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私小説

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わたしがいて、虚構のわたしがいて、嘘に嘘を重ねて真実にたどりつければ、もしかしたら……
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2023年5月の記事一覧

私小説 仮想の善人

「善意の搾取」という言葉を聞いたことがある人もいると思う。「やりがい搾取」ともいう。善意…

Karla
1年前
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私小説 出口のない家

 あるイメージがわたしの中にある。それは家だ。その家は日本中にある。その家にはサービスを…

Karla
1年前
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私小説 弱者に向かう怒り

 いったいどこからが虐待になるのか。そう質問をした障害者施設の職員がいた。その職員は、障…

Karla
1年前
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私小説 虐待と愛護の間

 この私小説を書きはじめたとき、私小説である以上、わたしのことを小説に書いてやれという思…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 8

 しかし、虐待というのは、わたしたちの問題を相手にぶつけているだけだという気がする。とい…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 7

 わたしは正しく、あなたは間違っている。人間が陥りやすい最大の罠。わたしはいつだって正義…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 6

 剥き出しの人間関係。結局そういうことだ。福祉の世界にあるのは、それ以外には何もない。わたしの偽らざる感想。  いつも誰かが誰かを嫌っている。誰かが誰かの悪口を言って、誰かが誰かの陰口を言う。上司は嫌いな部下をなんとか追い出そうと考え、部下は部下で平気で仕事の手を抜く。さらに、現場で働く職員は、利用者の好き嫌いを隠そうともしない。皆で、足の引っ張り合いをしている。それが、わたしの知っている福祉の世界。  非常に極端な言い方をすればそういうことである。  もちろん、これは小説だ

私小説 わたしの体験 5

 繰り返すが、これは小説だ。現実の話ではない。私小説、私事を書いてはいても、現実そのもの…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 4

 ひとりの職員が虐待を行なうまでに追い詰められる。と、このように書くと、虐待を行なうのは…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 3

 わたしについて、わたしは語りたい。そんなもの誰かが読むか。そもそもお前に語るべき自己な…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 2

 虐待が起きる背景に、職員のストレスがある。たとえばこんな事例はどうだろう。  ある利用…

Karla
1年前
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私小説 わたしの体験 1

 知的障害者を対象にした入所施設で、虐待は不可避的に起きる。わたしの体験ではそうだった。…

Karla
1年前
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