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カラーマーケティング VOL.01【 マーケティング・デザイン視点から見た色彩 】

結論から言うと「売れる色がある」ということは、いまからおよそ35〜40年前に、あらかたの研究が終わっています。「売れる色」は存在しています。
 
そして、この投稿に「共感できるデザイン関係者」がいるとすれば、それは「売れるもののデザイン」を いくつも作り上げてきている デザイン関係の業界で、トップクラスの人だけだろうと思いながら 書いています。


さて、その話をするためには、私の「職種」や「経歴」を最初にご案内しておく必要がありそうです。


1) 何者なんですか?

講演会などに呼ばれてお話をする度に「あなたは、いったい 何の仕事をしている人なんですか?」と聞かれることも多いのです。

まぁ わかりにくい仕事ではあると思います。そもそも私は「百貨店の全ての売場の売上向上・売場改善担当部門」にいた人間です。

私が かつて勤めていた会社は「本部」に「全ての百貨店・支店の売上向上・売場改善担当部門」という部署がありました。

そして、その部署から各店に「その百貨店の全ての売場の売上向上・売場改善担当部門」「出向」して配属されていました。


私は、その部署に1980年頃から「20年」ほど勤め、各支店と本部への転勤を繰り替えしていました。百貨店の売場って「売り子さん」は「売場から離れられない」

売上が悪くなると「誰か」に「どうしたら良いんだろう?」と相談しないと前に進まなくなる。そういう時の「相談相手」です。

やっていた仕事は「百貨店の入り口」まで、お客さんを引っ張ってくる「① 広告・宣伝」という仕事。これが1つめ。

そして「入り口」から入ったお客さんを「多くの売場」に循環させ「商品」を手にとってもらい「レジ」まで誘導する「② 売場づくり・陳列」


さらに「外商営業マン」たちが持ってまわる「③ 商品カタログ」といったものを用意する仕事。そして「④ 売上/経費予測」という仕事。

もうひとつが「⑤ ポイントカード・カード会員の仕組みづくり」。もうひとつが「⑥ 売り子さんへの接客指導」といった仕事。

さらに「⑦ プライベートブランド開発のアドバイザー」といった仕事。だいたい「この7つが私の専門分野」ということになります。

その中でも特に、どれが専門ですか? と聞かれると、ちょっと困ってしまいます。ひと通り 全部 やっていたから・・・


百貨店でも食品スーパーでもドラッグストアでも、いわゆる「流通業」と呼ばれる業態の人たちが やっていることは ほぼほぼ同じ。

違うとすれば「価値の販売」での差別化ぐらい。百貨店の商品は 高額な分だけ「いろいろな価値」をプラスしなきゃいけないということ。

「広告・宣伝」も「売場づくり・陳列」も「商品カタログ」も「売り子さんの接客」も、安っぽいと高い商品なんて 誰も買わないわけです。

かといって「売れない時期」に「バカほど経費をかける」なんていうこともできない。売れるなら売れる金額 相応の経費を使おうというのが基本原則。


結局「売れる時期に売れる商品を しっかり売ろう」という話にしかならないのです。たとえば今は10月10日といった「秋のスタート時期」。

こういう時に「○○産の有機農法で作られた 里芋」を、しっかりと売る。この時期に「そうめん」は売れないからチカラを入れない。

そして「○○産の有機農法で作られた 里芋」は「これくらい売れるだろう」から「これくらいの経費」をかけて宣伝+その経費に見合った 売場を作ろう・・・

みたいな話になってくるわけです。洋服売場なら「横もの(ニットのセーターやカーディガン)」を、しっかり売ろうじゃないか、みたいな。


「企画の担当者」になりたての人たちが「間違ってしまいやすいこと」があるとすれば「足し算」で物事を考えて何かやろうとすること。

そうじゃないんです。「企画」は「引き算」です。経費をかけず「売れない理由を潰していく」というのが「販売企画・販売促進の原理原則」なんです。

「売れない売場あるある」なんですが「陳列がダメ」「接客がダメ」で売れない。なら経費をかる前に、まず「陳列」と「接客」の「売れない」を潰せば良い。
 .
そういう仕事をしていた会社を辞めて独立しました。が・・・ やっている仕事は同じ。相談してくる相手が変わっただけといった状況です。


2)流通業

「流通業」という言葉を聞いたことがある人も多いと思います。代表的なものは「食品スーパー」「ドラッグストア」「大型家電店」など。
 
先程も申し上げましたが、私は「百貨店」という業態の流通業の企業の中で「マーケティング部門」に所属していました。
 
「食品スーパー」や「ドラッグストア」と「百貨店」の大きな違い。それは「価格勝負」ではなく「価値のみで勝負しなければならない」こと。
 
「売れなきゃ値段を下げれば良い」「値段を下げた商品で集客すれば良い」「顧客ポイントカードの還元率を上げれば良い」・・・


これは「食品スーパー」「ドラッグストア」「ディスカウンター」の集客方法。百貨店は「値段を下げずに高額高級商品をどうにか売る」
 
そういう宿命を背負った業態。デパ地下の「セルフ売場」で売っている商品も「食品スーパーより高額」なのに「値下げなしで売る必要」がある。
 
結果「価格<価値」で、「売れない=価値が低い」なら「値段を下げれば良い」ではなく「お値段以上の価値」があるようにもっていかなければならない。
 
そこで「商品の価値」をどうやって高めるか? の研究をすることに「ならざるを得なくなった」わけです。必然といえば必然の話です。


百貨店というぐらいです。百貨店では「いろいろな商品」を扱っています。そして、色々な売場で、色々な試行錯誤をして価値を上げる。
 
結果【「ディスプレイ」+「プライス表示」+「POP表示」の3点セット】を揃えると良く売れる。ということが、当時わかっていました。
 
私が勤めていた「流通グループ」の中に「L●FT」という雑貨販売の事業体が生まれ、後にその事業部が「独立独歩の道」を歩むことになりました。
 
そのお店に行けば、今でも【「ディスプレイ」+「プライス表示」+「POP表示」の3点セット】を揃えた「売り方」がしてあるとわかります。


問題は「デパ地下」の「セルフ販売の商品」や「文具売場」といったところの「パッケージ商品」。こと食品は「食品スーパー」より高額な商品ばかり。
 
私達は「値下げ販売」ができない。売れるようにするためには「価値を上げる」しかない。そこで、百貨店のノウハウをそれらに注ぐことになりました。
 
具体的な「商品開発」の手順や手法については「有料ノウハウ」となりますし、デザイン面の話に特化したマガジンで「クローズアップする話ではなさそう」なので割愛します。


ですが、こと「商品開発・パッケージのデザイン」を行う上で「カラーマーケティング」は、かなり重要なウェイトを占めていたことは、間違いありません。
 
カラーマーケティングは「商品パッケージデザインと売上」「企業のロゴマークと業績」「店舗の看板と業績」といったものに直結しています。
 
つまり「デザイン色が良いと売れる」という話。今回は「マーケティング視点で見たデザイン色」について、シリーズで それらの概略についてご案内していきたいと思います。


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