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「五輪カルテル」感想・ネタバレ

どんな本?

この本と出合った背景は、著者の上杉隆さんが関わるニュース番組「ニューズオプエド」見ていたからです。
普段からニュースや社会問題に関心を寄せている私は、その番組を通じて様々な視点からの分析や報道が行われていることを知っていました。

しかしながら、最近は読書に多くの時間を費やしており、
そのために番組を見逃してしまったり、
遅れて視聴することが増えていました。
そうした中で、本書のテーマである「五輪カルテル」が取り上げられていることを知りました。
そして、それに関連する社会的な問題や背後にある構造に興味を抱きました。

「五輪カルテル」は、東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件を軸に、その背後にある権力構造や事件の進展、関係者の動きを描いた作品です。物語は2023年7月時点で進行しており、15人が起訴され、その中の10人に有罪判決が言い渡されている状況からスタートします。

汚職事件は、テスト大会の企画立案業務の差配が行われたとされる官製談合事件に発展し、その中心人物は電通出身の高橋治之元五輪組織委員会理事でした。この高橋治之の存在が、物語の中心に位置しています。

事件の背後には、スポーツ界の首領と称される森喜朗元総理の影がありました。彼の権力を背景に、東京五輪を巨大なビジネスとして利用しようとする動きが描かれています。物語は、闇のフィクサーとも呼ばれる高橋の暗躍や、検察の捜査、不透明なカネの流れ、政界の動きなど、多くの要素が絡み合いながら展開していきます。

さらに、著者であるジャーナリスト・上杉隆さんの視点を通じて事件の背後や関係者の思惑が浮き彫りにされていきます。森喜朗元総理の権力や背後での動き、竹田恆和元JOC会長の関与、神宮外苑の再開発計画といった要素も描かれ、事件の全体像が徐々に明らかにされていきます。

読んだ本のタイトル

#五輪カルテル
著者:#上杉隆 氏

あらすじ・内容

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件は、2023年7月時点で総勢15人が起訴され、うち10人に有罪判決が言い渡されている。汚職事件はのちに、テスト大会の企画立案業務の差配が行われたとされる官製談合事件に発展したが、その中心人物は、紛れもなく広告最大手電通出身の高橋治之元五輪組織委員会理事だった。 「日本のスポーツビジネスを変えた男」 長年、そう呼ばれてきた“闇のフィクサー”は、なぜ、ここまで強大な権力を握り、五輪という巨大ビジネスを裏で牛耳ることができたのか? それは、組織委員会の会長を務めた「スポーツ界の首領」・森喜朗元総理の虎の威を借りていたからにほかならない。 猪瀬直樹東京都知事が徳洲会事件で都政退場を余儀なくされ、舛添要一新都知事誕生までの「空白の48日間」で決められた不可解な人事、利用された旧皇族出身の竹田恒和JOC会長と慶応三田会ネットワーク、安倍元総理銃撃事件をきっかけに動き始めた検察機構、五輪招致にカラんで不明瞭な1億4500万円のカネが流れていた「嘉納治五郎財団」、そして、五輪招致よりも前に決まっていた明治神宮外苑再開発プロジェクトが意味することとは――? 一連の不祥事で札幌が名乗りを上げていた2030年冬季五輪招致が危ぶまれるなか、戦後最大の国家プロジェクトに群がった“闇紳士”たちの実像を炙り出し、五輪と神宮再開発を結ぶ接点を追うジャーナリスト・上杉隆渾身の問題作!

五輪カルテル

感想

神宮外苑を再開発するために五輪を利用して規制を撤廃させ、再開発を行う。

それを主導したのは森喜朗さんでした。

森喜朗さんは元総理大臣でありましたが、前任の総理大臣である小渕さんが脳梗塞で倒れた際に、意識のない小渕さんから指名されたとされていますが、実際には総裁選を経ずに、密室談合で青木、村上、野中、亀井、森の自民党5人組で話し合って決めたと言われています。

彼はその後、ラグビーW杯の会長となり、さらに後には組織委員の会長としても活動しました。

東京都や国を相手に8万人収容できる国立競技場を建築するために、規制を撤廃させ、神宮外苑を再開発するための布石を打っていたとされています。

だが、安倍晋三さんが山上徹也さんの自作の銃で撃たれて死亡し、その後彼と菅義偉さんが抑え込んでいた検察の捜査が活動し始めました。

伊藤詩織さんがレイプされて実名で被害を報道しても、警察は動かず。
安倍晋三さんの関係者が加計学園を強引な手段で建てても、森友学園では捺印された公文書が改竄されても、桜を見る会で山口県の支援者を税金で接待しても、検察はが動かなかったのは驚きました。

安倍晋三さんが凶弾に倒れた後、自民党内の権力バランスが崩れ、利権構造が瓦解し始め、党や派閥も急速に力を失っていき。

元々官邸の守護者と言われていた黒川さんが賭博麻雀が発覚して辞任して、元々弱っていた検察への圧力が安倍晋三さんが居なくなった結果。
元電通社員だった高橋治之さんがみなし公務員なのに収賄容疑で検察に逮捕され、贈賄したKADOKAWA、A.D.Kなども逮捕されたことになりました。

本書では高橋さんを大物フィクサーを気取った「裸の王様」というタイトルが付けられていました。
スポーツ界の首領である森喜朗さんの威を借りた高橋さんが狡猾な行動をしていたことが明らかになりました。

田崎健太さんの「FIFAと電通」を読んだことで、高橋さんの過去の功績が分かることがありましたが、本書では高橋さんの業績は服部庸一さんが築いたものであり、高橋さんの力がそれに及ばなかったことが触れられていました。

次に、本書では元JOC会長の竹田恆和さんがターゲットとされました。彼は招致の贈賄容疑でフランス検察の捜査対象となり、国外に出ることができなくなった過去があります。また、竹田さんがJOC会長になった際、高橋さんは彼の名前を利用して電通内での影響力を広げたことも明らかにされています。

竹田恆和さんの逮捕までいかず一区切りとなりましたが、森喜朗さん側では検察の捜査が終了し、逮捕することは難しいという声もありました。
しかし、その後、神宮外苑の再開発事業が登場し、これが巨大な利権であることが明らかにされました。
なおかつ、この再開発は現在も進行中であり、検察がその動きに注目していることが分かりました。
この再開発には神宮の空中権も関与しており、莫大な金が動いている可能性があります。

2003年ごろから現在に至るまで、神宮外苑を再開発するための巨大な利権集団と検察の動きが続いています。
だが、一度は権力に抑えられた検察にとっては不利な状況と言えるかもしれません。

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