加生健太朗(株式会社ADDRIVEアドライブ 代表取締役/一般社団法人つなげる30人 代表理事)

慶應義塾大学環境情報学部卒業。㈱フューチャーセッションズにて企業・行政・NPOによるク…

加生健太朗(株式会社ADDRIVEアドライブ 代表取締役/一般社団法人つなげる30人 代表理事)

慶應義塾大学環境情報学部卒業。㈱フューチャーセッションズにて企業・行政・NPOによるクロスセクターまちづくりプログラム「渋谷をつなげる30人」を立ち上げ、Slow Innovation㈱で同プログラムの全国展開担当。その後、独立し(一社)つなげる30人及び㈱ADDRIVEを設立。

最近の記事

新しいガバナンスモデルへの挑戦:「つなげる30人」によるポリティカルイノベーション

現代社会が抱える複雑な課題は、従来の間接民主主義や中央集権的なガバナンスモデルでは、十分に解決できない状況が続いています。ソーシャルメディアの発展や価値観の多様化により、市民の声はますます多様で直接的なものになり、政治的プロセスにも新しいアプローチが求められています。そのような中、ポリティカルイノベーションの概念が注目を集めており、異分野協働を通じた新しいガバナンスモデルの実現が重要視されています。この記事では、「つなげる30人」の活動を通じ、ポリティカルイノベーションの可能

    • 伝統に浸りて触れてははイノベーションは起こせない?

      伝統は、私たちに過去の知恵や教訓をもたらす貴重な財産です。私たちはその歴史や文化に根ざしながらも、次の世代に受け継ぐべきものとして大切にしています。しかし、その伝統に浸りすぎ、深く触れすぎると、逆にイノベーションの芽を摘むことにもなりかねません。 なぜなら、イノベーションは既存の枠組みを破壊し、新しい価値を生み出すプロセスだからです。伝統という枠組みが強固に存在する中で、新しい考え方やアプローチを受け入れるのは容易ではありません。特に、古い制度や慣習が厳格に守られている環境

      • 共創のリーダーシップを発揮できる人材とは、そして育成のためには

        現代社会の複雑な課題に対して、異なる立場や分野を超えて協力し、新たな価値を創出する「共創」が求められています。その中で、共創のリーダーシップを発揮できる人材は、他者との協力を促進し、長期的な目標に向けた実行力を持つ、非常に重要な存在です。本記事では、共創のリーダーシップを発揮できる人材の特徴と、そうしたリーダーを育成するために必要なステップについて解説します。 共創のリーダーシップを発揮できる人材とは? 共創のリーダーシップを発揮できる人材には、以下のような特徴があります

        • 「共創」に関する雑多なメモ・気付き

          そもそも、なぜ共創が必要なのか? 現代社会は、複雑で多様な課題に直面しています。環境問題、地域の衰退、社会的格差の拡大など、これらの課題は一つの組織や個人だけでは解決できないものです。これまでのように、単一のセクター(企業、政府、NPOなど)が単独で取り組むアプローチでは、問題の根本的な解決には至りません。異なる視点やリソースを持つ多様なステークホルダーが協力し、連携して行動することで、初めて新しい価値が生まれ、持続可能な解決策が見つかるのです。 また、テクノロジーの発展

        マガジン

        • チルな話
          10本
        • つなげる30人(コレクティブインパクト、官民共創)
          9本
        • 選挙プランニング
          5本
        • インクルーシブ社会プロデュース
          5本
        • 平成のセクター連携史
          6本
        • ファシリテーター
          3本

        記事

          「一般的な共創プロセス」の課題/「つなげる30人」が行き着いたプロセス

          ビジネス、行政、NPO、地域社会など、異なるバックグラウンドや視点を持つ多様なステークホルダーが協力して新たな価値を創り出す共創のプロセスはどのようなものでしょうか。 コレクティブインパクト(John KaniaとMark Kramer)やオープンイノベーション(Henry Chesbrough)では、最初に共通の目的を明確にすることで、関係者全員が同じ方向に進むことを目指す事が多く、一般的には以下のようなプロセスを提唱されるケースが多いように思います。 1. 目的とビジ

          「一般的な共創プロセス」の課題/「つなげる30人」が行き着いたプロセス

          「ダイバーシティ&インクルージョン」をコレクティブインパクトで。そして大企業・デベロッパー・渋谷区・東京都の役割とは。

          1. ダイバーシティ&インクルージョンの重要性の高まり 近年、ダイバーシティ&インクルージョンが社会全体でますます重要視されるようになってきました。この背景には、グローバル化の進展や社会的な価値観の変化があり、特に企業や組織においては、D&Iが単なる倫理的義務ではなく、持続可能な成長や競争力強化のための戦略的な要素として位置づけられています。 多様な人材が組織に集まることで、異なる視点や経験が融合し、イノベーションが生まれる土壌が整います。例えば、マッキンゼーの調査による

          「ダイバーシティ&インクルージョン」をコレクティブインパクトで。そして大企業・デベロッパー・渋谷区・東京都の役割とは。

          関係人口創出のための「つなげる30人」の形〜自身の頭の整理を目的とした投稿〜

          「つなげる30人」自体がある程度、仕組み化され、自身が深くコミットせず、互助的に立ち上げる体制(=「つなげる30人リーグ」)や、全国メンバーが相互につながれる機会の創出にこの一年は取り組んできた。その中で、「つなげる30人」自体も新しいチャレンジを通じたアップデートをしていく必要があると思っている。 その一つが例えば地域Aと地域Bの「関係人口」創出と、その「クロスコミュニティ」による何かしらの取り組みの創出だ。(もう一つは海外展開なのだが、これはまた別の機会に) これまで

