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15 「企画」に必要な「情報」VOL.03

文頭でお断りしておきます。10,000文字ぐらいの読み物です。売れる企画の技術習得は武道の黒帯取得のような話。本気で「売れる企画を立てたい」「売れる商品を作りたい」と思っていない人が、軽い気持ちで読んで、冗談半分でやって、事故をしたり、怪我をしたりしないように有料マガジンにしてあります。内容も本気でやらないと身につかない「売れる企画の技術習得内容」なので、軽くありません。

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前回 14話  「企画」に必要な「情報」VOL.02 
○ Section-36〜Section-38 より

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● Chapter-04「企画」に必要な「情報」

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Section-39「数学型」と「物理型」


若い友人にS君という友達がいます。S君とは、もう10年以上の付き合いになるのですが、とても勤勉で勉強好きな人です。初めて会った頃から「今、こんな本を読んでいます」といってはカバンのなかに入っている本を取り出して見せてくれたりしていました。

見せてもらうと「小むづかしいマーケティングの本」でした。私は、会う度に「そんな小むづかしい理屈が書いてある本ばかり読んでいずに、食品スーパーとか、ドラッグストアとか、雑貨屋とか、足を運んでみた方が仕事の役に立つよ」とアドバイスしていました。

「マーケティング理論は、オーディションのようなもので、理論ごとに、マッチする事象現象というものがあるんです」と説明したこともあったのですが、S君は「この本に書いてある理論で○○をやったら、うまく行きませんでした」といった話が好きなようです。

「会社の○○というプロジェクトが、かなり良い感じで進んでいるのですが、これは○○博士が推奨する○○マーケティング理論に当てはまっていたからだと思います。」などと言うわけです。「そのプロジェクトに君は入っているの?」と聞くと「いいえ」という返事

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「自分が担当する仕事で成功しないとマーケティング理論の意味がないよ」とアドバイスをするわけです。さすがに、最近は「こんな本を読んでいる」といったことは言わなくなりましたが、彼は「こういう話ばかり」してくるタイプの人だったのです。

「自分は知っている」「自分はわかっている」「マーケティング理論という武器を自分は持っている」・・・ そして、彼は「どんな事象にも当てはまって売上があがる究極のマーケティング理論という名の必殺技」を探し回っているような人だったわけです。

彼は「算数型」の「知識好き」。理論タイプの人には「算数型」と「物理型」の2つのタイプの人がいます。算数型のタイプの人は「方程式」を使って「正解を導き出そう」とします。そこにあるのは「理論が先で、答は後」という「数学型の考え方」です。

もうひとつ「物理型のタイプ」という人もいるわけです。物理型のタイプの人は「事象」を優先して、その「事象に合った方程式を強引につくりあげていく」というタイプ。そこにあるのは「現象という事実が先で、方程式は後」という「物理型の考え方」です。

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私は大学の理系出身、それも「物理学」を専攻していました。本当は「コンピュータ・プログラム」を勉強したかったのですが、50年前には「IT情報系の学科」など世の中には存在しておらず、コンピュータ・プログラムが学べる学科が物理学科だけだったのです。

つまり、私は「根っからの物理学タイプ」で「現象という事実が先で、方程式は後」という考え方に徹する人間だったのです。マーケティングにしても「そのケースごとに方程式をいくつか組み合わせてカスタマイズすれば良い」というのが私の仕事の進め方です。

ある時、S君を私の「実践マーケティング塾」に見学に誘って、私の話を聞いてもらいました。そのゼミの帰りにS君は「加納さん、マーケティングって面白いものなんですね。今日、加納さんの話を聞いていて、本当にそう思いました。」といってくれました。

「そうですよ。面白いのが実際に売上が上がってしまうマーケティングです難しいことを言うのがマーケティングではないんです。そのことを少しでもわかって欲しいと思って今日、来てもらったのです。どうぞ、そのことを忘れないでください。」・・・

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