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添削屋「ミサキさん」の考察|18|「『文章術のベストセラー100冊』のポイントを1冊にまとめてみた」を読んでみた⑱
[Part2]からは文章表現上の大事なところをピックアップ
第11位 主語と述語はワンセット
[Point]
1⃣主語と述語をセットにする
2⃣主語と述語はなるべく近づける
3⃣主語を自分勝手に省略しない
主語と述語は、文章の枠組みをつくります。そのため、「主語と述語が対応していない」「主語と述語が離れている」「主語がない」となると、理解しづらい文章になってしまいます。
1⃣主語と述語をセットにする
主語を書いたら、必ず、対応している(セットになる)述語があるか、確認します。
ない場合は、述語を補足するか、文章を分けます。
主語と述語が対応しない原因のひとつは、ひとつの文に内容を詰め込みすぎているからです。
戸田山和久さんも、「そもそも、一つの文にいろいろ詰め込みすぎる『イカめし文』が元凶だ。文が膨れあがるのをつねに警戒し、複数の文に分けて書くことはできないかと考える」(『新版 論文の教室』/NHK出版)
余談ですが、「イカめし文」っていう言い方、ふつうに使うのかな、と思ったので、ググってみたのですが出てきませんでした(笑)。
![](https://assets.st-note.com/img/1640325394129-Mrvzi9K23E.jpg?width=1200)
いかめし(goo辞書):イカの足と腹わたをとりのぞき、胴にもち米をつめて、砂糖としょうゆなどで甘辛く煮た料理。北海道渡島地方の名物。
業界用語でしょうか? 面白いたとえですね。
AはBである。
Bとは、動作・作用・性質・状態など。
シンプルな文章の構造だけを見ると間違えようがなさそうに思えるのですが、実際に文章を書いていると、案外主語と述語が対応していないことがあります。
さすがに出版物でこういう例文はなさそうなので、次にいきます。
2⃣主語と述語はなるべく近づける
主語と述語が離れていると、どの主語がどの述語に対応するのかわかりづらくなります。主語と述語はなるべく近づけるようにします。
ここでは、本書の文例を見てみます。
✖悪い例
山田さんが、子どもたちが林間学校に出かけていていないので、週末に天気がよければ佐藤さんに声をかけて3人で高尾山に登ろうと誘ってくれた。
〇良い例
子どもたちが林間学校に出かけていていない。もし、週末に天気がよければ、佐藤さんに声をかけて、3人で高尾山に登ろうと、山田さんが誘ってくれた。
「悪い例」はさっぱり文章の構造が見えないですね。単に主語と述語が離れているだけではなく、「山田さんが」と「子どもたちが」の2つの主語があります。したがって述語も複数……。
正直、「良い例」でもまだ分かりづらいです。
文章の性質にもよりますが、たとえば、
「子どもたちが林間学校に出かけていていない。山田さんが誘ってくれた。
もし、週末に天気がよければ、佐藤さんに声をかけて、3人で高尾山に登ろう、と」
とか、
「子どもたちが林間学校に出かけていていない。山田さんが誘ってくれた。
『もし、週末に天気がよければ、佐藤さんに声をかけて、3人で高尾山に登ろう』」
読点(、)も多いように思います。接続語(句)も欲しいですね。
「子どもたちが林間学校に出かけていていないので、山田さんがこう言って誘ってくれた。
『もし週末に天気がよければ、佐藤さんに声をかけて3人で高尾山に登ろう』」
まあ、いろいろいじってみると面白いですね。
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