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#現代刀

もしも国宝や重文の刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら名刀が出来るのか?

もしも国宝や重文の刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら名刀が出来るのか?

国宝や重要文化財の名刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら一体どのような作品が出来上がるのか?
名刀が出来るのだろうか?

こんな疑問を持った事がある。
手元で毎日国宝や重要文化財の刀を鑑賞していたらそれこそ目が肥え審美眼が磨かれるに違いない。
古名刀の真の美しさを理解しているのは古名刀を長い時間をかけて見ているような人達、つまり国宝や重文の所有者はその内の1人に思うが、もともと美しい物を美し

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現代刀は古刀に劣っているのか?

現代刀は古刀に劣っているのか?

鑑賞面で現代刀は古刀に敵わない、という意見を見たり耳にはさんだりしますが個人的には少し違う意見で、現代刀の一流刀匠の作を鑑賞会や刀剣店で見る分に、同レベルの部分もあるし、敵わない部分もあれば反対に勝っている部分もあると思っており、細分化して比較議論すべきではと感じている次第です。
とはいえ全ての現代刀に言えるわけではなく、やはり出来の良いものに限られますが。

まず同レベルと感じる部分は匂口や地景

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現代刀の偽物が出回っているようです

現代刀の偽物が出回っているようです

虎徹の刀が100振あったら本物は1振と言われるように、長い歴史の中で偽物も沢山作られてきたのが日本刀ですが、昔の刀に限らず現代作られている存命の方の作まで偽物が出回っているようで、先日以下の注意喚起が飯田高遠堂さんのサイトにアップされました。

どうやら無鑑査刀匠(現代刀匠の最高位)の河内國平さんの贋作が出回っているようです。
明らかな贋作銘は以下3点が現状確認されているとの事です。

無鑑査刀匠

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現代刀専門店「東山堂」さんを訪問!

現代刀専門店「東山堂」さんを訪問!

昨日京都へ行く機会があったので、最近オープンしたばかりの現代刀専門店「東山堂」さんを訪問しました!

①場所最寄り駅の「神宮丸太橋」駅から徒歩8分ほど、「京都」駅からタクシーで20分、電車で30分ほどにあります。

②店内の様子という事で猛暑の中到着。

いざ店内へ!

店内は全て写真、SNS OKとの事。
刀屋さんが写真不可な所が多い中、これは嬉しいですね!
店内は1階と2階があり、どちらも自由

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無鑑査の現代刀が2000万円以上で売れる工夫をすべき②

無鑑査の現代刀が2000万円以上で売れる工夫をすべき②

以前無鑑査刀匠の作は2000万円以上で売られるべきという論を書いたのですがもう一つ大事だなと思う事を書き忘れていたので補足します。

それが価格の上げ方の部分です。
というのもどこか1店舗で無鑑査の作を2000万円で売って仮にそれが売れたとしても、他店に売りに行った時に200万円でしか売れない…というのは購入者からすれば詐欺と思ってしまっても無理はありませんし、そうなってしまっては無鑑査の作に資産

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「新作刀専門店」が京都にオープン!

「新作刀専門店」が京都にオープン!

明日2023/4/28に国内初の「新作刀専門店」がオープンするようです。

新作刀というのは出来たばかりの日本刀の事で、まだ誰の手にも渡った事の無い日本刀という事になります。
こうした新作刀は今まではデパートなどで年に数回行われる展示会で購入する方法以外は、直接刀匠の方に注文する注文打ち位しか方法が殆どなく、他に私が把握しているのは銀座SIXにて河内國平さん一門の作が販売されている事くらいでしょう

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無鑑査の現代刀が2000万円以上で売れる工夫をすべき①

無鑑査の現代刀が2000万円以上で売れる工夫をすべき①

おいおいと言われそうですが真剣です。
因みに「無鑑査」というのは簡単に言えば日本刀の最高峰の技術を持った人の事です。

現代刀は早く昔の刀と切り離して別ジャンルの地位を確立し、その技術を後世に継承する為にももっと評価を受けて高く売る必要があると感じています。
その為にアートとしての日本刀のカタチを訴求し続けて既存のアート市場をよく観察し、そこに一石投じる必要があると思います。
より具体的に書けば資

