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【生徒インタビュー】離れた場所にいる同級生とつながり、得た学びとは?

2022年4月からすべての高校で「総合的な探究の時間」が本格的にスタート!生徒一人ひとりの興味関心に沿って、生徒が主体となってテーマを立てて探究を進めていきます。

多様な生徒の「好き」や「気になる」テーマに応じて探究学習を進めるには、一緒に深め合える生徒や先生の存在がとても重要です。

しかし、学校規模が小さい “小規模校” では、「似たようなテーマを選択している生徒がいない」「テーマに詳しい先生がいない」という課題があります。そこでカタリバでは2020年度より小規模校を対象に、学校同士が連携して学びのサポートを行う「学校横断型探究プロジェクト」を実施しています!

2021年度から茨城県立小瀬高校、宮崎県立高千穂高校、第一学院高校(横浜キャンパス)、2022年度からは島根県立吉賀高校、栃木県立足利特別支援学校が加わり、合計8校(約260名)が参加する本プロジェクト。(*1)今回はプロジェクトに参加している生徒へインタビューし、他の学校と連携して探究を進めたことで得たものについて聞いてみました!
*1 2023年度は合計18校が参加しています。

▼事業紹介記事


“防災”をテーマにする仲間を発見!交流会を通して初対面の人とも話せるように

■ 岩手県立大槌高校 山﨑成美さん
岩手県立大槌高校2年生。2022年度から「学校横断型探究プロジェクト」に参加し、現在は「防災」に関する探究活動に取り組んでいます。9月には他校の生徒に呼びかけて、放課後のオンライン探究交流会を企画しました。

 ー 今年度、ここまでの活動に参加してみてどう感じていますか?

中学校の頃から同級生が40人くらいほどの小規模校で、他の学校と交流することはほとんどありませんでした。オンラインで他校の生徒と話すのは最初は緊張しましたが、みんな思ったよりもフレンドリーに接してくれたり、自分の活動にアドバイスをくれたりして、今は交流が楽しいと思えています。

私は防災意識について探究していますが、自分の学校には似たテーマを選択している子がいないので、他地域で似たテーマについて話せる機会がたくさんあるといいなと思っています。

 ー 「学校横断型探究プロジェクト」への参加が、自分の探究に役立ったと感じたことはありますか?

この間、山形小国高校の生徒とオンラインで交流をしたときに、今年の台風の被害状況について話を聞きました。その子も台風がきっかけで防災関係の探究を始めたと聞いて親近感がわき、仲間が見つかったような気持ちになりました。

また、山形小国高校の先生も小国町の災害の状況を教えてくれたので、他地域の災害の課題について知るきっかけにもなりました。

他にも、これまでの交流活動で「ハザードマップをつくってみたら?」とアドバイスをもらったり、他地域の人の意見に「なるほど」と気づきを得られたりすることもありました。

自分だけで考えたり、自分の身の回りの人のアドバイスをもらったりするだけでは探究が止まってしまうときもあるので、他地域の人から意見をもらうことで学びを深めたり、逆に相手もアイデアを出すことで新しい学びや気づきを得られているといいなあと思っています。

 ー これまでの活動を通して感じる変化はありますか?

中学生のころは初対面の人と話すのが苦手だったんですが、オンラインでの交流を通じて、初対面の人と仲良くすることに慣れてきました。また、どうすれば良い雰囲気を作れるか考えるようになったのも変化です!

この間、自分の学校でゲストの方からお話を聞く授業があって、そこで司会をしたんですが、台本通りの進行だけじゃなくてプラスで「どうですか?」と話を振ったりすることが自然とできるようになっていて、自分でも驚きました。いつの間にか司会をするときに緊張しなくなっていて、学校横断型探究プロジェクトでの経験も活きていると感じます。

 ー 今後に向けての意気込みを教えてください!

