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86歳の凶行

埼玉の発砲立てこもり犯、86歳ということで、全世界が驚いている。


銃を持っていることから、特殊な背景が疑われるが、前から私が思っていた不安が当たったかもしれない。


人間、平均年齢を越えたら、もう懲役も死刑も怖くなくなる(かもしれない)ということだ。

だって、懲役も死刑も、いわば「平均寿命」を人質にとった刑罰だ。寿命をまっとうできなくする、という脅しなのだ。

近代国家の法は拷問を禁じているので、「もういつ死んでもいい」という人には、刑罰の抑止力がなくなる。


もちろん、「死んでもいい」という動機は、若い人にもあるが、まれだろう。

しかし、平均寿命を越えて元気な老人がふえるのは、「もういつ死んでもいい」という、「無敵の人」がふえることでもある。

日本は、そのリスクの先頭を走っている。

刑罰の考え方を変えるべきか。あるいは、刑罰は無力だろうか。


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