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感染症学まとめ

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細菌、ウイルスなどの感染症関連の医学
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感染症学 易感染性

生体の感染防御皮膚、粘膜 好中球、リンパ球、マクロファージ 抗体、補体 これらの機能低下や減少により易感染状態になる 原発性免疫不全疑い徴候体重増加不良、発育不良 気管支拡張症 二回以上の深部感染症 抗菌薬不服用しても二か月以上感染症治癒しない BCGによる重症副作用既往 EBウイルスによる重症血球貪食症候群既往 HIV/AIDS細胞性免疫障害 抗ウイルス薬著効→ART CD4リンパ球減少に伴い日和見感染を起こす 200/mm³を境界に カンジダ→ニューモシスチス肺炎

感染症学 腹腔内感染症

主な腸内細菌大腸菌:急性単純性膀胱炎 クレブシエラ菌:莢膜を持つ 赤痢菌 サルモネラ菌 チフス菌 プロテウス菌 エンテロバクター菌 セラチア菌 他に腸内細菌ではないが感染症原因菌となりやすいグラム陰性桿菌が インフルエンザ菌:短桿 カンピロバクター 緑膿菌 治療優先度順に ①ソースコントロール 疾患部位を手術・ドレナージなどで排膿 ②抗菌薬 患者の重症度、免疫不全の有無などを考慮して耐性化に留意 4日程度投与 グラム陰性菌の耐性不適切な抗菌薬投与により耐性菌が発生し

感染症学 敗血症・血液感染・感染性心内膜炎

敗血症感染に対する宿主反応の調節不全で引き起こされる生命を脅かす臓器障害を呈する状態 肺、腹腔、尿路、皮膚軟部組織の順に好発 基準・・・SOFA,qSOFAスコア qSOFA:意識レベル低下    収縮期血圧100mmHg以下    呼吸数22/分 以上 敗血症性ショック:敗血症による循環不全、細胞代謝異常 基準・・・輸液投与下で平均血圧65mmHg以上維持に血管作動薬必要      血中乳酸値2mmol/l以上 診断:血液培養・・・精度からいって2セット採取(

感染症学 真菌感染症

分類糸状菌:長い1本の菌糸が分岐して増殖 酵母:出芽や分裂により増殖 染色法PAS染色:真菌の細胞壁を赤く染める グロコット染色:真菌の細胞壁を黒く染める KOH法:表在性真菌症に用いる 墨汁染色:莢膜をもつ真菌に用いる Diff-Quik染色:Pneumocystis jiroveciiに用いる 培地 サブロー・ブドウ糖寒天培地が主要 代表的真菌症 ①表在性真菌症 白癬 表在性皮膚カンジダ症 皮膚マラセチア症 など ②深部皮膚真菌症 スポロトリコーシス 黒色

感染症学 抗酸菌感染症

抗酸性とは、酸性アルコールにより脱色されない性質のこと 細胞染色の様子が通常とは異なる 分類 結核菌群:M.tuberculosisなど M.laprae(らい菌、ハンセン病原因菌) 非結核性抗酸菌群:遅発育菌(Ⅰ~Ⅲ群)→Ⅲ群にはMAC含まれる          迅速発育菌(Ⅳ群)→M.abscessusなど 結核2類感染症 飛沫核感染で肺に入り込んだ菌が増殖→N95マスク必要 肺門リンパ節などで滲出性病変を引き起こす 病態 一次結核:感染に引き続いて発

感染症学 院内感染対策

定義①医療機関において患者が原疾患とは別に新たに罹患した感染症 ②医療従事者などが医療機関内で感染した感染症 一般に入院後48時間以降におきたものを指す アウトブレイク一定期間内に同一病棟や医療機関といった場所で発生した院内感染の集積が通常よりも高い状態のこと 早期察知、対策が重要 また、感染対策チーム、抗菌薬適正使用支援チーム といった対策室の設置も必要 感染対策医療従事者:感染マニュアル順守、ワクチン接種、健診 患者:不要なカテーテル削減、周術期感染予防

感染症学 輸入感染症/人獣共通感染症

感染症法 3~5類に分類されるものが多い 海外渡航時は事前にワクチン接種するのが大事(義務化されているものも多い) マラリア熱帯熱、三日熱、卵形、四日熱 の4種が存在 熱帯熱マラリアは死亡リスクが高く危険 症状:意識障害、痙攣、頻呼吸、ショック、黄疸、出血傾向など 検査:低血糖、貧血、ヘモグロビン尿、高乳酸血症 診断:ギムザ染色で赤血球、原虫の確認 治療:ルメファントリン、メフロキンなど 重症ならグルコン酸キニーネ 予防:蚊を避ける    抗マラリア薬の予

