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「街の創造性UP!」、創業112年企業と地域の新しい関係性の取り組み事例

日置市100人会議が本社で開催されました。

昨日、3/17に「日置市100人カイギ」がKOBIRA新本社「HARBOR」で開催されました。テレビ取材なども入り、盛り上がりました。

「100人カイギ」とは、日本全国で開催されている会社、組織、地域に”身近な人”同士のゆるいつながりを作るコミュニティ活動です。街で働く100人を起点に人と人とをゆるやかにつなぎ、都市のあり方や価値の再発見を目的としています。
ルールは簡単。「毎回、身近で面白い活動をしている5名のゲストの話を聞く」「ゲストが100名に達したら解散する」。100人100様の生き方に触れることで、いつもの景色が少し違って見えてきます。

 プレスリリース: https://kagoshima.news/4350

この記事では、KOBIRAがVISION3「地域だからこその可能性が花開く、ワクワクあふれる街を生み出す」に向かって、どのようなことをやってきたか、またやろうとしているのか、その現在地を紹介しようと思います。

KOBIRA Vision 2032

KOBIRAはこんな会社

まず、創業112年。私で4代目です。

事業としては、エネルギー(LPG、電気)、IT(KOBIRA DX Partnerの屋号で主に業界特化SaaS)、貿易(グローカル事業部の屋号で主に食品系の輸出入)を行ってます。拠点は国内外にあり、その本拠地を鹿児島県日置市の湯之元という地域に最近うつしました。

ワクワクあるれる街とは何なのか?創造性が生まれるの条件とは?

私はそれをクリエイティブな街、創造性のある地域風土だと定義しています。今、一緒に取り組みをしている博報堂のUniversity of Creativityの大里さんによると以下のように書かれています。

「創造的地域風土」をつくるためには、各地域でこれまでになかったモノやコトを生み出すような「非日常的な活動」を起こすことが重要である」「日常生活と特別な瞬間(非日常)の間にある「汽水域」に着目。これまでの研究から、日常にいる人を非日常に呼び込み、さらにその人が非日常から日常に戻る過程で、「これまでになかったモノやコト」につながる「創造性の種」が多く生み出されると考え、日常-汽水域-非日常を行ったり来たりする」(体験が創造性を育む)

2023.06.30
ディスカッション・ペーパー|「創造的地域風土」を生みだすiCモデル(innumerable Cs Model)

私はKOBIRAが湯之元にあるということは、企業の存在が、日常、非日常の間を媒介する「汽水域」を作ることで地域の創造性に貢献できるのではと考えています。

KOBIRAの5つのプロジェクト

KOBIRAは今、湯之元の街で4個の取り組みを進めていて、1個新しく生まれようと準備中です。

取り組み① Hamaoka Pocket Park (通称ハマポケ)

2021年に建設した、完全無料のテイクアウト専門のシェア施設です。元々は私の母方の祖父母がやっていた「ハマオカ衣料品店」の跡地なので、ハマオカポケットパークという名前にしました。当初、こんなシャッター温泉街で店出す人もいないだろうし、お客も来ないだろうと全く期待してなかったのですが、意外な大バズりを見せて人気施設になりました。
(公式インスタグラムもフォロワー4200人超えて増加中)。

出店は地元の方だけではなく、鹿児島全土や宮崎からの出店者もいます。腕試しの場や、テストマーケティング、新しいチャレンジの場、出店者同士のコミュニティとしてアクティブに動いています。

取り組み② KOBIRA 新本社 「HARBOR」

勢いで鹿児島市内にあった本社をハマポケのすぐ向かいの土地に移すことになりました。立地協定を日置市と結ぶことになり、その際には、湯之元をウェルビーイングタウンにするという連携協定も結びました。

永山日置市長と結んだ連携協定
HARBOR外観

2024年2月に引っ越し。その様子は会社のnoteにまとめてあります。

昨日、100人カイギがあったのもHARBORでして、地域のイベントやセミナーの拠点としても活用される予定です。

100人会議後の集合写真

家から5分だし、朝温泉入ってから出社できるし、サーフィンも仕事抜け出して、すぐ近所で出来るので一番得したのは自分ですね。

取り組み③ 街まるごとオフィス

御多分に洩れず、湯之元は空き家が山のようにありまして、感覚的には3-4割は人が住んでないような感じです。HARBOR近所にも沢山あるので空き家を使って社内外のウェルビーイングを高めるような施設を整備して行っています。その1箇所目がhoroyoko meeting roomです。

写真は設計施工してくれた37design さんのSNSから拝借

ハマポケもそうなのですが、もともとあった場所の記憶みたいのを施設名に残したくて、居酒屋ほろ酔いの隣なので、horoyokoという名前にしました。

街まるごとオフィスは、トレーニングジムもつくりたいし、コーヒー屋も欲しいし、サウナも欲しいので、少しづつ広げていきたいと思います。

取り組み④ 湯之元「未来妄想」ツアー

こちらは、前述の博報堂University of Creativityさんと共催している取り組みで、ソフト寄りの取り組みです。地元の人と外部の人の参加を半々ぐらいに調整して開催しました。
街を事前に定められたチェックポイントを回りながら、自分のペースでスマホ片手に自由に歩き回り、街を内部と外部のいろんな視点で見つめ直すと同時に、もっとあったらいいなを「妄想」する、日常と非日常を行ったり来たりするワークショップでした。とても楽しくて、第2回も近日中に開催予定です。

取り組み⑤ Yunomoto As a Home (仮)

そして今準備中なのが、Yunomoto As a Home というサービス。こちらはもう少しビジネス寄りになるのですが、今年中には披露できるかなと思うのでお楽しみに。

企業が作る地域の「汽水域」

今までやってきた①-④の取り組みや、今後ある⑤に関しても、共通するのは地域の中と外のタッチングポイントが作られることです。ハマポケは出店者と消費者が湯之元を訪れるきっかけになり、HARBORは毎週のように全国/全世界から研究者やクリエイターが訪問します。街まるごとオフィスは、社員が街を回遊する理由になりますし、未来妄想ツアーも複数視点の獲得を通じてイマジネーションが生まれるキッカケになるかと思います。

自分は、街の人が今欲しいものを企業が作る必要もないし(大体、近所のお婆のニーズを聞くとコンビニかカラオケと言われる)、企業が全て資金と人を出して街を整備することも不可能だと思ってます。
街と企業の新しい関係性というのは、街の外と内が交わるきっかけを企業が作り、そこで生まれた「汽水域」から街全体の創造性を増すような、そんな関係性なんじゃないかと今、感じています。


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