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女もなく粗末な食事と安い酒で雑な夜を過ごす他ないという悲しみ

女もなく粗末な食事と安い酒で雑な夜を過ごす他ないという悲しみ

 酷く疲れたが誰もいない部屋で他者の労りなどあるはずもなく金がないから残業であっても自炊しなければならない。

 やる気がない。身体が重い。これはまずい。
 もういいや開けちゃおうと買ってきた安ウィスキーをタンブラーに注ぐ。喉から胃にかけて熱が入り活が湧き上がる。あぁ身体に悪い。しかし飲まねばやってられん。

 フライパンをコンロに置き具材を投入。レシピはない。適当に炒めた肉と野菜はもはや餌。フラ

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一杯の酒

 一月三日。
 年末年始も特に休み無く仕事をしようやく定休が回ってきたのでワンカップ片手に温い正月番組を眺める。
 知らないお笑い芸人が知らない芸を披露して気がつく世俗との乖離。そして思い出す昨年も同じ事を考えていたなという記憶。というよりここ十年くらいずっとそんな感じだ。いつの間にか聞かなくなったラララライだの当たり前だのラッスンゴレライだのとったフレーズはどこへ消えたのか。消耗品じゃないのだか

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