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Deep tech/Place Based Innovationと地方企業の親和性

地方からイノベーションを!みたいな事を最近言われてるし、創業系のイベントにも自治体から沢山の予算がついてたりする。そういう時に大体、多くの人がイメージされてるのはアプリとかSaaSで一儲けしてくれみたいなことだけども、最近はそっちにはあんまり投資が集らなくなってるのは、地方ではあんまり知られてないところ(そして、すぐに田舎の新規事業コンサルはアプリかSaaS作らせようとする)。

今、注目も資金も集まっているのはDeepTechと呼ばれる社会課題解決型のビジネス分野だ。また、地方企業の勝ち筋もそこにあると思っている。そして、その肝は地に根差したイノベーション(place based innovation)とのコラボレーションにあるんじゃないかなと、感じてる。

Deep techとは、「自然科学系の研究結果をベースにした社会課題解決のためのテクノロジービジネス」、また、Place based Innovationは、地に根差したイノベーションとも訳せるかなと思ってて、「その場所にある資源やコミュニティの多様性や特異性から作られる独自のイノベーション」と自分の中では定義してる。その2点と地域企業との親和性があるよね、と思ってる。

地域の企業はその歴史の中で地域のコミュニティや資源と深く結びついていて、逃げたくても逃げられない。地域を襲う少子高齢化や地域の衰退、インフラの劣化に経営のあり方が影響を受けている。そして、その課題や現状の細かい部分の解像度が圧倒的に高い。

加えて、地方にある大学、研究機関や独自技術を発展させている企業群の存在もDeep techに貢献する。その技術コミュニティの存在も大きい。

課題の解像度の深さと、地域資源の多様性、地域のテクノロジーの厚みみたいなものにアクセスできるのは地域に根を張った企業だし、そのチャンスを握れるポジションに実はいるんだと思う。

ただ地方企業で、社会課題型のビジネスを扱う時に気をつけないといけないのは、社会課題解決と利益追求を両立させることにある。100:0で、社会課題解決に向かうのは企業として長続きしないし、0:100だとSDGsウォッシュになる。

大事なのは、社会課題解決と利益追求をステージにおいて柔軟に変えることで、それは51:49でもいいし、ある時には40:60でも別にいいと思う。ビジネスとゼロ100の白黒ではなくて、いつもグレーな色をしているものだと思うし、資金は無限にあるわけでないので、地方企業はそのあり方に悩みながら進めばいいと思う。

自分の会社でも趣味でやっていた地域のプロジェクトが、ビジネスになりそうだし、それは地方企業の技術と地域リソースと社会課題を結びつけたものになりそうだ。いま、イノベーションが生まれるプロセスの真ん中にいるんだな、と感じてて、こういう瞬間は本当に楽しいなと思う。

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