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ノルヒト

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クルマに熱意がない方へ。とりあえず乗ってみたヒト。
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#クルマ

クラウン(スポーツ)SPORT Z ディーラー試乗

クラウン(スポーツ)SPORT Z ディーラー試乗

クールな謹賀新年

元日から大惨事があったものの、恒例の箱根駅伝は今年も予定通り開催された。
長時間の中継のあいだ、頻繁にクラウンシリーズのCMが挟み込まれていたのをぼんやりした頭で覚えいている。
演歌や仁丹臭さを徹底的にデオドラントしたクールでシャープな絵作りは、新年の弛緩した家庭にびっくり水のような効果をもたらしていた。

そういえばクラウンシリーズが発表されてからはや半年、一度も乗ってないと

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トヨタ ヤリス クロスHYBRID X 1.5L

トヨタ ヤリス クロスHYBRID X 1.5L

自分のクルマが点検でディーラーに入っている、となればカーシェアを楽しむしかない。
というわけで、ちょうどコロナ禍前後に発売したこともあってなかなかディーラーに足を運ぶことができず、結果として今まで乗ろうとして乗り逃していたヤリスクロスを選んでみた。
クロスオーバーを名乗っているだけあって、黒いボディは案外堂々としている。
初代RAV4と同じくらいだろうと思って後から調べてみたら、こちらの方が長さ・

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プジョー308SW アリュールBlueHDi(FF/8AT)

プジョー308SW アリュールBlueHDi(FF/8AT)

「じっくり」の機会

現在乗っている旧型モデルから正常進化した同じエンジン・ほぼ同じ足回りと仕様を有する新型とをじっくり乗り比べる機会はシロートの我々には意外と少ない。
ここで大事なのは「じっくり」ということ。
試乗の数分間ではなく日数をかけて、最低でも1泊2日以上乗れることが肝心だ。
交際を始めてから最初のお泊まり旅行で相手の綻びが見えることがあるじゃないですか。あのクルマ版。
「あの」と言うほ

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トヨタ ヴォクシー S-G(8人乗り)

トヨタ ヴォクシー S-G(8人乗り)

思わぬイップス

自意識過剰かもしれないけれど、最近ディーラー試乗がやりづらい。
特にコロナ禍になってからというもの、どうしても気持ちが萎えてしまうのだ。

クルマに対する情熱が冷めたわけではない。
厳しい社会状況のなか、ペーパードライバーを装った購入検討者でもない一般人(おれのことです)にわざわざ時間を割いてまで相手をしていただいているこの状況。
これって営業さんにとってはムダ以外のなにものでも

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MAZDA CX-60 XD-HYBRID Exclusive Sports

MAZDA CX-60 XD-HYBRID Exclusive Sports

黒歴史を彷彿とさせるモデル名マツダ クロノス、オートザム クレフ、アンフィニ MS-6、アンフィニ MS-8……。
かつて90年代にマツダがブランドイメージの向上とシェア拡大を狙った伝説の「5チャンネル戦略」時代に登場したクルマたちだ。
どのクルマがどのカタチだったかあまりにもわからないので、定期的にボケ防止として自問するようにしている。

なぜこんなことをのっけから書いたかといえば、昨今、マツダ

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プジョー308 GT BlueHDi(FF/8AT)

プジョー308 GT BlueHDi(FF/8AT)

偉大なるフツーからの脱却思えば先代モデルの現役期間は長かった。実に9年。
登場したときはあまりにも退屈なデザインゆえ、早くモデルチェンジしてくれないものかと心から祈っていた日々を思い出す。
ちょうど、少年時代に見ていた刑事ドラマで新任刑事が気に入らず「早く殉職してくれねえかな」と不謹慎ながらじりじりしながら毎週見ていたときの気持ちと同じ。
そのくらいガッカリが大きかったのだ。

しかしどういうわけ

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Honda e Advance

Honda e Advance

垣間見たホンダの本気度待ちに待ったホンダ肝煎りの電気自動車発売。
思えば数年前の東京モーターショーのプレスデー。まだモックアップ状態だったコイツのシートに座り「ああ、やけに硬いなぁ」などと呟いて写真を撮影していたら、広報の人に「世界に一台しかないモックアップなので座らないでくださいッ」とやんわりたしなめられて以来の付き合いだ。

自動車デザインのなか、というより全ての工業デザインの中でも個人的ラン

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三度目の正直:ホンダ INSIGHT EX(ディーラー試乗)

三度目の正直:ホンダ INSIGHT EX(ディーラー試乗)

在りし日の徳大寺先生がこんなことを書いていた。
「クルマの名前が変わらないのにボディスタイルがコロコロ変わるのはコンセプトがない証拠」と。
インサイトを見るたび、いつもこの言葉がフラッシュバックする。
初代は思い切り燃費スペシャル然とした小ぶりな2シーター。
そして2代目はプリウスの増殖を食いとめるべく登場したそっくりなカタチのセダン。
ホンダにありがちな販売の休止期間を経て再登場。こんどは堂々と

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BMW740i

BMW740i

個人的な話で恐縮だけれど、5シリーズ以上の「でっかいビーエム」にはまったくグッとこない体質で、街で見かけるたび「3シリーズ以下の凝縮感こそがビーエムでしょう!」 とひとり息巻いて、ハナにもひっかけなかったのである。

クリス・バングルに端を発する現代BMWのプロダクトデザインの中で妙に間延びして見え、凝縮感がいまひとつ足りていないと感じていたのがその理由なのだけれど、今回の7シリーズはちょっと様子

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VolvoS60 Polestar

VolvoS60 Polestar

「AWD×輸入車×高性能=?」 この公式が試験に出たらたいていの受験生は「アウディS4」と回答するだろう。しかしデキる受験生(誰だ)になりたいならばここはぜひ「ボルボS60ポールスター」と答えて欲しい。採点する先生は「ううむ……」などと虚空を見つめながら二重丸をつけるであろう。

どっしりとホールドするヌバック仕上げの特別なシートに身を預け、キイをスロットに差し込み、エンジンスタートボタンを押すと

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RENAULTルーテシア R.S. トロフィー

RENAULTルーテシア R.S. トロフィー

やっとこの機会が巡ってきたと思った。どういうわけか縁が遠く、なかなか乗ることができなかったルーテシア。しかもルノースポールだ。ありがたい。

古くはクリオ・ウィリアムズから憧れ続けてきた武闘派のルノー。さぞかし刺激的な時間を送れるに違いない、とワクワクして試乗に臨んだわけである。

キイを受け取りエンジンをかける。スポーツモデルでもおとなしいのは最近のクルマの定石だ。早速走り出してみる。18インチ

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