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世界写真紀行 vol.5(ケニア/ バリンゴ)

ケニア西部リフトバレー州内に位置するバリンゴカウンティ(カウンティは日本でいう県に当たる)。およそ66万人が暮らすこの場所は、ケニア第二代大統領ダニエル・アラップ・モイがの出生地としても知られる。

また、コフラミンゴの世界最大の個体群の棲息地の一つであるボゴリア湖がある事で知られ、一面に広がるフラミンゴの大群を観に来る観光客も少ない。

実際にボゴリア湖を訪れたのは3年前。湖の周辺にはツアーでチャーターされたハイエースやランドクルーザーが並んでいた。ツアー参加者のほとんどは中国からの観光客やケニア在住者だった。しかも、彼らの装備を見ると数十万〜数百万円する高価なバズーカレンズばかり。

私は気になったのでケニア人ドライバーに話を聞くことに。

"最近、日本からの観光客はあまりいないのですか?"

彼は答えた。

"昔、1990年代は日本人も多かったよ。観光客だけじゃなくて、テレビの取材も当時は多かったね。私もアテンドしたことあるよ。今は、日本人全然いないね。アジアからだとほとんどが中国人だ。"

それも無理もない。当時の日本はバブル&崩壊後の余韻と惰性で海外旅行ブーム真っ只中。旅行会社もアフリカツアー商品を今よりも多く販売していた。作れば売れた。まさにプロダクトアウトの時代。

時代は変わった。

中国式ODAでもアフリカに対して存在感を増しているのは国際協力の現場にいた私にも感じていた事ではあるが、2010年GDPで日本を追い抜き、世界第2位に躍り出た経済成長の片鱗をフラミンゴを横目に見せつけられることになるとは想像もしなかった。


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