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愛知リコール偽造と高須クリニック

愛知リコール偽造事件に進展があり、「本丸」にさらに近づいたようだ。

高須克弥氏は、ただCMに出てくる変なおっさんというイメージだったが、漫画家でサブカル界の大物である西原理恵子を愛人にし、彼女が高須氏を愛らしく漫画に描きはじめてから、人気とステイタスが上がっていった。

新聞や雑誌に多数の連載を持つ漫画家を味方につけたことで、「作家タブー」が働き、メディアは高須氏を批判しにくくなった。これは、室井祐月と結婚した米山隆一が「防御力」を身につけたのと同じメカニズムだ。

それ以前から、高須クリニックは美容広告でマスコミの大スポンサーだった。「作家タブー」と「スポンサーの力」で鬼に金棒状態になったのだ。

もともと、自社のCMに出てきて顔を売った人だ。世の中、カネでなんとでもなるという世界観の持ち主なのかもしれない。実際、別にたいしたことをしていなくても「有名人」になれた。

これまでいつも広告会社を通じて自分の要求を満たしてきた。今回のリコールでも同じであって不思議はない。

想像だけで言っているのではなく、西原理恵子周辺の編集者に聞いたことがある。ことあるごとに西原の周りで、高須氏が出てきてカネの力を見せびらかすので、それに惹かれる編集者もいれば、それが嫌で離れていった編集者もいる、と。

西原理恵子に忠告する編集者はいなかったのか、あるいは、いても遠ざけられたのだろう。

彼女も、「カネがすべて」的な考えの持ち主で、遵法精神など持たない無頼派だから、いかに高須氏を弁護する漫画を描こうと、「共犯者」にふさわしく見えるだけだと思うのだが。

「スポンサー」と「作家」に勝てないマスコミ(とくに出版界)の論理を知らなければ、高須のような人がなぜ「大物」のように扱われるかわからないだろう。そのせいで、本当に彼を評価する人々が現れる。

いつの間にか保守の大物みたいなポジションになり、有識者としてコメントするようになった(その媒体はたいがい彼が広告を出しているところだが)。

ネトウヨつながりで、安倍晋三、百田尚樹、名古屋市長の河村たかし、また維新の吉村洋文などと「同志」を形成して、愛知県知事リコールに臨んだ。

もし捜査が「本丸」に迫ったら、政治的な影響は大きい。だから政治的圧力も高まってくるだろう。

またマスコミ(とくに高須の漫画を連載しつづけた小学館)の責任は免れないだろう。

唯一「高須マネー」に染まらなかったのが新聞だ。美容整形ふくむ医療行為の広告は、内規で一般紙に載せられないからだ(スポーツ新聞は「汚染」されている)。だから、このリコール問題では、一貫して新聞(とくに中日新聞)が追及役になっている。

日頃は新聞に批判的な私だが、この問題では新聞に期待し、最後まで追及の手を緩めないことを求めたい。新聞があってよかった、と思わせてほしい。

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