見出し画像

とうこちゃん、教えてくれてありがとう。

昨日の私たちの「大人のためのSDGs超基礎講座」で、もう10回も参加をしてくれている小6のとうこちゃんから教えてもらった12歳の少女・坪田愛華さんの『地球の秘密』について、調べてみました。

この絵本は、環境問題をテーマとし、地球の自然の構造、公害などによる自然破壊、人々が自然を守るために行うべき環境運動などを取り上げた作品で、世界11か国語に翻訳されて、世界中の子供たちに読まれているとのことです。作者の愛華さんは、1991年当時、斐川町の町立西野小学校の6年生の国語において環境問題の調査をし、まとめるという課題に取り組みました。生徒たちが思い思いの方法で資料をまとめる中、愛華さんは、漫画を描くことが得意であったことや、小学1年生にも理解してもらえるようにとの意図から、低学年向けの環境漫画の執筆を考案し、同年10月より執筆を開始しました。図書館でも熱心に調査し、友達からの遊びの誘いも断り、いつも夜遅くまでかけて描き続けたそうです。表紙だけでも3回も描き直し、ご両親の談によれば、愛華さんは、10歳のときにすでに地球に対して強い関心を抱き、この年の1月には、湾岸戦争の激化によりイラクの遺跡が破壊されることを危惧し、同戦争で原油にまみれた水鳥の姿にショックを受けていたといいます。修学旅行で被爆地である広島県へ行き、平和について学んだことも背景にあったようです。その後、約2か月間を費やした執筆の末に、2学期の終業式当日である同1991年12月25日、『地球の秘密』と題した漫画がほぼ完成し、あとは彩色しての仕上げを残すのみの状態でした。しかしその夜の12月26日午前1時頃、愛華は就寝中に体調が突如急変し、同日朝、課題を学校へ提出することなく入院することとなりました。そして、翌日の1991年12月27日朝、小脳出血により亡くなったのです。それまで健康そのものであり、病気の兆候など全く無く、わずか12歳というあまりに早い、そして突然の死。その時のことを想像するだけで涙が出てきます。そして、翌1992年(平成4年)2月に、作者の母である坪田揚子さんは、愛娘が皆の心に生きることを願い、遺作となった『地球の秘密』を自費でコピーし、西野小学校の同級生らと教員らに配布したそうです。折しも別件で読売新聞の記者が学校に取材に来ており、その記者の目に本作がとまったのも神の計らい。本作に感銘を受けて朝日新聞の販売店に持ち込んだ保護者もいたそうです。こうして本作は期せずして、読売、朝日の2大新聞で同日の新聞記事に取り上げられ、両親の家や学校宛てに、本作を読みたいとの問合せが殺到。環境保護について地球という大きな観点で捉えていながら、年少者向けに漫画というわかりやすい形式で述べられた内容は話題を呼び、活動の輪が急速に広まることとなりました。そして、1992年6月、地球環境平和財団が冊子版を発行。これは一般書店での販売ではなく、同団体が申し込みに応じて発行していたそうです。その後の2004年(平成16年)12月、出版文化社より市販本が発行され、一般書店での購入が可能となっています。出版文化社版では、生前の作者の言葉を頼りに、グラフィックデザインの経験を持つ母の坪田揚子さんが全ページの彩色を行なって、簡素だった従来の装丁がA4判ハードカバーに改められたものがこれになります。早速、購入しました。このことを教えてくれたとうこちゃんに感謝します。有難う。

幸せを呼ぶそよ風チャリダー/サステナビリティイノベーティブコンサルタント。「感謝感動を世界に地球に」のカングロ代表、ザッポス研究会、イノベーションサロンZ、システムD研究会、サステナ塾、セブメディ創設者