今の「好き」に至るまでの読書変遷【こどもの本棚】
今年21歳の息子。幼い頃には、さまざまな絵本を読んで聞かせていましたが、息子には独自の好みがありまして。その傾向、息子の夢中がわかる変遷を書いてみました。
【こんな子でした】
普段は明るく陽気で、何かを知ることへの好奇心でいっぱい。
かんしゃくとこだわり、外での緊張が強く、毎日大号泣するタイプでした。喋るのも好きですが、考えていることに言葉が追いつかないもどかしさが吃音に表れているようでした。
生き物に興味を持ってくれず、行儀などのしつけや習慣が年単位でも身につかなくて不安になり、色々調べて特性によるものだとわかりました。
数字や文字に強い関心を示すのもそれによるものだそうです。
本を読んだり調べたりするほど不安になってしまい、とにかく人の気持ちを考えられるように、自分の気持ちを表現できるようにとがんばったのを思い出します。
自分や息子、周りの人、テレビで観るもの絵本で読むものなど、人の表情や雰囲気、感情を言葉に表すようにしていました。
【~5、6歳頃】
機関車トーマスのキャラクターが大好きだったのですが、「トーマス」「パーシー」より機関車の数字を覚えていました。「イチ!」から「イチマス!」→「トーマス!」と覚えていっていました。
せめて本は、ストーリーあるものをと選び、気に入ってくれました。
このシリーズ、1巻の「3だい」は、エドワード、ヘンリー、ゴードンのことです。トーマス登場は2巻からなのが私には衝撃でした。
他の絵本も楽しんでいましたが、けっきょく鉄道や新幹線の写真の本が一番好きでした。親がこうしようと心がけたところで、子供の正直な気持ちは好きな方に向いていきます。そこをつぶしたくなかったものの写真の載った本の注釈をくり返し読まされたのは、なかなかの味気なさでした。
よりによってこんなシブいのが一番好きになりまして。ボロボロにするほどでした。
そこから地図が好きになって読み込みます。これがどの本より圧倒的にボロボロです。
ここまでになったのは、各地の特徴を表す数字(人口や面積や特産品など)が多く載っていたためだと思います。又、この地図を見ながら旅行ごっこをしたためでもあるでしょう。
幼い子の遊び相手をしたことがあればわかると思いますが、最初は大人もノレるのですがね。まあくり返されるもので。一日に何度も、それが毎日ですね。
地図や新幹線の本、そして時刻表も好きでそこから漢字を覚えていましたが、字はひらがなでさえもなかなか書けませんでした。これも特性からだそうですが、今となってはそれほど心配することじゃないなあと思います。でもその時は不安でいっぱいになるんですよね。
【~7歳頃】
当時大流行りした「くらべる図鑑」が大好きでした。
動植物に興味がわいてきたわけではなく、やはり数字が好きだったみたいです。
自分で読めても、寝る前に読んでほしがりますよね。「〇△ 時速何キロ」とか「□〇 大きさ何メートル」とかくり返し読むうちに、こちらが眠くなってしまうんですよねぇ。
○○博士みたいに何かを極めることはなく、ひたすらそういった数字をうれしそうに話してくれるのでした。
今はすっかり忘れているそうです。
【小学生の頃】
わりと長い間、「かいけつゾロリ」を楽しんでいました。
小学2年生の終わりに東日本大震災に遭い、原発事故の避難をします。皮肉なことにそれをきっかけに化学への興味が深くなり、そこから元素にハマっていきました。きっとあるあるかと思いますが周期表を覚えますよね。息子の場合、数字や記号が好きだったことも影響していると私は思っています。
高校生の頃も言っていましたが、今も「化学についてはだいぶ忘れたけど、あのころの記憶に助けられる授業もあるよ」と言います。
小学校高学年では「アラルエン戦記」「コロボックル物語」シリーズや「ガンバとカワウソの冒険」シリーズを読んでいました。この辺りまでの読書は私もいっしょに楽しめました。学校では江戸川乱歩シリーズをよく読んでいたそうです。
元素が好きだったため「元素検定」も読んでいましたが
本屋でその近くにあった「面白くて眠れなくなる数学」シリーズにハマります。私には、あまりにも興味がなくて読み進められなくなり、会話にも加われなくなりました。
このシリーズが「超面白くて~」「超絶面白くて~」などと何冊も何冊もしつこくてですね。いったい何がちがうのかと思うのですが、息子にとってはそれぞれ面白いようでした。
科学雑誌「ニュートン」も気になったタイトルのものを買っては読み、楽しんでいました。
息子にとって小学校高学年が一番、読む作業を楽しんでいた時期かもしれません。
【中学生の頃】
この時期は「数学ガール」シリーズくらいでしょうか。
夫が買ったのを読んでみたようですが、息子に後から聞くと一通り目を通しただけだったそうです。
ふり返ると読書停滞期だったのかもしれません。
漫画は相変わらず読んでいました。「グラゼニ」「ちはやふる」なんかを読んでいたのはこのころだったかな。私とは「クロマティ高校」を読んで二人して笑い転げていました。
もちろんこの時期ですから、共通の話がある時以外は機嫌の悪い時間も多かったです。
【高校生の頃】
塾で国語力が上がると言われ、本を何冊も指定されて勧められていましたが、息子は面倒くさがり、その中の数冊かしか読みませんでした。そうやって勧められる本に気が進まないのはわかる気がします。
小学生の頃までの読書貯金があると、塾の先生がおっしゃっていたので、たくさん読んでおいたのは良かったようです。
雑誌「大学への数学」にはハマり、毎月買ってコンテストに応募するのを楽しみにしていました。
PCを扱う部活のためもあって、プログラミングに興味を持ち、関連した本を次々と読んでいました。そのうち競技プログラミングを楽しみ始めます。
漫画は「ジョジョの奇妙な冒険」「ワールドトリガー」が好きだったようです。
他にも自分で買っていたみたいなんですけどね。さすがにこの時期になると、息子の好みなどを知らなくなっていきます。今と地続きなこともあるのでしょうか。照れちゃうのかそこは教えてくれません。
先日、noteに書くので読書変遷を知りたいと本人に直接話を聞いてみました。
化学、数学、プログラミングと、興味がつながっていった感じ? と聞くと「ええーつながってないよー。僕の中ではそれぞれ違う三つの軸だよ」と言われてしまいました。
えええ……そうなんだ。じゃあ私の中でつながっていると思う部分を書いてみるよ。ーでこんな変遷記となりました。
現在は競技プログラミングに夢中で、個人で、そしてサークルに入ってグループで、様々なコンテストに挑み楽しんでいるみたいです。
メンバーシップとして参加しているきいすさんの企画です。
自分自身の好みには一貫性があまりに感じられずあきらめましたが、もう少し時間を作れば何か書けるのかもしれません。
子供の成長を振り返りながら書くのは楽しかったです。
気が向いたら是非楽しんでみて下さい。10月17日頃までだそうです。参加方法の詳細は確認してくださいね。
きいすさん自身の参加企画記事。この書き方を参考にすると、書きやすかったです。
この記事が参加している募集
読んでいただいて、ありがとうございます! 心に残る記事をまた書きたいです。