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正義は暴走する。絶対の正義はないから

 正義は暴走するが、悪はしない。正義は行き過ぎるが、悪はそうではない。なぜなら正義は正しいからだ。そして悪は間違っているからだ。正しいと思われている行いには「どれくらい」かが問われるのに対して、間違った行いはそれをした時点で悪なのだ。どれくらいなど関係がない。まずそこに悪が認められる。行き過ぎるとか行き過ぎないとかではなく、悪はもう入口から悪である。

 つまり正義は相対評価で、悪は絶対評価なのだ。それ故に、正義には限界がない。どこまでも正義ができてしまうし、誰かと比べてどのくらい正義かということが競われる。そして暴走する。正義をなしたかどうかではなく、その具体的な内容こそ、価値だから。

 人は不安なのだ。本当に自分は正義なのか。もしかすると悪ではないか?そう思ってしまう。それを払拭したい。気にしないようにしたい。その時、正義は役に立つ。正義と考えることを実行し、模索し、進んでいくことは心のためになる。

 悪は悪。それだけなのに、正義は正義で終わらない。その先、誰かよりも正義を執行することが求められていく時、正義はいとも簡単に暴走する。際限のない正しさの深淵へと、突き進むことになる。

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