破天荒なおかまども。その2。

友人がニューハーフの世界大会に出た。戦いや競い合うということが似合わないような珍しいタイプの子だ。

ニューハーフさんは昔の強烈な縦社会や体育会系ぽさが残っている世界だし、MtFは強烈な自己顕示欲と承認欲求が強いので身内でよくつまらない紛争が起きている。

世界大会に出るって決めるくらいだからこの子もその類いの人種なんでしょ?って思われている事が悔しい。実際、そういう声をわたしは聞いた。柔らかくそうじゃない事を伝えようと思ったけれど、怒りで声が大きくなってしまった。

もちろん、何の欲も無く世界大会に出たりはしないだろう。でも彼女はもっとピュアな気持ちの持ち主なんだ。それこそ今後も現れ続けるであろう性別違和に苦しみながらも生きていく人の道標になれるような子だ。決して一人の私利私欲だけで出場したわけではない。それは普段の振る舞いや悩みになやんだわたしに掛けてくれた言葉ひとつひとつから実感している。

結果は特別賞を受賞。優勝出来なかった。くやしさは残るけれど出し切ったから満足していると大会が終わってから報告してくれた。


破天荒さとはかけ離れた、明るく温かい子。

だけど普段誰にも見せないであろう目的遂行のために情に流されない部分。みんなへの優しさや温かさが均一過ぎるときにわたしが感じる怖さ。

やっぱり凡人とは一線を画す何かがある。最初から備わっていたわけでは無いと思う。素養を育てざるを得ず、血と涙を流して戦ってきたMtFの強さなんだと思う。


またつづくかも。

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