「けんちく学園」構想 - プロジェクトヨコヤマその1
ヨコヤマの構想する「けんちく学園」とは何か、どのように実現させるのかについての記事です。大まかにではありますが5フェーズに分けて計画しています。目的としては現在の日本の大学建築教育の上位互換となりうる、①クリエイション「基礎理論」 ②クリエイション「アルゴリズム」教育 ③クリエイション「ツール」教育 の3軸を充実させるものを考えています。
そのためにけんちく学園では
①「才能」の発見
②その「運用方法」の案の提示
③「やり方」のデザイン方法の教育
をすることを徹底し、
・基礎理論/アルゴリズム/ツールの基礎の共有
・個人の特性を伸ばす方法と環境づくり
を提供します。結局はケースバイケースなので、まずは教育する側の人間を増やすことを短期目標に据えて活動しています。
ヨコヤマの位置付け - 前提
基本的にヨコヤマは一応建築業界に属してはいる。その中でも建築デザイン、さらにその中でもデジタルツールを利用した効率的または高度なデザインフローを得意としている。
実はこの時点で業界ではマイノリティな位置付けにはなってる(そのため2022年度ベンチャー企業の社長からオファーがあって1年間契約社員として働けたのであると考える。もう退社したうえ、その会社は組織として未熟であり人間関係の風通しが悪かった)。
既往事例 - 前提
また、1年生の頃からインターンしていた会社が、建築のエンジニアリング分野を射程とするデジタルツールの教育活動を、主にスーパーゼネコンや組織設計、早稲田建築などの大企業向けに行なっている会社だった(この会社からヨコヤマは多大な影響を受けている)。それに加えて企業のDX支援や業務の支援コンサルなどもしている。もちろんこれもマイノリティ。社会的地位を確立している。
「新たなデザイン教育」- 提案
この2つの要素から、ヨコヤマは新しい「建築デザイン」教育ができるのではないかと考える。
現状日本の大学ではデジタルツールを前提としたデザインフローを教えられるノウハウはない。ヨコヤマがインターンしていた会社のような外部機関を頼ることしかないのが現状。
もう一つ、建築実務者の若手、特に個人経営の建築家は数はたくさんいるけれども、企業に属していないためにデジタルツールを学ぶ機会がほとんどない。お金がないからソフトウェアを買うことが難しい。
研究/論文執筆 - フェーズ1
ここからは具体的な計画に関してだ。下準備(第一フェーズ)として、ヨコヤマが修士論文/博士論文にて ①「デジタルデザインの有用性と限界」(BIM設計やGrasshopper、生成AIを通して自動的に決まるデザインを明らかにすることによって、クリエイティブな作業を抽出する。人間とAIの違いは論理的整合性の有無である。)、②「建築設計の基本的デザインアルゴリズムの提案」(スケッチや模型をはじめとして、3Dモデリング/パラメトリックデザイン/BIMを含み、建築デザインをフローとして統合する)、③「建築デザインの評価に係るパラメータの提案」(建築指向性を基準とし、具体的に提案を評価する手法の確立)、④「現代の建築教育のカリキュラムの提案」(①〜③の成果をもとに大学の建築教育を再構成する)の4本の連続論文を執筆し公開する。また、その内容を書籍/テキストとしてまとめる。
その上で修士設計では「けんちく学園」を概念としてだけではなく、「場所」「システム」「アルゴリズム」と言った総体の建築としてかたちづくりたい。
これによって ①クリエイション基礎理論 ②設計フロー教育 ③クリエイションツール教育 の基礎理論を構築する。
デジタルデザイン教育 - フェーズ2
その後主に実務者を対象としたナイトスクールから学校をはじめる(第二フェーズ)。ヨコヤマが本来やりたい建築デザイン教育というよりは実務者向けのデジタルデザイン教育。これは3者が得をする仕組みになっている。
まずは生徒は企業勤めしていないためデジタルデザインを学ぶ機会がない上に、ソフトウェア導入資金も足りていないと推測される実務者だ。彼らは学生価格でソフトを使える上にデジタルデザインの基礎を学べる。 ソフトウェア会社にとってはユーザーが増え、教育普及活動による恩恵も受けられる。 スクール側は授業料とソフトウェア会社から資金を調達でき、目的である人材の育成も果たせる。
「けんちく学園」前期 - フェーズ3
その後スクールを拡大させて教育の対象が大学生にまで拡大したら、デジタルツールを今の大学教育で言う手描きや模型と言った手法と同レベルで設計フローに昇華させた新しい「建築デザイン教育」を始める(第三フェーズ)。ここが「けんちく学園」の初歩になる。
この段階になってようやく ①クリエイション基礎理論 ②クリエイションフロー教育 ③クリエイションツール教育 が全て揃った教育を施すことができる。そのスタンダードを押さえた上で生徒たちが守破離して自らの個性を伸ばしていくことを目指す。
「けんちく学園」後期 - フェーズ4
これによって最終的には大学生よりも若い人材やお年寄りまで幅広く一般教養として「けんちく」を学べるような、人間としての「けんちくエリート」を育成するための学校「けんちく学園」に発展させる(第四フェーズ)。
映画制作 - フェーズ5
これによってヨコヤマの裏目的である、自分の映画を制作すると言う夢が果たされるかもしれない(第五フェーズ)(「建築」の究極型は「映画」、「建築指向性 - Creation Standards. vol.3」参照)。「けんちくエリート」は建築業界のみならず、幅広いクリエイション分野で活躍し得る人材であり(「けんちく」は複合的学問である)、当然それが映画制作にも活かされる。さらに彼らはヨコヤマによる「けんちく論」という共通基盤を持っているため、当然協働はスムーズでこうクオリティなものになるはずだ。
自分が建築デザインを教え込んだ教え人たちが、共通基盤を自分たちの手足として昇華できた暁には、各々が別々の強みを持った個性豊かなクリエイターになっていることだろう(守破離)。そのような人材を囲い込み、映画制作チームを結成して映画を制作し続けることがヨコヤマのの最終目標なのである。
映画制作にも2フェーズある。第一はシュルレアリスム/SF/耽美派系の短編小説を原作とした短編映画だ。これらのトピックはヨコヤマの根幹を成しているものである。次にそのノウハウを長編映画へ応用する。ジャンルは短編の時と同様である。
「けんちく」 の一般教養への昇華、究極の建築:映画制作へ - 総括
以上が「けんちく学園」の全貌である。この記事を読んだとしても誰もやらないと思うのでこの記事は無料公開する。5つのフェーズを通して「けんちくエリート」を育成し、チームヨコヤマを作って映画制作することが真の目的である。しかしそこまでの4フェーズは社会的に意義のあることだと思っている。この計画の実行へ向け、一つ一つのことを着実にこなしていきたい。
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