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早期退職の理由は、神様が教えてくれた|第6話

早期退職の理由は、神様が教えてくれた
40代独身女性が先を決めずに早期退職したら、不思議な体験をして、自分の使命に気づく話です。書くことになった経緯はこちら

神の島・久高島で観光ツアーに参加したはずが、スピリチュアル・レッスンのような展開になり、戸惑う私(第5話

最後に、久高島で最も重要な聖地のひとつである、神聖な浜に案内された。

海岸と言うよりは御神域のような、清浄な空気が流れる場所。曇り空の下、ガイドの方とふたり。突然、彼女は言った。

「あなたは、神様事(ごと)を伝えて、困っている方を助ける人になるんじゃないですか」

………
………
………

神様事って???

戸惑いは最高潮に達した。だが、私はなぜか、こう答えていた。

「それができたら、うれしいです」

頭を通過せず、直感に言わされたような感覚。すると、彼女は空を見上げて言った。

「ほら、神様も祝福してるわ」

雲が晴れて、太陽の光が射し込んでいた。

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濃密なガイドツアーが終わり、私は呆然としていた。

神様事って、一体なんだろう。なのに、どうしてあんなことを言ったのか。

一方で、何とも言えない、わくわくする気持ちに包まれた。

思えば、早期退職前、インドの占星術で、生まれてきた使命を占ってもらった時も同じだった。

私の使命は、古代の叡智に関する知識を身につけ、活動を行い、人々が容易に暮らせるよう助けることだと書いてあった。

具体的に何をするのか分からないのに、なぜか心惹かれたのだ。

彼女の言ったことが、本当だとしたら・・?

私は、彼女が入れてくれた御嶽に向かった。他にも案内された聖地はいくつもあったが、あの御嶽のことが忘れられずにいたのだ。

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夕方近くになり、辺りは閑散としていた。西日を背に受けて進む。

すると、不意に森の方から能管(のうかん)の音が聴こえてきた。能などに使われる横笛だ。大学時代に狂言を習っていて、聴き慣れた音。

沖縄の離島で聴くのを不思議に思いながらも、歓迎されたような気持ちになった。

心の中で「失礼します、入らせていただきます」とご挨拶しながら、静かに御嶽の中へ入る。

私は一心に祈った。

「私は、できることなら、彼女の言う『神様事を伝えて、困っている方を助ける人』になりたい。そのために何をしたら良いか、教えてください」

すると、突然、

「だったら、神様の言葉がわかるようにならないとね」

と言われた。

………

………

………

誰???


私は驚きのあまり、足早にその場を立ち去ってしまった。だが、神様の言葉だと直感した。だから会社を辞めることになったのだと。

「早期退職の理由は、神様が教えてくれた」

私はそう確信した。

再び呆然とする私。一方で、現実逃避の妄想ではないかという疑念もわき起こる。直感と理性。二人の自分がせめぎ合う。

だが、その夜、不思議なことが起こった。その後も直感を信じざるを得ないことが続いていく。

つづく

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