2 三千年前の大いなる厄災
それでは、三千年前には何が起きたか。
さすがにヒントが少なすぎるが、ダウワンの時とは違う危機だったのではないだろうか。
同じだとしたら、魔本を燃やすという手段に三千年間気付かなかったのはちょっと間抜けかなあと。

そうではなく、魔物が魂だけの存在にされてしまったと考える。
魔物が残り10体になったときもそうだし、魔物には、魂だけで存在するという状態が明確にある。
だとすれば、強制的にそうされるということもあり得ると思うのだ。

三千年前に、魔物達は魂だけの存在にされた。
それを魔術師が、なんとかして元に戻し、危機を切り抜けた(方法の考察は後述)。
「今回は俺が天才だったからなんとかなったけど、将来魔物がまた魂だけになったとき、復活させる手段は残さないといかん。」と考えた魔術師が、ミイラ置き場を作ったと考えると筋が通る。

復活のメカニズム、ミイラ置き場の機能

さて、ここが最も難しい。
さっきは「なんとかして元に」などとぼやかしたが、作中描写から、復活に必要な要素と、ミイラ置き場が果たす役割を考察する。

1 復活に必要な要素
作中から読み取れる復活に必要な要素は次の4つ

①魂(ゼリィとオルモから出た光)
②石になっていない魔本(一部でもOK)
③ミイラ
④本の持ち主が本を持つ
以下、なぜ必要なのか、一つずつ考察する。

①魂
魂がなければ復活できないのは、素直に考えれば当然。命と読み替えて構わないだろう。
今回は、ゼリィとオルモから、ガッシュの魂が出現したためクリア。

②石になっていない魔本
ここが難しい。原作でもずっと出ていたにも関わらず、魔本にはあまりにも謎が多い。
まずは作中描写から分かる点。

a.魔界の王を決める戦いにおいて、魔本を燃やされると魔物は魔界に帰る
b.魔本は、人間の心の力で術を出すためのアイテム
c.王を決める戦い参加者には、一人一冊本が与えられた。
d.魔界では、魔物は自分の力で術を出せる
e.人間界と魔界は、魔界の王の戦いなどの機会に、魔本が世界を繋げなければ、転送装置を使っても行き来できない。
f.逆に、世界が繋がっている状態であれば、転送装置でも移動できる。
g.転送装置による移動は、成功の保証のない不安定な手段

これらのことから、魔本は、転送装置なしで人間界にきた魔物の、人間界における存在条件なのではないだろうか。
・ゼリィ達は、転送装置で移動したため、本がなくても人間界に存在できる。※ジギーの言葉によれば、「一度きりの奇跡」であり、ほいほい移動できるものではなさそう。
・復活したガッシュは、転送装置によって人間界に来たわけではないため、魔本がなければ人間界に存在できない。
・魔界の王を決める戦いは、転送装置ではなく魔本による移動のため、魔本が燃えたら魔界に帰る(=魔本がなければ人間界に存在できない)。

以上により、魔本あるからこそ復活できる(人間界に存在できる)ということが分かる。

しかし、石になっていた点、燃やされたという点、1ページだけで復活できたという点など、まだまだ疑問は残る。
ここについては、ミイラ置き場の機能で考察する。

③ミイラ
魂があっても、肉体がなければ復活できない
というのも、魂の点と同じくらい当然のこと。肉体に代わるものとして、ミイラが必要なのだろう。

④本の持ち主が本を持つ
ここが必須かは微妙なところ。
原作においては、本の持ち主が分からない状態でスタートしていたことから、「本の持ち主が本を持つ」という点は、存在の条件とまでは言えない。
どちらかというと、本の石化解除の条件なのではないか。
すなわち、魔本は石の状態では何の機能も果たせないところ、本の持ち主が、本物の魔本を一部でも手にすると、石ではなくなり、本としての機能を取り戻すと考えるとしっくりくる。

2 ミイラ置き場の機能

ミイラ置き場には、ミイラと魔本が置いてある。魔本のほうが重要と考えているので、ミイラ、魔本の順に考察する。

①ミイラ
前述したとおり、魂が宿るための、肉体に代わるものであると考える。

・「魔術師」に、ピラミッド建築関係者の中でもトップレベルの技術があったこと
・エジプトという、呪術と親和性の高い場所であること
これらを踏まえると、「魔術師」は、魂だけとなった魔物が復活するための、肉体の代わりとなるもの(=ミイラ)を生み出す技術の開発に成功したと予想する。
当時は魔本は燃えていなかったため、肉体の代わりさえあれば復活できたのだろう。

・人間界に魔本が存在する状態で
・魔物の魂がミイラに近づくと
・魂がミイラに取り込まれ
・ミイラ内部で魔物が肉体ごと復活する
この現象が自動的に発動するアイテムが、ミイラということになる。

②魔本

なぜミイラだけでなく魔本が?なぜ石に?などを考えるため、魔本について掘り下げて考える。

まず、本来魔物は、魔界にいれば人間の力を借りずに術を使えるのだから、魔本は魔界の王を決める戦い以外は基本不要なものである。

だとすれば、魔本は100冊(王を決める戦いの参加者の数)しか存在しないと考えられる(千年前の魔物編では現代と合わせて100冊越えちゃってるけど、ゴーレンはイレギュラー中のイレギュラーと雷句先生も言っていたので例外としてスルー)。

