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BMW740i

個人的な話で恐縮だけれど、5シリーズ以上の「でっかいビーエム」にはまったくグッとこない体質で、街で見かけるたび「3シリーズ以下の凝縮感こそがビーエムでしょう!」 とひとり息巻いて、ハナにもひっかけなかったのである。

クリス・バングルに端を発する現代BMWのプロダクトデザインの中で妙に間延びして見え、凝縮感がいまひとつ足りていないと感じていたのがその理由なのだけれど、今回の7シリーズはちょっと様子が違う。
グッと伸びやかで、ガラにもなく「エレガントだな・・・」とつぶやいてしまったほどだ。なぜだか和服を小粋に着こなした女性の白くて美しいうなじを連想してしまった。

明るくクリーンなインテリアもアカ抜けている。リアのヘッドレストがメルセデスのSクラス同様、フカフカ方式を採用しているあたり、キチンと流行をオサエているのがニクい。

試乗車は液晶画面やタッチパネルを多用して後席のホスピタリティを重視した仕様だったけれど、走らせればそこはBMW。きちんとしたドライバーズカーなのがうれしい。5m超のボディがウソのようにヒラヒラと鼻先を変えてコーナーをクリアしていく。その心地よさをさらに演出する伝家の宝刀、3リッター直列6気筒エンジンがすばらしい。まさに絶品。