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刀を見て値段が高い時に感じること

刀剣店のHPを見ていると値段が高く驚く事がある。
「!!!この刀こんなにするの?!」というような他店と比較しても2倍近くの割高感に驚く感覚であり、1000万円を超えているから高いというような数字の大きさでない事は一応書いておきたい。

勿論価格については出来や状態、希少性なども関係しているので一概に高いかどうかは写真だけでは分からず、結局それで売れたらそれが正しい相場という事になるのであるが。
例えば延寿の大摺上げ無銘特保で300万円とか、延寿の在銘重要で1500万円とかは流石に高く感じる。
世に数振しかない傑作であれば分からなくもないが、お店の品の殆どがそのような価格設定であればそれはもはや傑作だから高いと果たして言えるのだろうか。
ただ単純に高い値段設定という可能性の方が高そうである。
(特保でも重要刀剣の値段が付いていたり、重要でも特重の値段が付いていたりする事は割とあるが、そうした物ばかりが並んでいるとも考え難い)

ここ1年は円安の影響もあり、それで値段を上げている可能性も無きにしも非ずだろうし、去年までの価格と今の価格は同列に考えない方が良いのかもしれない。
いずれにしても全体的に割高に感じる時は、高く売り捌こうとしていると感じるよりも刀の価値そのものを底上げしようとしているような店の意志のような物を感じる事があり、心の中では密かに売れるように応援している。

…とは言っても個人的にはやはりこういったお店ではなかなか手を出せないのが正直な所ではあるが。

それはそうと、やはり刀の価値はもっと高くなって欲しい。
国宝の山鳥毛が5億円というのは絵画と比べても安すぎる気がする。
せめて国宝なら20億くらいしてほしい。
特別重要刀剣であれば4000万円以上、重要刀剣は2000万円以上、特保は500万円以上、保存なら200万以上、そして現代刀は若手の作でも300万円以上の価格になってほしいと思う。
今の感覚からすれば物凄く高く感じるが、健全な物が多いとされる「新刀」でも400年経過している。
平安時代頃の刀も残っている。
そのような時代の物が多少の研ぎ減りはあれど刀の姿を留めて残っている事は凄い事ではないだろうか。
1000年前の文化財で形を綺麗に留めている文化財が他にどれだけあるというのだろうか。
歴史マニアには堪らないかもしれないが、有名武将の所持銘が刻まれた刀も中にはある。

現代刀にしても無鑑査の作なら1000万円位はするよね、何十年と作刀技術を培ってきた人の作だし200名近くいる刀鍛冶のトップだし、という空気感になれば現代刀匠を目指す人も増え、敷いては日本刀の作刀文化も次世代に残っていくような気もするのだが。

まぁこうなってしまったらもう買えなくなってしまうのは残念であるが…。


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↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

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