そして、この100冊は常に魔界に置いてあり、王を決める戦いで燃やし合うのは、この魔本をベースに作られる、人間界用のレプリカなのだと思う。
そうでなければ、戦い終了後はガッシュの本一冊しか残らないことになる。これはギル達が大量の魔本を燃やしていることと整合しない。

ミイラ置き場に置いてあった魔本は、この100冊の魔本のレプリカ作成用媒体なのではないだろうか。
未来に向けて、復活させるべき魔物に対応した本を用意するのはいくらなんでも不可能だが、常に100冊しか存在しないと分かっているなら用意も可能と考えられる。

必要となったときに魔界にある原本の魔本を写し出して、人間界に魔本を現出させるためのレプリカ。これがミイラ置き場にあった魔本の正体である。結構自信がある。

本来は、紙の状態で置いてあり、中身は白紙だったんじゃないかな。本の持ち主が持ったときに、その人物に対応した術が本の中に現れるように、「魔術師」が作ったんだと思う。さすがに作成当時、魔本の力を借りたとは思うが。

今回石になっていたのは、原本である魔界にある魔本が燃やされていたから。参照できる原本がない以上、本来の役目が果たせるはずもなく、石になってしまったのだろう。

清麿が受け取ったのは、ガッシュが魔本から切り取った、ザケルのページ。
切り取られたページは、本の持ち主が再度手に取るまでは機能を失うと考えれば、本来の持ち主である清麿が手に取った瞬間機能を取り戻し、魔本の石化が解けたことにも筋が通る。

3 起きた現象整理

ここまでの考察を前提に、page4で起きた現象を整理すると、次のとおり

清麿がガッシュからの手紙(=魔本のザケルのページ)を手に取る
②持ち主が手に取ったことにより、そのページの魔本としての機能が復活
③一部とはいえ、魔本が復活したことにより、ミイラ置き場の魔本のレプリカが機能発揮、魔本としての効力を持つ(=石化解除)
※考察からすれば、手紙はそのままで、石化解除された本の1ページにも同じものが現れるのが正しい。
折り目がなくなり、似顔絵も消えていることから、持っていたページは魔界に帰り、必要な呪文部分だけがレプリカに表示されたということなのだと思う。
④魔本の効果により、ガッシュが人間界に存在できるようになる
発動がストップしていた、ミイラの機能が復旧(依代として魂を受け入れ、復活させることができるようになる)
ゼリィとオルモに入っていたガッシュの魂が、ミイラに入り、ガッシュ復活

大きな矛盾はないように思える。ツッコミどころがあれば是非ご指摘ください。

ガッシュの術

さて、大筋は考察したが、ガッシュが使った「身体」と「命」を犠牲に複数の魔物を生き返らせるという術の実態は不明。
素直に考えれば、ガッシュを犠牲に生き返らせたのだから、ゼリィ達からその魂が抜け出したら、ゼリィ達がまた死んでしまうのでは?という疑問が生じる。
この点は、復活術が、「生き返らせる」+「自分の魂の欠片を生き返った者に分割して付与」という2つの効力を有していたと考えれば矛盾なく整理できる。
王特有の切り札的な術だし、復活に必要な手間を考えれば強すぎるということもない。

今後の予想

妄想の域を出ないが、一応仮説が立ったので今後の予想ができる。

他のキャラは登場するか?

100冊の本が用意されている以上、原作登場の魔物全員に復活の可能性がある。これは嬉しい。

魂がなければ復活できないという点はネックにはなる。
しかし、そもそもガッシュの術により既に復活させられているという可能性も大いにある。「救えるだけの」と言う以上、復活させたのは間違いなくゼリィとオルモだけではないし、国の中核を担っているであろう原作の魔物達を復活させない理由はないだろう。

むしろ問題は人間界に来られるか、という点になる(転送装置は不安定)。
ここでミイラ置き場である。魔界で生きているのであれば、魔本さえあれば人間界に登場させるためのアイテムとして使えてもおかしくない。一度魂化するというリスクは踏まなければいけないだろうが。

都合よく燃えたはずの魔本のページを切り取ってるのか?とか、それを人間界に送れるのか?とか、結局クリアしなければいけない問題はあるが、何とかできそうな気もする。

シェリーやらデュフォーがここに紙を持って辿りつきさえすればブラゴやゼオンが再登場可能だなんて最高に熱い!

ガッシュの強さは?

魂の一部しか戻っておらず、ザケルしか使えない以上、発揮できる力は少ないだろう。

しかし、ガッシュと清麿コンビの強さの本質は術の強さではない。
現に、ザケルを唱えただけのコマの「これでもう大丈夫」感が凄まじい。

心の強さと機転、コンビネーションで苦境を切り抜け、ページや魂を取り戻す度に再びレベルアップする2人の姿を見られるのは読者にとってむしろ喜びである。

過去感想
page1
page2①清麿編
page2②ワイグさん編
page3
page4①雷句先生ありがとう編


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