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サブカルこけしの日常

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30歳を過ぎてから男性→女性に性転換した人の徒然なる文章たちです。誰の役にも立ちません。
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#性転換者

ブスの戯言。

2016年。わたしの事を好きだという男性が現れ始めた。

奇特だ。

そして揃いも揃って皆、不器用だ。

たった一人を除いて。

先ず。不器用チーム。

みんな、わたしの何を知って好きになるのだろう。その理由が見えてこないし伝えてもくれない。

お店のカウンター越しに見てるわたしは…24時間×365日のほんの一部分だよ。

ならば顔なのだろうか?顔なら顔と言って欲しい。

わたしは自分の顔が好きで

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家族。

春の強い風が吹く。桜も散った。空は夏に向かって高く青く、雲は白く早く千切れ流れていく。

女性化しようと決意し、それから女性ホルモンを投与し二年が経つ。明確な勝算があったわけではない。むしろ諦め半分、それでも諦められなかったからリスクを取った。

自分が女だと信じて疑わなかった。そんな世の中のトランス像に当てはまるような感情もなかった。

ただ、自分のやりたい些細なことや本当に望むことは女性性にし

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ともだち-2。

「自分なんて探したって見つからないよ。」

わたしは最近女性ホルモンを始めた友人に軽口を叩く。

彼女は一人旅が好き。そして一人遊びが上手。

たまにTwitterにおセンチな短文を呟く。そしてここ数年、毎日きちんとブログを更新している。

その度にわたしは彼女の書き記したものを覗きに行く。

わたしは彼女の不器用で一生懸命なところがとても好きだ。

それ以外にもたくさん好きなところがある。

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新宿Arch

先週末、久しぶりに東京へ向かった。

JR新宿駅の西口は相変わらずの人の多さで。そして相変わらず不精な私は寄り道や観光に全く興味を持たずに目的地へと向かう。

人の多さに辟易としてしまうと目的を果たす前にエナジーを消費してしまう。

私はちゃんと調べたら充分に徒歩で迎える距離をタクシーでショートカットする。目的地を告げ、外を見ていれば余分なお喋りをしないで済むというところだけは東京を気に入っている

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テキスト。

なりたい自分になる事。

そんな単純な事が手に入らず、傷つき、傷つけられ。一時期は誰にも会わず一人きり部屋で泣いていました。

でも、そんな私を救ってくれたのは…

情けなくても。みっともなくても。ありのままであろうとする私をずっと見守ってくれたアナタ達でした。

自分を認め、赦し、愛してあげてください。

もう自分を責めたり、誰かを羨んだり。そんなループから自分を解放してあげてください。

もし

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わがまま。

男性と女性は感情の出し方が違う。

女性はノリ。良くも悪くも傲慢というか自分本位な人が多い。

男性は意外に体面とか場の雰囲気とかを気にするから、一旦抑えてそれが我慢ならなくなった時に一気に放出する気がする。

わたしは断然後者だ。

あのとき我慢せずにその場で放出しておけばよかった…と後になって悔しい思いをする。

我慢したって結局どこかで我慢ならなくなって外に放出するなら、しかるべきタイミング

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ゲス。

男の人は本当は頭の中に脳は無く、下半身の袋の中に入っているアレが脳の変わりなんじゃないかと感じることが多々有ります。

とにかくSEXが好きみたい。

ニューハーフという属性だから、一般の女性より露骨にそういう側面に遭遇しやすいという部分を差っ引いてもだ。

「そこらへんの女より綺麗だ。そしてそのセクシーな唇。フェラチオが上手そうだ。セックスしよう。」

意味が分かりません…最低限のプロセス踏んで

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ささやかなよろこび。

昨日、恋人と街を自転車を引いて歩いていたら、向こう側から女の子3人組が歩いて来て。そのうちの一人と何故か目がバッチリ合った。

バッチリ目が合うということは向こうがこちらを気にしているという可能性が高い。=男バレしているか疑惑の目を持たれている。

自分は今までそう思い、大抵恐る恐るすれ違った後に向こうの様子を伺っていた。

そうしたら後を歩いていた恋人が。

「今の女の子達があなたの事、可愛いっ

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切り刻みちっぽけな何かを作る。

先日、豊胸手術と目の整形3回目をしてきました。

全身麻酔というものは初めてだったのですが、点滴の定期的な発信音を数回聞いただけで意識を失っていました。

うっすら意識を取り戻した時にはすでに腹部などから抽出した脂肪などは胸に収まり、目を縫われている状態でした。

目は何度かメスを入れたり縫われたりしているのですが、目が覚めた瞬間からそんな状況というのはなかなか動転する物で…

自分が望んだ手術と

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破天荒なおかまども。その2。

友人がニューハーフの世界大会に出た。戦いや競い合うということが似合わないような珍しいタイプの子だ。

ニューハーフさんは昔の強烈な縦社会や体育会系ぽさが残っている世界だし、MtFは強烈な自己顕示欲と承認欲求が強いので身内でよくつまらない紛争が起きている。

世界大会に出るって決めるくらいだからこの子もその類いの人種なんでしょ?って思われている事が悔しい。実際、そういう声をわたしは聞いた。柔らかくそ

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破天荒なおかまども。

わたしの友人の性転換者(Male to Female)共はなんだかすごいやつが多い。

中学の時に洗脳について学びたくて家を飛び出し、集団で生活をする宗教団体に飛び込んだ関西の美女。こいつは頭が良過ぎて世の中の真理みたいなものを見てしまった雰囲気がある。

実際「私、頭良過ぎてちょっとおかしくなってしまった。」って屈託の無い笑顔で呟いてたのを見た事が有る。

たしか高校くらいまでは一生懸命男であろ

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