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#51 ショックを受けた初授業 竹の家で育った大家族の稼ぎ頭の夢とは  【私のセブ島留学(11)】

留学初日の午後


ついにマンツーマン授業が始まります。


私の時間割は

午前中にマンツーマンレッスンとグループレッスンが各2コマ

午後はマンツーマンレッスンが4コマというスケジュールでした。




その英語漬け生活の始まりの授業は、私にとって忘れられない授業になりました。


明るく優しいジェニー先生

授業開始3分前にはテラスに到着。


授業はマンツーマンで個室で行われます。

先生ごとに部屋が固定で割り当てられています。

1コマ目から8コマ目まで、先生の名前と部屋番号が書かれたシートを見ます。

(午後の授業は5コマ目か)

5コマ目には「Jenny」と書いてありました。



授業開始のチャイムが鳴ると、先生たちは自分の部屋の前で生徒を迎えます。

あちこちから

「ハーイ!」

「ウエルカーム!」

といった声が聞こえます。


ジェニー先生は笑顔で私を迎えてくれました。


まずは定番の自己紹介から

お互いに椅子に座ると簡単な挨拶を済ませて

英語での自己紹介をします。


もしも8コマすべて違う先生の場合は、新入生は8回自己紹介をします。

私はこのことをポジティブに捉えていました。

練習になるし、基本的に8週間毎日顔を合わせる先生たち。


英語力を上げることはもちろんだけど、外国人と仲良くなってできることなら信頼関係を築けるようになっていたい。


私はありきたりな

・名前

・やってた仕事

・留学の目的

・留学できて嬉しい

といった話をした後に

自分の趣味について話しました。




「趣味は英語の勉強と海外旅行。今まで行った国はグアム、インドネシア、マカオ、台湾、タイ、マレーシア」

「今回フィリピンに来れて嬉しく思う」

「僕は時間がある時は世界地図を見るのが好きなんだ。次はどこの国を旅行しようかいつも考えている」

「僕は海外に魅力を感じている。特に東南アジアは魅力的」

「将来の夢は海外で仕事をして暮らすこと!」


という具合に下手なりに言葉をつなげて、ときどき先生に文法を直してもらいながら話しました。


先生のことも聞かせてよ

一通り自分のことを話した後は、

「先生はどうなの?いろいろ教えてください」とジェニー先生の自己紹介を要求しました。


「もちろんいいわよ!」とジェニー先生。


彼女は私のレベルに合わせてゆっくり話してくれるタイプの先生でした。

年齢や趣味、今は4人のルームメイトと暮らしていて・・・

という話から「出身はセブ島じゃなくて違う島なのよ」と、故郷の話に発展し・・・


生まれた国や環境が違うだけで・・・

「両親とたくさんの兄弟姉妹がいるわ」

「私は長女で両親が無理をして大学まで行かせてくれたの」

「だけど兄弟姉妹を全員大学まで行かせてあげるお金は無いの」

「だから私が英語教師でお金を稼いで、家に仕送りしている」


(・・・うーんリアルだなぁ)

実家は「竹」でできた家

先生「家族の家はバンブー製なの」

私「バンブーってあの植物の?」

先生「そうバンブー(竹)」



私は日本という国に生まれ、両親は共働きでお金に困ったことといえば

就職したての1〜2ヶ月程度のあいだは、「3日先の給料日まで2,000円」みたいな時もあった。

でもそれはあくまで基本的に「自分のためのお金」だ。


自慢じゃないが

結婚していた時も元奥さんは仕事してたし、子供もいなかったので「誰かのために金を稼ぐ」という経験はない。


先生の話を聞いた私は・・・

どんな言葉を返して、どんなリアクションをすればいいのかわからなかった。


先生は笑顔をたやさず「竹でできてるなんてユニークでしょ?」と言わんばかりの明るい表情だった。



先生の夢はなに?

自己紹介で

今まで行った国々や、「世界地図を見て次の行き先を考えている」とか

自分の将来の夢(海外で仕事して暮らす)についてたくさん語った私。


先生の将来の夢について聞いてみました。

私「あなたは将来なにをしたいと思いますか?」


先生「私は・・・」


少しだけ間を置いて


「お金を貯めて一度でいいから飛行機に乗って海外に行ってみたいな」



(・・・うーん)

なんかショックでした。

先生の発言に他意が無いことは明らかでした。




金の力でいとも簡単に自分の都合で海外を回れる自分。

かたや自分の稼ぎの大部分を家族にささげる先生。


私はなんともいえないショックを受けていました。


ショックを受ける私と前向きなジェニー先生

ジェニー先生は私の大好きな先生のうちの1人です。

今でもSNSでたまーにやりとりします。


50分間の授業でテキストを一切使わずに、フリートークで初めて英語で話きったのはジェニー先生の授業でした。


彼女を形容する言葉は「やさしさ」と「あかるさ」です。



忘れられないショックを受けた初授業でした。

でもそんな話を悲壮感のカケラもなく、カラっとした夏の日のように話すジェニー先生。


いつかもっと英語を話せるようになって、

初授業での話や

その時に私が抱いた感情を

微妙なニュアンスを駆使して

再会して話せる日が来るといいなと

この記事を書いて思うのでした。

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