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購買は会議室じゃない、現場で起こってるんだ!

生活者は理屈じゃなくて、ほぼ直感や感情でモノを買います。
しかし、マーケティング活動は企業が主語であることがほとんどのため、何かをするときの意思決定には、どうしても「論理」が挟まってしまいます。だから、生活社に理屈を押し付けてしまうことが多い。

直感や感情で自分たちを選んでくれる人を増やす。そのために、その理屈にしにくい(生活者が抱えているであろう)直感や感情を社内で共通認識にするにはどうればいいのだろうかの仮説について書きました。

目指すはスラスラ思い出されるブランド

人は刺激を受けて行動するという、シンプルなロジックから始まり発展したのが消費者行動論です。

その中で登場する、とても重要な概念が「純粋想起」です。

「ビールメーカーと言えば?」と聞かれたとき。
「ペットボトル飲料と言えば?」と聞かれたとき。
カテゴリを聞かれたときに思い起こされる(再生されると言う)ブランドのことを指します。

その純粋想起はだいたい一人につき最大3つくらいと言われているのですが、その中でも最初に思い起こされるのが「第一位再生知名」と呼ばれていて、世の企業はこの位置を奪い合う戦いをしています。

ちなみにこれはBtoBでも同様で、自社の課題に直面したときに「この課題なら●●だよね」と思い出されるプロダクトは強いはずです。

そのポジションは共感の積み重ねで作られる

人は毎日たくさんの情報を浴びています。その中で、頭に残るものや全然残らないものがあります。

頭に残るものは自分が「なんかいいな」と思ったものです。それは理屈じゃなくて直感で判断しています。(根拠はないのですが、今情報には一瞬しか触れないことのほうが多くないですか?理屈で考える暇もあまりないという感じです)

街なかに溢れている情報の中から、人は自分にとって「なんかいい」ものだけを選び取っている。それはなぜよかったの?と聞いても、明確な答えは返ってこない。物事が嫌いな理由は簡単に言えるけど、好きな理由って説明が難しくないですか?

脳みそは負担を減らすために、とても重要かつ緊急度の高い行動でない限りは自動運転をしています。買い物中の自動運転の1つに「自分が好意的に思っているものを自然に選ぶ」というのがあるので、そう思ってもらえると嬉しいですよね。

でも理屈が飛び交う会議室

最近思うのは、いろんな広告がありますが「気付いてもらうために必死すぎないか」という点です。

最初にも書いたとおり、マーケティング活動は企業が主語であることがほとんどのため、何かをするときの意思決定にはどうしても「論理」が挟まってしまう。社内で説得をするためには理論武装が必要です

失敗したくないのも人間の心理ですから、理屈で考えて足りないと思ったら足したくなる。指摘したくなる。そういう議論を経て、必死すぎる広告ができあがるのかなと邪推しています。人は感情の動物なので、理屈で塗り固められたメッセージを向けられただけでは「なんかいいな」とは思いません。

「気づく」か「味わう」か

直感や感情、つまりココロの可視化は難しいものです。一時期ニューロマーケティングというものが流行して、脳波で探るような取り組みもあったと聞きます。

「なんかいいな」と感じてもらう、あるいは感じている状態とは何か?を探るには2つの方向性があると思います。

・気づく(発見する)
・味わう

気づく(発見する)というのは、エスノグラフィ(行動観察)に代表されるようなマーケティングリサーチ手法を活用することです。

生活者に聞くのではなく、観察をする。そこで起こった機微を見逃さずに発見する方法を用いることです。できれば、どれを映像化して全員で共有するのがよさそうです。

2つ目の味わうは、自身で体験して自身に問うこと。世の中には常に新しいサービスが誕生していますが、それをしっかり体験して、何が心に刻まれたのか、言語化を試みることです。あるいはみんなで体験することです。「どう感じた?」を大切にすることです。

世の中には編集された情報があふれているので、何か新しいものが世に出るとレビュー記事などはすぐに見つかります。それを鵜呑みにして「知った気になる」のは危険です。ロジカルに編纂された情報は、どう解釈してもロジカルにしかなりません。大切なのは、自身が五感で感じたコトです。

結局のところ、会議室にこもってないで現場に行くのが大切だよね、というお話でした。


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