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日本刀のレジンアート

日本刀のレジンアート

日本刀のレジンアートが日本玄承社さんから発表されました。
2023/3/21まで名古屋栄三越8階にて展示が行われているとのこと。

名古屋刀剣ワールドの山田さんが早速展示の様子をアップされていました。

日本刀は本来、戦の道具であり、献上や下賜などに使われる資産性を持った道具であり、神仏の対象としての神器であった。
そこに終戦後は美術刀剣として美術品として刀を鑑賞するという新しい文化、価値が生まれ

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刀を見て値段が高い時に感じること

刀を見て値段が高い時に感じること

刀剣店のHPを見ていると値段が高く驚く事がある。
「!!!この刀こんなにするの?!」というような他店と比較しても2倍近くの割高感に驚く感覚であり、1000万円を超えているから高いというような数字の大きさでない事は一応書いておきたい。

勿論価格については出来や状態、希少性なども関係しているので一概に高いかどうかは写真だけでは分からず、結局それで売れたらそれが正しい相場という事になるのであるが。

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「平成名刀会」さんの展示即売会にお邪魔しました!

「平成名刀会」さんの展示即売会にお邪魔しました!

12/18まで現代刀中心に展示即売会を行っているという「平成名刀会」さんを訪問しました。
場所はJR鶯谷駅(東京都)から徒歩2分の所にあるビルです。
看板が出ていたので比較的分かり易いと思います。

ドアをくぐるとエントランスがあります。奥の階段、もしくはエレベーターから2階へ。

①いざ店内へ!検温とアルコールを済ませ中に入ると…。
刀、刀、刀!
現代刀がずらりと並んでいます。
知っている刀匠の

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研ぎの良し悪しの判断が難しい

研ぎの良し悪しの判断が難しい

現代刀職展を見てふと感じた事ですが、研ぎの良し悪しの判断がとても難しい。一流工の作は元が良いので、研ぎが多少下手でも上手く見えると聞いた事がある。
素人的な考えでは、研いで良さを120まで引き出せる古名刀の作と、100までしか引き出せない二流工の作が仮にあるのであれば、古名刀の作が有利なのは想像に容易い。
なので古名刀の作を皆出品すれば良いのに…と思うのであるが、古名刀を若手で研ぐのは機会に恵まれ

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現代刀はアートなのか?②

現代刀はアートなのか?②

昨日のブログで「13歳からのアート思考」という本を参考にしながらアートとは何か?について触れました。
今回はその内容を踏まえて「現代刀(現代で作られている日本刀)はアートなのか?について個人的な考えを書いていこうと思います。(昨日のブログはこちら)

物を作ったり見たりする際に何かしらの自分なりの視点や価値観を入れ込むことがアートである、という思考を軸に考えてみると、大事なのは「現代刀」という表面

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現代刀はアートなのか?①

現代刀はアートなのか?①

現代刀(現代に作られた刀)は昔の刀と違い武器として生まれているわけではありません。ではアートなのでしょうか。
そもそも何をもってアートというのか?という疑問は誰もが抱く事と思います。ピカソの絵はなぜあれだけ作画崩壊しているのにあれだけ評価が高いのか。
個人的にもアートという言葉はとっかかり難く分かりづらいと思っていた時期があり、そんな事から「13歳からのアート思考 著:末永幸歩」という本を読んだと

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「新々刀」期より「現代刀」の方が長い

「新々刀」期より「現代刀」の方が長い

1781年(天明元年)~1876年(明治9年)の廃刀令までに作刀された日本刀を「新々刀」と呼びます。
この間実に95年。
1877年以降に作られた刀は「現代刀」と呼ばれます。
今2022年ですので、実は「現代刀」と呼ばれる括りになってから145年が経っています。
実は現代刀の期間が新々刀の期間を遥かに抜いています。

現代刀になっての145年で日本刀も大きく変化してきました。
例えば戦時中には「軍

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