感染症学 HIV/HTLV-1感染症 伝染性単核症

HIVヒト免疫不全ウイルス ヒトのCD4+細胞に感染し免疫不全を引き起こす これにより免疫力が低下し、日和見感染症を合併 CD4陽性細胞の減少に伴い 帯状疱疹→カポジ肉腫→ニューモシスチス肺炎→サイトメガロウイルス感染症 と合併症が変わっていく 診断:ウエスタンブロット法・・・血中の抗体を検出 AIDS指標疾患 真菌:カンジダ、クリプトコッカス、コクシジオイデス、ヒストプラズマ、ニューモシスチス肺炎 原虫:トキソプラズマ脳症、クリプトスポリジウム症、イソスポー

感染症学 中枢神経感染症

診察のポイント問診 ①経過 急性→細菌性・ウイルス性髄膜炎 亜急性→単純ヘルペスなど 慢性→プリオン病、HIV脳症など ②生活歴 人畜共通感染症→ネコ(トキソプラズマ)、ハト(クリプトコッカス)、ネズミ(レストスピラ) 海外渡航歴→原虫(マラリア)、ウイルス(日本脳炎) 性生活→HIV、神経梅毒 ③食品摂取歴 からしれんこん、キャビアなど→ボツリヌス 生肉や乳製品→リステリア キムチ、生肉→無鉤条虫 ④既往歴 脳外科手術→MRSA 糖尿病→ムコー

感染症学 皮膚、骨、軟部組織の疾患

蜂窩織炎皮膚~皮下組織の急性細菌感染 レンサ球菌が主 症状:疼痛、紅斑、浮腫、発熱やリンパ節腫脹 治療:抗菌薬を5~14日程度投与 A群レンサ球菌ならペニシリン系 術後感染抗微生物薬の予防投与が重要 当然消毒も重要 麻酔中は体温維持、酸素濃度維持、血糖コントロール 骨髄炎主に黄色ブドウ球菌の周囲の組織からの波及、血行性播種で生じる 急性→腐骨なし 慢性→腐骨あり 外科切除必須 症状 急性:罹患部位の痛み、可動制限、発熱など 慢性:上記に加え、瘻孔な

感染症学 呼吸器

病態:原因微生物が(誤嚥、吸入などで)下気道に侵入、肺実質まで到達して肺炎となる 肺炎の所見・検査:バイタルサイン、基礎疾患、ADL(日常生活動作)、脱水・腎障害の有無、インフルエンザウイルス感染 肺炎と上気道感染の鑑別気道検体の検査 喀痰グラム染色:迅速 喀痰培養検査:感受性わかる 鼻咽頭ぬぐい液:迅速 気道以外の検査 血液培養:陽性ならなんらかの異常 尿中抗原:迅速 肺炎診断臨床症状+画像所見から診断 しかし、特異的所見はあまりない 胸部レントゲン:

感染症学 性感染症

感染症法で指定されている疾患4類:A型肝炎 5類:梅毒、HIV/AIDS,B,C型肝炎    定点把握→淋菌、性器クラミジア、性器ヘルペス、尖圭コンジローマ この中では梅毒が近年増加傾向にある 淋菌感染症・性器クラミジア感染症尿道炎、子宮頸管炎の原因 精巣上体炎、骨盤内炎症→肝臓周囲炎 と発展していく 放置すると異所性妊娠や不妊症引き起こす 診断:核酸増幅法、グラム染色など 症状 ①淋菌性尿道炎 男性の場合は排尿痛、膿性の尿道分泌物などがみられる 女性は

感染症学 診断

免疫不全のタイプと罹患しやすい病原体好中球減少:化学療法→緑膿菌、カンジダ、アスペルギルス リンパ球減少、機能低下:糖尿病、HIV、高齢化、ステロイド、免疫抑制剤、腎不全→CMV(サイトメガロ)、マイコバクテリウム、クリプトコッカス、PCP(ニューモシスチス肺炎) 液性免疫低下:悪性リンパ腫、骨髄腫、脾摘、肝硬変→インフルエンザ菌(ウイルスにあらず)、髄膜炎菌、肺炎レンサ球菌 細胞性免疫の低下 L2MNS・・・Legioneiia pneumophiia(レジオネラ)

感染症学 予防・法規

感染症法感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 対象疾患は1~5類に分類されている他、新たな感染症への対応として新感染症、1年限定で指定する指定感染症が定められている 現在問題になっているCDVID-19(新型コロナウイルス感染症)は指定感染症にカテゴライズされる 平成20年時の改正をもって、知事や検疫所長による外出自粛要請・病院やホテルなどへの収容、監視が可能になった 予防接種分類 ①生ワクチン:弱毒化した生きたウイルス、細菌 ②不活化ワクチン:不