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お嬢様とヒツジとの哲学的口論「李徴はなぜ虎になる必要があったのか?」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。
ヒツジ「珍しいな。マンガと雑誌専門のお前が、本を読んでいるなんて。何を読んでいるんだ?」
マイ「『山月記』よ」
ヒツジ「文学作品なんて、ますます珍しい。明日あたり、槍でも降るんじゃないのか?」
マイ「その槍であんたの減らず口を貫いてあげようか。読みたくて読んでいるわけじゃな
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「30点が評価される社会ってどういうの?」
マイ「本当にひどい。この一連の回転ずし関連の事件は。なんでこんなことするのか、全然理解できない!」
ヒツジ「しょうゆ差しペロペロとか、除菌剤をレーンの寿司にかけるとか、よくもまあ、こんなことを考えるもんだ。考えてそれを現に実行するんだから、面白いよなあ」
マイ「何言ってるの!? 面白がっている場合じゃないでしょ! このせいで、回転寿司店は迷惑しているんだから! 株価が下がったところだってあった
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「本の要約って意味あるの?」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。
マイ「あー、面倒くさい……」
ヒツジ「何をやっているんだよ」
マイ「学校の宿題。読んだ本の要約をしないといけないの」
ヒツジ「なるほどな」
マイ「あのさ、本の要約ってなんか変じゃない?」
ヒツジ「何が?」
マイ「だって、要約を読んでその本の理解ができるなら、その本を読む意味が無い
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「選挙に行かないヤツは政治の文句を言うな!」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。
〈時〉
2021年衆院選後
マイ「あー、ムカつく」
ヒツジ「どうしたんだよ」
マイ「選挙よ。選挙」
ヒツジ「選挙がどうした?」
マイ「この前あったでしょ。衆院選」
ヒツジ「あったな。自民党が、ちょっと議席を減らしはしたが、結局は勝ったようだな。自民党の勝利にムカついているのか?」
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「緊急時には緊急時のそいつが顔を出すだけ」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解するヌイグルミ。舌鋒鋭め。
〈時〉
2020年4月中旬
マイ「はあ……」
ヒツジ「どうした、また太ったのか?」
マイ「『また』って何よ! 別に太ってないし! 大体、そんなことで落ち込まない!」
ヒツジ「じゃあ、なんでため息なんてついているんだよ」
マイ「がっかりしてるのよ」
ヒツジ「なにに?」
マイ「わた
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「元号って意味あるの?」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。
マイ「次の元号が『令和』に決まったけどさ、そもそも、この元号っていうのは、存在する意味あんの?」
ヒツジ「存在する意味は、どの天皇の世かを示すっていうことだろう」
マイ「いや、だからさ、そのどの天皇の世かを示すことにどんな意味があるのよ。昔だったらともかくとしてさ、天皇って、日本
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「クジラを食べるかどうかなんてほっといてよ!」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。
マイ「南極に最後の調査捕鯨をした船が帰ってきたっていうニュース見たよ。これから調査捕鯨をやめて、商業捕鯨を始めるんでしょ?」
ヒツジ「そういうことらしいな。よかったじゃないか、クジラが食べられて」
マイ「まあ、わたしは別に、そこまでクジラを食べたいとは思わないけど、捕鯨に反対して
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「美を消費するひとたち」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。
マイ「……はあ……」
ヒツジ「何を見てるんだ? アイドルの写真集か?」
マイ「違うわよ。これ」
ヒツジ「日本の絶景スポット? ……お前がこんなもの見るなんて、どういう風の吹き回しだ?」
マイ「『かぜのふきまわし』って、どういう意味?」
ヒツジ「つまり、どっか具合でも悪いのかってこ
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「体罰はやっぱりダメでしょ!」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。
マイ「聞いてよ、ヒツジ。東京の町田市の高校で起こった暴力事件を受けてさ、今日、先生への態度とか、SNSの使い方とかを、みっちり2時間にわたって指導されることになったんだよ。指導って言うかさ、ほとんど説教でさ。なんで、あの事件で、関係の無いわたしたちがこんなに怒られなくちゃいけない
お嬢様とヒツジとの哲学的口論「30年後なんてどうでもいい!」
〈登場人物〉
マイ……中学1年生の女の子。色んなことに腹を立てるお年頃。
ヒツジ……人語を解すヌイグルミ。舌鋒鋭め。
ヒツジ「どうした? いつも以上に不景気な顔して」
マイ「ふけいきな顔ってなに? なんか悪口?」
ヒツジ「面白くなさそうな顔ってことだ」
マイ「そりゃ、面白そうな顔しているわけないでしょ。宿題やってるんだから。学校からさ、『30年後あったらいいな』っていうタイトルで、作文を書くよう