小平勘太 /鹿児島のエネルギー商社の経営者

京大農→イリノイ大院→ITコンサル→農業ベンチャー数社起業→鹿児島で100年続くエネル…

小平勘太 /鹿児島のエネルギー商社の経営者

京大農→イリノイ大院→ITコンサル→農業ベンチャー数社起業→鹿児島で100年続くエネルギー商社(小平株式会社)の社長 3年前から田舎の漁師町に移住し、地元活動もお手伝い。地方が直面するゼロカーボンや人口減少などの社会の動きに対して、どう動くべきか、何を考えてるのかを書きます。

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私の履歴書 「地域の幸せなありかた」と、それにどう企業、そしてテクノロジーが貢献するべきか」

自己紹介と簡単な経歴初めまして。小平(こびらと読みます)と申します。41歳鹿児島県日置市在住です。 いちき串木野というマグロ遠洋漁業が盛んな街に生まれ、小3で親の会社の移転に伴い鹿児島市に引っ越し。その後、大学で京都、大学院でアメリカのイリノイ州、ITコンサルや起業で東京、鹿児島市と移り住んで3年ほど前に日置市の海沿いのところに引っ越しました。 家の前は海で夕日が落ちるところに住んでいます。妻の実家の近くで特に田舎暮らしで集落の最若手の一員として(集落の「青年部」は75歳

    • 地方老舗企業での生成AIの活用事例-使えた6パターンとこれから3パターン-(2024年4月ver)

      生成AIの利用をどのようにして、生産性を上げるか、繰り返し作業を軽減するか、経営のスピードアップを図るかというのは、特に人手不足の地方企業ではなんとなく興味のあることかと思います。鹿児島の創業112年の老舗企業である小平株式会社でどのように利用しているのか、またこういうところは使えなかったということを共有したいと思います。(使えないという内容は今後、サービス改善で使えるようになる可能性あります) そもそもLLMとはChatGPTとは何だ?という説明は省きますので、そちらは他

      • 「街の創造性UP!」、創業112年企業と地域の新しい関係性の取り組み事例

        日置市100人会議が本社で開催されました。昨日、3/17に「日置市100人カイギ」がKOBIRA新本社「HARBOR」で開催されました。テレビ取材なども入り、盛り上がりました。 この記事では、KOBIRAがVISION3「地域だからこその可能性が花開く、ワクワクあふれる街を生み出す」に向かって、どのようなことをやってきたか、またやろうとしているのか、その現在地を紹介しようと思います。 KOBIRAはこんな会社まず、創業112年。私で4代目です。 事業としては、エネルギー

        • インフレが突きつける、あなたの会社のサービス「価値」への宿題

          いま、地方中小企業の経営の1番の課題は「インフレにどう対応するか」だ。 インフレになるとどうなるか? まず、今までと変えずに同じやり方をしていたら、仕入や販売管理費は高くなるので利益が減る。また、追い討ちで日本人若年層の人材不足も追ってきているので、人件費も今までとおなじ額だと採用できないので人件費も上がっていく。 コストが高くなると言うことは、利益を確保するためには値上げかコストカットをしないといけない。ただコストカットは今まで数十年のデフレ期で割とやり尽くしているの

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          市内からシャッター温泉街に創業112年のKOBIRAが本社を移す、「会社」と「自分」の5個の理由

          今月末に日置市に作った新本社の引き渡しがある。今までいた鹿児島市中心部のオフィスも引越し準備は、ほとんど終わり、いくつかのぽつんと机が残されている。 これから移転する新本社にはいくつかの特徴がある。 ・日置市のシャッター温泉街の湯之元という街にある。 ・常時出社するのは75名の参加者のうちの5名くらいで、あとは分散勤務している。 ・会社でありつつ、地域コミュニティの第2公民館としても機能する。 ・この建物だけでなく、周囲の街の空き家を回収してオフィスにする「街まるごとオフィ

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          「狂った老舗」の2023年振り返りと、2024年の展望

          正攻法できっちり会社を整備した2023年今年も終わりそうな気分になっているので、この一年をちょっと振り返ってみる。今年は正攻法の綺麗なフォームで改革できた一年だと思っていて、「KOBIRA社の健康診断と治療」の1年だった。悪いところを診断して、問題あるところの治療ができた。そう言う意味ではまだ「狂えてない」んだけど、着々と突き抜けるカウントダウンが進んで行ってるんじゃないかと思ってる。 KOBIRA社の2023年を振り返る組織の空気の変化 MVVが揃ったのが去年11月。そ

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          地方中小企業は「あたりまえの経営」を出来るようになろう

          都会の経営偏差値50は、地方の偏差値70都心の会社が行っている「あたりまえ」の業務が、地方の中小企業ではまだまだ出来てないことが多いと思います。都会の経営偏差値50は、地方の偏差値70くらい。まず、地方の経営者と企業は「あたりまえの経営」を出来るようになることが大切だと思っています。 あたりまえの経営ってなんだ?あたりまえの経営は、 経営目標を立て 経営目標の進捗を毎週毎月確認し 目標(予算)未達の時は原因を探し 対策を費用対効果をふまえ決め 対策を実行し、進捗を

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          「理念経営」と「データドリブン経営」そして「物語経営」の掛け算でオンリーワン企業を作ろう。