探究の進み具合は人によって違っていたり、同じ学校で近いテーマを選んでいる子がいなかったりするので、他地域の生徒との交流をこれからも続けていきたいです。今後は授業だけではなく、普段からSNSで連絡をとったり、自主的にオンラインで集まって話したりできるようになるといいな、とも思います。

お互いを知らないからこそ何でも話せる。1年間を通して得た刺激

■ 熊本県立小国高校 辛島悠斗さん
熊本県立小国高校の3年生。2021年度の学校横断型探究プロジェクトに参加し、交流活動を経験しました。オンライン合同授業の中では、グループ司会を務めるなど活動を引っ張る立場にも挑戦。

 ー まずは昨年度1年間の学校横断型探究プロジェクトでの交流を振り返っていかがですか?

まず、高校生活でこういうふうに他地域の人と活動をすることが初めてでした。山形、岩手といったすごく遠くの学校と、しかもこんなに多くの人と一緒に活動できることに驚きましたね。

最初は緊張しましたが、回数を重ねていくとだんだん顔見知りになっていって、向こうから話題をふってくれたり、司会の人が頑張って盛り上げてくれたりして徐々に交流を楽しんでいけました。

 ー 昨年の経験が現在に活きていると感じることはありますか?

3年生になって、今は小国高校が参加している「COREハイスクール」という事業で、熊本県内の他校とオンラインでつないで合同授業を受けています。そこでは教室同士をつないで他校の講義を受けたり、他校の子たちとグループになって話をしたりするような活動があるのですが、学校横断型探究プロジェクトでオンラインの他校交流を経験したので、そういった活動への抵抗感がなくてスムーズに進められています。

進路関係だと、就職に関する説明会もオンラインで行われることがありましたが、そこでも去年のオンラインでの他校交流の経験が活きたと思います。

もともとは人見知りなんですけど、去年の活動を通して初対面の人と話すことが苦手じゃなくなりました。高校を卒業して、また新しい人と出会って働いたりするようになっても、今回の活動で培ったコミュニケーション力を活かして頑張っていきたいですね。

 ー 昨年取り組んだ学校横断型探究プロジェクトでの活動で、どんなことが印象に残っていますか?

今思えば、他県の初対面の同級生はみんなとても話しやすかったです。すごく遠くにいる子の方が、いい意味でお互いのことを知らないので、人間関係や性格を気にせずに話しやすかったのかなと思います。

合同授業では、山形の高校の子がとても楽しそうに司会をしてくれたのが印象に残っています。小さいグループで活動をしたときにも、意見がとても大人っぽかったり、発表のレベルが高かったり、そういった印象的な子がいて、自分の刺激になりました。

 ー 今年度学校横断型探究プロジェクトに参加している生徒や、今後参加するかもしれない生徒へ、どんなことを伝えたいですか?

とにかく他地域の人と話せたり意見をもらえたりすることが貴重なので、どんどん自分の意見を伝えてもらえたらと思います。そうすることで他の人からも意見をもらって、自分の活動をよりいいものにしていってほしいですね。恥ずかしがらずに自分から発言することを心がけてもらえたら嬉しいです!

2024年度 参加校を募集しています 

今回インタビューした生徒たちの言葉にもあるように、学校横断型探究プロジェクトでは小規模校同士をつないで交流するため、他校の生徒や先生方からさまざまな学びや気づきを得られます。

現在、2024年度からの連携参加校を募集しています。本プロジェクトの詳しい内容や募集概要に関するオンライン説明会を定期的に実施しているので、ご関心のある方はぜひご参加ください。

▼説明会の概要

▼説明会申し込みフォーム
*説明会へ参加希望の方は【説明会へ参加したい】をお選びください。

<説明会日程>

①10月6日 (金)19:30-20:30
②10月12日(木)19:30-20:30
③10月25日(水)19:30-20:30
④11月7日 (火)17:30-18:30
⑤11月13日(月)17:30-18:30
⑥11月28日(火)17:30-18:30

その他、取り組みに関するお問合せや資料請求等も受けつけているので、本連携にご関心のある教育関係者の方は、ぜひ以下のフォームよりお問合せください。

▼お問合せフォーム

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