金色のガッシュ2第6話(page6)の感想、考察 「一瞬!!!」

考察しがいのある情報が次々提示された今話。
しかしタイトルにしたとおり、今回の1番の見所は「一瞬!」からの熱すぎる流れ。
考察を最初にしてから、最後にその場面をじっくり語ろうと思う。

「もう怖いので帰りたいんですけどー」


最初に遺跡に来たときには涙ぐむほど喜んでたのに…
原作では、人知を越えた状況を客観的に見るキャラクターがいなかったので、ザハラの視点は新鮮。
どこかの作者コメントで、ガッシュ1は、ある程度の違和感はスルーする世界観にあえてしていると書いてあった。
ザハラの視点は、この世界観とは違うということをあえて強調しているように見える。
原作はあくまで魔界の王を決める戦いであり、基本的には100人プラスアルファ以外にとっては無関係だった。(ファウードは人間界にまで明らかに害を及ぼしてたけど、あれはイレギュラー。)なので、関係者以外がいちいち反応してたらノイズになるだけだった。
逆に今作は世界の根幹に関わるから、一般人との関係性も描写の必要が出てくるってことなのかな。人間全員で立ち向かう的な。
だとしたらものすごく壮大な構想だけど、雷句先生ならあり得る。オラわくわくすっぞ!

このへん置いといて、ザハラのキャラいいよね。有能、リアクションが素直、コメントが面白い。ザハラの台詞が出るたびに、何と言ってるか気にしてしまう。

「オレは元々は人間だった」

ここまでの考察を裏付けるように、人間とそれ以外の存在の境界であることを明らかにしたギル。複数の世界にまたがった話になることは間違いない。
ただ、ギル自身が自ら望んでこういう存在になったようには見えないんだよな。
ここまでのギルの発言を振り返っても、人間に恨みがあるようには見えず、あくまで魔界を滅ぼすという使命(指示)に従っているようにしか見えない。
望んでなったなら、個人としてやりたいことがもっと明確にあるはず。かといって嫌々にも見えないから全く分からないんだけど。

ちなみに、「魔導師」と出てきて驚いたが、清麿が例の部屋の作成者として呼んでいたのは「賢者」(「魔術師」だったのが単行本で変更)。関係ないと考えていいんじゃないかな。

「覚悟を決めろ」


まさか命を賭ける覚悟だとは思わなかった。メガンテかよ~。ワイグさん…いいキャラだったよ。
この後の呪文詠唱について、片仮名解読はパス。
日本語部分を読み解くと、ギルが操っているのは「力」そのもののようだ。
思えばガッシュ世界の術は、一般的なファンタジー世界の魔法とはちょっと違う。
術に性格を支配される系のものは、「我を忘れる」を超えて、術そのものの意思に飲み込まれるような描写が多い。
魔物単体と術とは切り離せる関係で、術そのものに意思に近いものがあるということだろうか。意志の強さ、性質には大きなバラつきがあるが。

だからこそ、実は呪文によって効果だけが発動しているときは、本来の力を発揮し切れていないのでは。
今回「依代を与え」とか「抑圧された力を」とか言ってるのはそういう意味な気がする。
「意志を我に預けよ」って言ってる以上、本来意志を持ってることは明らかだし。

瓶の中身が切れるまでってことで時間制限があるのは分かるけど、ワイグが死んでしまう理由が分からない。
合体は、肉体を完全に明け渡す行為だからってことかな。
入れ物としての肉体を明け渡す→中身が術で満たされる→術がなくなると中身がなくなり滅びるって感じか。

「力との同調が強まれば印だけで術を出せるのか!?」

漫画がうますぎる。
読者へのヒントのために詠唱は必要だけど、常に詠唱してるとテンポが悪い。
詠唱が必要なときもあるってことにすれば、必要な範囲で詠唱することで読者にメッセージを伝えられる。
かつ、これに気付くのが清麿ということで、ご都合主義どころか清麿の賢さを引き立てる結果にもなっている。
恐ろしく合理的な展開…俺じゃなきゃ見逃しちゃうね。

「スマヌが…お主達は倒さねばならぬ!!!」

王の器だ…。
本を燃やされた側が魔界に帰るのとはわけが違う、相手の死を感じてのガッシュの覚悟。
先週のやり取りで明らかな外道であると判断したにもかかわらず、本来なら命を奪いたくないという優しさ。
まだほとんど台詞がないのに、表情とピンポイントの台詞で、毎回以前の魅力はそのままに大人になったガッシュを感じられる。

でも、日常会話も早く読みたい。
雷句先生、来週は読めますか?

余談

コミックス1巻の表紙のバオウが幼い感じなのが話題になっている。
悪しき心を食べて成長するのがバオウ。
成熟した王となったガッシュの下では、食べるべき邪悪な心がほとんどなく、バオウが退化したんじゃないだろうか。
成長したガッシュを見るとそう思う。

「一瞬!!!」

この直前のページのカッコ良さよ。
マントで炎を一瞬弾いていることが分かる躍動感のある絵面の中の、静止した二人の顔。
互いへの信頼と、一切の恐怖なくぶれずに活路だけを見つめる様子が、効果線を引かないことで強調された表情から伝わってくる。
毎回毎回見つめるだけで幸せなコマがあるのすごいよ~。

この後のシンプルなモノローグもいいんだけど、ここについては読者がずっと感じていた二人の関係の魅力を雷句先生が追認してくれた感じの面白さ。
更におかわりでワイグの心情描写がくるのが熱い。
前回ギルが驚いたのは、絆による力の強さ。
今回ワイグが認めたのは、清麿の強さの本質。
「勝てるから」でも「自分が強いから」でもなく、貫くべきものがあるからという理由で、自分の身を顧みず最善手だけを見詰めることができる。清麿の強さはアンサートーカーじゃないんだよなあ。
ワイグは清麿個人の強さと捉えてるけど、清麿がぶれずにこのスタンスを貫けているのはガッシュのお陰なんだよなと思うと感慨もひとしおである。

まとめ

最高に面白い。
連載開始してからずっと面白い。
そして、原作の遺産を主人公コンビ以外ほぼ使っていない。
過去キャラちょい出しするだけでファンは発狂して喜ぶというのに。
失速する気配が微塵もなく、安心して毎回楽しみにできる面白さ。
ドラクエ10で忙しいというのに結局感想を書いてしまいました。

過去感想
page1
page2①清麿編
page2②ワイグさん編
page3
page4①雷句先生ありがとう編
page4②遺跡考察編
page5

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