          関係人口創出のための「つなげる30人」の形〜自身の頭の整理を目的とした投稿〜

          夢追い人は旅路の果てで一体何を手にするのだろう

          Mr.Children"Everything(It's you)"の一節だ。その夢が叶ったのか、叶ってないのか、についての言及が無いことが興味深い。 金も名誉も名声も得た上で、10年に及ぶ夢追いを(とはいえ、大半は自業自得な部分はあるのだが)諦めざるを得ない心境とは一体どのようなものだろうか。その夢に区切りをつけ次の一歩を見つけるというのはどれだけのハードルなのだろう。 紐づく私も私で、事後、騙し騙し一日一日を過ごしているものの、思ったより今回の傷は相当深いのか、腑抜けの

          「たくらむ技術」抜粋

          「ないなー」と反射的に思ってしまうことこそ、「逆にありかも」と思う。 「まずは視聴率が稼げるように」と考えるのは順序がちがう。「面白い企画を多くの人に受け入れてもらえるように工夫する」 番組を長く続けていると、気づかない内に惰性やマンネリを増やす。その危機を察知するために必要なのが「失敗」「3勝2敗」ペースで負けを作るのは「大失敗しないために小失敗をしておく」という目的もある。 あえて否定的意見を募ることもある。 結局やる気の無いやつにチャンスを与えたところで意味がな

          9月の振り返りと10月の展望

          以前も少し書いたように、8月に作ったリズムが、暑さが継続したことも踏まえてか、9月は狂ってきた感覚を常に抱えていたように思う。 今、思えば、冒頭2週に渡り、息子たちが感染症や発熱し、それに伴う看病や調整に奔走していた事も起因しているかもしれない。 ただ、以下の記事を読むに、今思うと比較的、やりたいことは進められたのではと感じる。 さて10月さて、10月の過ごし方のイメージについて整理をしてみたい。 社団11/1定例研究会のローンチ 早ければ本日10/5にリリース。社

          【週次レポート】

          以下、進捗共有です。 インクルーシブ関連 ラジオゲストブッキング計画(おおばやしさん、STYZ、ヘラルボニースタッフ、修悟さん) 10月内の収録日程は決定 ゲストブッキングも鋭意調整中 寺子屋事業計画書 これに関しては、FUSION収録がとてもインパクトがあった。 意思決定者層、幹部層、フォロワー層、どれもに響く内容でありたいし、それぞれが混ざること事がこのコミュニティの役割と感じる。 引き続きM澤と詰めていく。 寺子屋企画 初日Xデー決め及び初回講師確定の

          黒い悪魔がやってきて、ハード・コアな気持ちにさせる。

          「灰色の男たち」を飛び越えて、「黒い悪魔」(「緊急かつ重要」な事、別称「忙しさ」)がやってくると、ハード・コアな気持ちにさせる。一度キメたら辞められぬ、中途半端な不良じゃない。 7月末から続けてきたnoteでのアウトプット欲も第一フェーズは一段落してきた感(つまりネタ切れとガス欠と時間的余裕が無くなってきた)があるため、noteの位置づけをアウトプットの場から「自身との約束が守れているのかの公開処刑場」としてみるのはどうかと思いついてみた。 つまり、どうしても眼の前の忙し

          「ながら日経」が面白い。

          子供を保育園に送ってから、再度帰宅するまでの数分の間、何か有効活用出来ないかと思った時に「ながら日経」の存在を知り、結構聞いている。 新聞を紙で読まなくなって何十年も経ち、テレビでもほとんどニュースも見ない。ネットでたまにゴミあるいはジャンクフードのようなニュースを気分転換で読むけど、「ふーん」と唸っては、一瞬で記憶から無くなっていく。 そんな折、この「ながら日経」は何が面白いか、と言うとこんな感じだ。 曜日ごとにパーソナリティが異なる。(が、未だに何曜日に誰、というの

          9月のリズムの違和感

          8月は結構リズミカルだった。余裕があり、主体は自分だった。それが9月に入り、余裕がなく、主体が自分じゃなくなっている感覚がある。そう気を抜くと「灰色の男たち」がやってくるのだ。 外的な要因もある。第一週目から上の子が発熱。翌週は下の子が発熱。さらには次には親戚的な子が発熱。と、子供の発熱ラッシュ。その度、予定変更・調整コストが上がり、「調整のための調整」に時間が取られる。 また「案件の相談」があると、それは「緊急」なので、どうしてもそちらに意識が削がれ、「重要かつ緊急でな

          せっかくコロナ禍に機会均等化ものが、また元に戻った

          コロナが5類になってから、半年。マスクもしなくて良くなり、日常がなんとなく戻ってきてから半年。 本来なら手放しで喜ぶべきなのだろうが、心のどこかで引っかかることがある。 それを的確に表現しているのが、この乙武氏の初の緊急事態宣言となる2020年4月の投稿である。 コロナ禍、私は、↑で言うところの「少数派」の恩恵を受けてきた。詳しくは書かないし、コロナがあってよかったとは言わないが、正直助かった部分が多くある。 コロナ禍は「多数派」も「少数派」も関係なく、「共に不自由を