          会社取り組みを経営戦略のフレームで考える最近ありがたいことに様々な媒体でも紹介され、また採用でもたくさんの優秀な方にもジョインしていただいています。2年前からすると考えられない状況です。 まだ自分が会社を第4創業として変え始めて1年半の取り組みなので、まだまだ足らないところもあるのですが、さらにこの取り組みを発展させていきたいと思っております。 その際に、会社の移転やDXなどの取り組みをどのような経営上の戦略でやっているのですか?と聞かれる事があるのですが、正直、やらない

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          「究極の地方中小企業」の話と、内的動機をベースにした目標設定のやり方

          というか郷土のリーダー目指してない今度、鹿児島県の「かごしま青年塾」という企画で地元の若手でリーダーになりたい方々に講演する機会をいただきました。この青年塾は「郷土の発展を支え、地域の核となる次世代リーダーを育成する」そうです。 おそらく以下のプレスリリースを見て、「こいつ(小平の事)は郷土の発展に燃えているので本社を地元に戻したりしてるに違いない」と判断されての選出なのでしょう ただ自分は正直「郷土の発展にも地域の核になること」にも次世代リーダーにも興味がないので、困って

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          111年企業の生産性爆増:Amazon方式でのマネージャー会議の変革

          1年間で会議が変わった:Amazon方式の採用とその成果創業から111年が経つKOBIRA社の社長をしています。うちの会社は、古い御前会議形式の会議形態をずっと行なっていて、会議が効率的な課題解決の場となっていませんでした。具体的には、各部長が社長の前で結果を読み上げ、予算達成であれば褒められ、そうでなければ怒られるという形式で、課題の報告、分析を通じて、課題解決の対策を議論する場として会議が機能していませんでした。 そこで1年前、この非効率な状況を打破するために、役員会議

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          LPガス事業社とGX(グリーントランスフォーメーション) 2023年版- ファクトの整理と戦略 -

          LPガスと脱炭素社会現在、弊社の事業ポートフォリオには、エネルギー事業(やさしいエネルギー/LPガス、新電力)、IT/DX事業(KOBIRA DX Partner)、貿易コンサルティング事業(グローカルビジネス事業部)の3つのセグメントがあります。 エネルギー事業は弊社では稼ぎ頭ですが、将来の脱炭素社会でLPガス事業がどうなるか様々な未来予測が存在すると思います。この記事では、今時点での経営の将来予測を示し、過度に楽天的にも悲観的にもならないようLPガス事業の未来予測を共有

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          ソース原理 (Source Principle)と事業継承

          ソース原理 (Source Principle)って何?「ソース原理 (Source Principle)」というビジネス、特にチームに関する理論があります。去年、以下の本が出て、経営/HR界隈で話題になりました。 この本、英題は「Working with Source - Realize big ideas, organize for emergence, and work with money」、ChatGPTに直訳してもらうと「ソース(Source)と共に働く - 大

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          「ヒトではなく、コトに向かう」の難しさと、構造に向き合う価値

          昨年作った会社のバリューの中に「ヒトではなくコトに向かう」という言葉がある。これは確かDeNAの南場さんの言葉で、とても良い言葉だったのでバリューに入れさせてもらった。 これは、「何か問題が発生したときに、個人攻撃でなく、その背後にある構造を改善しよう」という事だと理解している。毎日、ストレス高く仕事をしていると、「あいつが使えないから」とか「上司(部下)が無能だから」というのは多くの会社で出てくるだろう。そういう言葉は、問題を個人の資質に結びつけるワードだと思う。 とこ

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          「性弱説」から始める中小企業の組織作り

          ◾️まとめ 地方の中小企業の組織運営では、人材のマーケットボリュームが都会と違うことから、人材の「弱さ」≒「歪さ」とどう向き合いながらインクルーシブな組織をどう設計していくかが重要だ。 この1年で48個の施策を地方の中小企業で導入して、思ったこと鹿児島で111年続く会社の4代目として2022年から第4創業と称して会社の大改革を始めました。去年の4月にミギウデとして入社してくれたCHROの池田亮平と一緒にちょうど1年間走ったところです。池田くんのnote↓ 1年で行った施策

          「性弱説」から始める中小企業の組織作り

          鹿児島から見た薩摩会議2023

          「150年後の未来をどう私たちは作るのか?」に関して話続けた薩摩会議2023が終わり、皆それぞれに何かを受け取って家に帰れたかと思います。主催団体のSELFの理事として、Day3のセッションに登壇させてもらった参加者として、鹿児島県に住む市民として、感じたことを、まだ消化しきれないこのタイミングで書いてみようと思います。 宣伝です。SELFではサポーター集めのために、SELF Transformation Academyという月1000円の有料noteをやってます。ぜひ、ご

          MVV定義した後に何をする?- 経営計画の前にBenefit (価値)の定義を作るのはオススメ

          111年目の老舗商社の第4創業と組織変革うちは創業で111年目を迎える鹿児島にある商社(エネルギー、IT、貿易)で、自分で4代目になる。ちょうど1年前にミッションを定義するための役員合宿があって、7ヶ月前にミッション、ビジョン、バリューを社内に発表した。その経緯を以前まとめたnoteが以下になる。 そこからも、色んな施策をやってきた。役員1on1の導入、人事組織部の立ち上げと組織的な人材採用(今までは各部署で勝手にやってた)、公式noteによる採用広報の開始、組織状態がわる

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