2021年12月の記事一覧
添削屋「ミサキさん」の考察|9|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑨
|8|からつづく
先に、川端康成の「『耳で聞いて解る文章』とは、私の年来の祈りである」という言葉をご紹介しました。
では、実際の彼の文章を見てみましょう。
あまりに有名な「雪国」の冒頭シーンですが、あらためて鮮やかな切りだしだと思いました。
確かに、耳で聞いてよくわかる、くっきりと映像的に伝わるような文章ですね。それほど描写らしい描写もしていないのですが。
実は、高校生のとき読んでから、か
添削屋「ミサキさん」の考察|21|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた㉑
|20からつづく|
ナポレオン戦争を背景にロシアそのものを描き出したというべき歴史小説、トルストイの『戦争と平和』。ああいうのが「三人称神視点」といわれるものなのかなぁ、と確言できませんが思っています(総登場人物559人!)。
アンドレイ、ピョートル、ニコライ、マリア、ナターシャというように主要登場人物がいるとはいえ、「多視点」という感じもしませんね。
あいにく本を手放してしまって今ページを繰っ
kindle出版は『添削人さん』が必須&米人気ITスクールと僕のkindle本の共通点
12月23日に、僕は人生初のkindle本を世に出しました。
タイトルは『いいかい、タケルくん』です。
原稿が出来上がったなら投稿前に、プロの方に添削を依頼しようと考えていました。
noteは、テキスト主体のプラットフォームですよね。文章を書くことが好きな方や、読むことが好きな方が多いと感じています。
「このnote界に、添削をしてくださる方がいるのではないか」と思い至り、検索してみましたなら
添削屋「ミサキさん」の考察|20|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑳
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番外編■人称の問題少し話がそれますが、主語の話に関連して、小説を書く場合の人称の問題に触れたいと思います。
これはかなり難しくて、自分の理解に不安もあるのですが、参考文献を引いて考えていきます。
大沢在昌さんの『売れる作家の全技術』に、比較的まとまって書かれていますので、長くなりますが引用します。
一人称一視点
小説を書かない人には、こういうお話は初めてきくという方もい
添削屋「ミサキさん」の考察|19|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑲
|18|からつづく
3⃣主語を自分勝手に省略しない
ここで、最新のトピックも絡めて。
第11回アガサ・クリスティー賞大賞を受賞し、直木賞にもノミネートされて話題の逢坂冬馬さん『同志少女よ、敵を撃て』。さっそく読みましたー!
実に力作で読み応え十分。すごい作品です。
ただ、文章が分かりづらいところがいくつかあって、もったいない気がしたんです。
そのひとつが主語の省略です。
もしかしたら、著者が
添削屋「ミサキさん」の考察|18|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑱
|17|からつづく
[Part2]からは文章表現上の大事なところをピックアップ第11位 主語と述語はワンセット1⃣主語と述語をセットにする
余談ですが、「イカめし文」っていう言い方、ふつうに使うのかな、と思ったので、ググってみたのですが出てきませんでした(笑)。
いかめし(goo辞書):イカの足と腹わたをとりのぞき、胴にもち米をつめて、砂糖としょうゆなどで甘辛く煮た料理。北海道渡島地方の名物
添削屋「ミサキさん」の考察|17|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑰
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2⃣必ず入れたいのは「逆のこと」を書く場合
おもな逆接の接続詞
ところで、私の意見ですが、論理的な文章の場合はあくまで論理関係を明確にするためということがあると思いますが、小説などの文章の場合には、リズムや雰囲気をつくるためにも接続詞(句)が一役買うこともあると思います(16でご紹介した『虐殺器官』(伊藤計劃)の文章展開など)。
◇最初は接続詞を使って書き、あとから削る
添削屋「ミサキさん」の考察|16|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑯
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いろいろなジャンルの文章を引いてみます(かなり雑多ですよ)。
中村とうよう著『ポピュラー音楽の世紀』(岩波新書)より。
やっぱり、小説の文章のほうが面白いでしょうか。
小説の文章は、実は接続詞が少ない傾向にあるようです。
手持ちの本をめくってみても、なかなか接続詞が効果的に使われている箇所が見つからないです。
いずれこのエッセイを改稿するときには、ふさわしい文章の例を載せ
添削屋「ミサキさん」の考察|15|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑮
|14|からつづく
1⃣接続詞は「使いすぎ」も「使わなすぎ」もダメ
(接続詞の重要性について説いていた)20冊の著者は、全員、
「接続詞を使うと文章がわかりやすくなる」
との意見で一致していたそうです。
◇接続詞を使ったほうがいい4つの理由
◇接続詞を少なくしたほうがいい3つの理由
意見の分かれる問題なんですね。
私が思うに、文章の性格によってもそれぞれ違うように思います(小説・記事
添削屋「ミサキさん」の考察|14|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑭
|13|からつづく
第7位 接続詞を「正しく」使う接続詞は、私自身文章を書いていて、かなり難しいと感じるところです。
勢いで安易に書くと、あとから見直したときに不適切だったということがままあります。
執筆のスタイルにもよりますが、文章を書くのはある程度勢いも必要だと思うので、似たような感想を持たれている方も多いのではないでしょうか。
正しく理解すると同時に、推敲時にとくに問題になることだと思いま
添削屋「ミサキさん」の考察|13|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑬
|12|からつづく
3⃣知らないことは「知っていること」にたとえる
例文が2つ挙げられています。
ビジネス書や自己啓発本に多いタイプでしょうか。
というので、1個探してみました。
小説の例では、以下の文章はこういう比喩にあたるでしょうか。
直木賞作家、桜木紫乃さん『ラブレス』より。
……比喩に関してこれで終わりにして、次回から次の章に入ります。
|14|につづく
添削屋「ミサキさん」の考察|12|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑫
|11|からつづく
さて、比喩の例をあげるときりがないので、少し変わり種をいくつか。
L.M.モンゴメリ『赤毛のアン』の一節から。訳文は松本侑子さん。
「過去は忘却のマントで覆い隠しましょう」、こんな比喩はふつう日常会話では使いませんね。実はこれはアンがイギリスの詩から引用したものなんです。
原文は、I shall cover the past with the mantle of obli
添削屋「ミサキさん」の考察|10|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑩
|9|からつづく
第4位 文章は必ず「推敲」するこの章に関しましては、本エッセイの趣旨と離れますので、割愛させていただきます。
第5位 「わかりやすい言葉」を選ぶこの章は、とりわけ「不特定多数に向けて」文章を書く場合を念頭においているようです。
したがって、文章の性格によっては必ずしも守らなければならないことではないと私は考えます。
ただ、「新聞の世界では、『中学生でもわかるように書く』とい
添削屋「ミサキさん」の考察|8|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑧
|7|からつづく
例文をあげはじめるときりがないので、そろそろ「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」に戻ります。
3⃣見た目を良くすると、文章のリズムも良くなる
◇リズムの悪さ=読みづらさ
少しはた、と考えてしまいました。
「見た目」と「リズム」をほぼイコールでいうのはどうなのかな? と。
わかりやすいようにこう説明しているのかな?
ただ、私も先に紹介したように