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カラーマーケティング VOL.08【 マーケティング・デザイン視点から見た色彩 】

結論から言うと「売れる色がある」ということは、いまからおよそ35〜40年前に、あらかたの研究が終わっています。「売れる色」は存在しています。
 
そして、この投稿に「共感できるデザイン関係者」がいるとすれば、それは「売れるもののデザイン」を いくつも作り上げてきている デザイン関係の業界で、トップクラスの人だけだろうと思いながら 書いています。

「Google」という会社が「カラーマーケティングの研究と実験を開始した」というニュースが流れました。正直、驚きました。「何をいまさら・・・」というのが私の感覚です。
 
購入に対応するカラーマーケティングは日本において1985年頃には始まっていました。私もまた、研究者をしていた1人です。研究のスタートは「店舗デザイン」からでした。

シリーズ最初の投稿

1985年頃、商店街での食品購入から、食品スーパーでの商品購入に消費者の動向が完全にシフトしました。商店街の商店の接客販売から「セルフ販売」へとシフト。

1990年頃から「パッケージデザインの研究」が、商品開発に関わるデザイナーたちの中で始まりました。当初はパッケージ商品を作る食品メーカーが行っていましたが・・・

少しずつ「流通業」の企業とタッグを組むようにシフトしていきました。そして「高額食品メーカー」と百貨店がタッグを組んで研究を本格化していった経緯があるのです。

そのことを大前提に、順序立てて「色彩をどうマーケティングしていけばいいのか?」。「売れるデザインを作るには、どうすれば良いのか?」の概要をご案内していきます。

物理学の世界では、1900年代前半に「アインシュタイン博士」や「湯川秀樹 博士」が基礎物理学を構築しバトンを受け取った方々が今「量子物理学」へと発展させています。
 
今の時代、AIなども発達してきています。若い世代の方々に、これからさらに発展させて欲しい。そう思っています。私のバトンを受け取ってもらえると嬉しいです。

前回の投稿

つづき・・・


1)カワイイ色、オトナ色、ダンディで上品な色


色は、年齢についても明確な相関関係があります。

・黄色いくちばし……鳥類のひなのくちばしが黄色いことから、若い意味

・黄色い声……女性、子供の甲各回い声
 
・青……青二才などとも

洋酒メーカーのサントリーがビール製造に進出した50年ほど昔「青年のビール」というキャッチフレーズ で販促展開したことがあります。

「青年」という言葉にあやかって、ビール瓶(サントリー純生)のラベルを青でデザインしていました。かれこれ 50年も昔の話ですが…
 
また、青年、青春 と青葉とは相通じるものがあります呈月葉は若葉であり、若葉は希望をイメージさせます。
 
また生物、特に植物の成長過程には、色との相関関係があるようです。 生物を見てみると、生まれたての時には白っぽいものです。


植物の場合は、種から芽を出した時 には白い茎に黄色い若葉をつけています。そして芽が育ち、太陽に当たると黄色い若葉はしだいに 色が濃くなっていきます。
 
それが樹木になるものならば幹ができますが、幹は育つにつれて色が茶 色から茶褐色になり、褐色になってだんだんと黒くなっていきます。
 
このように考えると、色が白から黒に向けて成長していくという過程が見えてきます。つまり、濃い色は熟年の色とうことがいえます。
 
あまりいい例ではありませんが、火事になって家が燃えると、焼け跡は黒くなります。木材が炭になるからです。


物が燃える時に発生する煙りは黒い色をしていますが、 その煙りのチリを集めると墨ができます。 また、一日が終わると夜が来て暗くなります。
 
夜が明けると空は白みだし、一日が始まります。 このように私たちの身の回りの現象は、白から始まり黒で終わるように感じられます。
 
つまり黒 は終りの色であり、死の色でもあるのです。 次に、若い感じのする色はどんな色でしょうか。これには、黄色と同じようにピンクがあります。
 
ピンクは桃色とも言いますが、これに関して「桃割れ」という髪形を例にとってみましょう。この桃割れ は、もともと桃の形から来た名前です。


昔の 16〜17歳の少女が結った髪形ということで、ピンクのイメー ジに二重に合っています。 桜の花もピンク色です。初々しくて、かよわくて、かわいい色でしかも少女的です。
 
