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先進国最低レベルから社会的価値向上を目指して【アート市場の形成】


日本のアート市場規模は先進国最低レベル

アート市場規模は世界7兆円に対し、実は日本のシェアはわずか4%しかありません。

経済産業省 クールジャパン推進課 「アートと経済社会について考える研究会」


また、GDP全体に占める割合や国民1人あたり文化GDPも、他国と比べ、とても低いことが分かります。

経済産業省 クールジャパン推進課 「アートと経済社会について考える研究会」


日本人のアートの価値観

日本でのアートにおける個々の「価値観」についてこれまでの経験を踏まえて個人的に考えてみました。

まずは一般的に人がアートを楽しむ方法として、家(部屋)にアートを飾るという手段があります。

この記事を読んでくださっている方の中にも、ご自宅に絵を飾っている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

この〈アートを飾る〉ことに対しての弊害が日本にはあると思います。

・日本での住宅事情

日本での賃貸物件では、壁にクギやネジを使って穴を開けることは避けるべきだとされています。 なぜなら、賃貸借契約書の内容にもよりますが入居者が故意にあけた穴は原状回復する必要があり、退去時にはその補修費用を請求される可能性が高いです。また、壁の修繕費用は高額になる可能性があり、賃貸契約違反にもなり得る可能性があるとされているのです。

日本での賃貸の割合は全体の約40%だとされていますが、都心部では約55%で賃貸比率の方が高いのです。そして、全国的に見ても少子高齢化や働き方の多様など持ち家率も年々下がっているようです。

筆者はこの弊害を実際に感じた経験があります。

数年前、アメリカ人のアーティストをマネジメントをしていた時のことです。作品を販売していたところ、お客様からのこんな声をよく耳にしました。

・作品は素敵だけど、壁に釘は刺せない
・額に入れて飾りたいけど、重いと釘やしっかりしたフックをつけないといけない。でもうちは賃貸でそれができないから難しい

実際にその時マネジメントしていたアーティストから、日本では作品をとても評価してくれているのに、デジタルやライセンス商品は売れても作品自体が売れないのはなぜ?と聞かれ、とても悩んだ経験があります。

例えばアート市場シェア規模1位のアメリカではどうでしょうか。

アメリカでは、原状回復やB工事(内装工事)には明確な決まりがなく、貸主と借主が専門家と協議を行い、賃貸条件やデザイン設計などを決めていきます。壁紙や床材を変えたり、エアコンや照明器具を取り付けたりした場合、退去時に元に戻す必要はなく、そのまま残しても良い場合もあります。

https://rcaa.or.jp/feature/feature-3615/

2位のイギリスの場合も、原状回復を条件に壁に釘を打って棚を取り付けたり、借家の場合でも壁にペンキを塗ったりすることも頻繁で、その為の道具を手に入れることも簡単だし、業者も身近にあると言われています。

まとめると、日本の住宅事情(特に賃貸物件)が他国と比べアートが身近に楽しめない弊害になっているのではないかと考えました。
その結果、日本人にはアートがまだ〈馴染みのないもの〉と感じている人が多いのではないでしょうか…

・アートに対する距離感

日本だとアートを観る機会ってとても限られているなと感じます。
美術館に行く、好きなアーティストの個展や参加している展示会に行く…

アート市場シェア規模の高い国々ではどうでしょう。

例えばアメリカやイギリスではいわゆるストリートアートも盛んです。あのバンクシーもイギリス出身です。もちろん例外もあるのかもしれませんが、ほとんどが建物のオーナーに許可を得るか、オーナーから依頼をされて描いてるので街やコミュニティとしてアートの距離が近いのだと思います。

また、マーケットもあちこちで行われているので、人々がアートを直接目にすることも多く、アーティストも増えているのだと感じます。


近年は日本も変わってきた!?

近年、特にコロナ禍以降日本人のアートに対する価値観は変わって来ていると感じます!
コロナ禍で家にいる時間が増え、アートに興味を持つ人、またアートを始める人(アーティストになる人)も増加した印象です。

百貨店や商業施設でのアート展や、ギャラリーも以前と比べると増えているのでこれからどんどん日本人のアートの距離感は縮まるのではないかと期待が持てます!


同志を増やして社会的価値向上を目指す

kakutellは先進国最低レベルと言われる日本のアート市場をもっと盛り上げたいのです。そして日本人にはその潜在的才能が絶対あると信じています。

その為にも企業がアートを活用する、取り入れることは非常に重要であり、また企業にとってもプラスになる相乗効果が生まれると考えます。

アートを活用、取り入れる企業が増えることで、今よりもっとアートが身近に感じられる世の中になる。そして人々は、よりアートへの関心が高くなり、アートを活用している企業を支持するようになる

最終的に日本におけるアートの新たな市場を形成し、アーティストの〈社会的な価値の向上〉を目指すことを目的のひとつとしています。

そして様々な市場から共感してもらえる企業、いわゆる同志が増えれば良いなと思います。

一緒にアートで社会を作りませんか?
ご興味を持っていただけたら心から嬉しく思います!


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