歴史的に見ても、こういう幼さ=可愛らしさを象徴した髪型は、若い女性に好まれてきました。
 
いずれにしても、薄く淡い色を使うと若い感じがしますし、濃く強い色合いになると年老いた「経験値が豊富な感じ」がするのは間違いありません。


つまり「新しさ」を強調したい商品や「カワイらしさ」を強調したい場合は「淡い色」を使った方が「そのイメージ」が伝わりやすいことになります。
 
逆に「老舗」と呼ばれるような企業や店舗・商品は「深い色のイメージ」の方が「その積み重ねてきた歴史感が伝わりやすい」ということになるわけです。



2)トレンディな色、クラシック(コンサバティブ)(ベーシック)な色

 
最新トレンド、クラシックという言葉は、色の側面からいうと青年と熟年の関係に似ていますが、その内容は、かなり違ってきます。
 
なぜなら「若さ=幼さ」というイメージがトレンドになると「憧れ」に変わるからです。 人問には常に新しいものを求める気持ちがあります。
 
それは希望を持ち、夢やロマン、憧れを持つということです。そのような気持ちが新しいものを求めるという心理になるのです。
 
古いことわざに「女房と畳は新しい方がいい」という、今の時代では「ハラスメント」になってしまう ことわざ も 残っているほどです。


しかし、これは 古い時代の男性の心理を巧みに表していると言っても良いのかもしれません。今の時代に無神経に使うと、ハラスメントになってしまうのは間違いありませんが…
 
このように新しいものを求める裏には、好奇心の本能があるからです。好奇心とは古いものに飽きるということです。古くなってしまうと刺激がなくなります。
 
つまり、人問は常に刺激を求めているということです。 このことは、マーケティングにおいて極めて重要なポイントになっています。
 
そして、それが最も典型的に現れてくるのがファッション・トレンドです。 ファッション・トレンドのひとつとして流行色があります。


私たちは色に飽きると、新しい流行色を求めたくなります。もっとも色には限りがありますので、何年かすると同じ色が流行するということになります。
 
これは、年が改まって新年になると、やはり気持ちが新鮮になって「今年こそ」という思いが出てくるのと似ています。

トレンド(流行)という言葉には、そういう気持ちを表すイメージがあります。トレンドと対をなす逆の意味の言葉がクラシック・コンサバティブ・ベーシックです。
 
この2つの言葉は、時の流れの中で揺れ動く人間の感情を表現しています。


すなわちそれは、 好奇心と郷愁心の2つを表現するイメージ語なのです。 郷愁心は、ふと思い出す故郷のイメージと似ています。
 
私たちは未来を見つめて生きていきます が、ときどき過去を振り返って思い出を楽しみたくなるものです。年を取るほど郷愁心は強くなっていきます。
 
もっとも、最新トレンドを追いかけることに飽きてレトロなファッション(回顧趣味)が流行することもあります。
 
今から40年ほど前。1980年頃に「アメリカン・トラッド(トラディショナル)」「プレッピースタイル」というビッグサイズ・ファッションが大流行しました。


その頃は「夏はポップな色」「秋冬はシックなモノトーン」というのが主流でしたが、どうやら40年ぶりに再流行し始めているようです。
 
今また「ビックサイズ ジャケット」が再流行しているように、最新トレンドとクラシック・コンサバティブ・ベーシックは互いに牽引力を発揮します。
   
ですから、そのトレンド(流行)に 乗って色を たくみに駆使して商品開発や、キャンペーン展開をしていくと 売上を伸ばすことができるのです。


ここで、念を押しておきたいことがあります。商品でも料理でもWeb情報でも同じなのですが「中身」と「外身」の2つ、どちらも必要になるということ。
 
たとえば「ラーメン」なら「ラーメンそのもの(中身)」が美味しくないとダメ。そのうえで「見栄えが良い盛り付けの型」があり「彩りまで良い」必要があるということ。
 
ここで説明しているものは「色のみ」。料理でいう「彩り」の部分。ですが、料理が不味いと話になりません。Web構築も同じ。中身の情報が悪いと話になりません。
 
そのコトについては「経営者としての戦略」「担当者としての手法」を別途、ご案内しています。繰り返しますが、ここでは「彩り=色」についてのみレポートしています。

ここでは『「デザイン」における「色彩」というものについての概略のみ』をご案内します。商品開発の詳細ノウハウについては、別のマガジン(シリーズ)をご覧ください。

商品開発経営のための業績向上経営戦略シリーズ(有料)


商品開発担当者のための 売れる商品開発ノウハウシリーズ(有料)


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