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かいるんのゆるい読書ログ

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読んだ本について、好きな文の記録とか感想とか
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テヘランでロリータを読む・読書ログ

テヘランでロリータを読む・読書ログ

イラン出身の女性英文学者による、イスラーム革命後の激動のイランで暮らした18年間の回顧録。ヴェールの着用を拒否し、大学を追われた著者はみずから選んだ優秀な女子学生7人とともに、自宅でイランでは禁じられた西洋文学を読む秘密の読書会をはじめる。革命後のイランは、生活の隅々まで当局の監視の目が光る一種の全体主義社会となり、とりわけ女性は自由を奪われ、厳しい道徳や規則を強制される恐怖の毎日だった。イスラー

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老人と海・読書ログ

老人と海・読書ログ

「老人と海」 ヘミングウェイ 1952年

⚠︎ネタバレ含む感想

鮫が近づいた時点で、なんとなく察しがついて放心状態で通常はさっさと諦めてしまいそうなところを、老人は最後の最後までもてる限りの抵抗をしたあたり気高くて結構好きなんだけど、それは敵でありながら友と認めた存在の死を守るためだったのかなと思った。

最後がめっちゃ好き。皮肉が効いてる。
ヘミングウェイは最後のあのシーンを書くために、こ

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宗教の現在地・読書ログ

宗教の現在地・読書ログ

宗教が絡んだ問題が、世界の現実に対して無視できない影響を及ぼしている。宗教の観点から世界を俯瞰する、それがこの本の趣旨だ。

宗教の現在地

今回は読みながら学んだ点についてまとめてみた。

人間の思考において理性が中心的な地位を占めるようになった啓蒙主義の時代以降でも、こうして宗教はしぶとく生き残っている。
死について考えるときは、どうしても啓蒙的理性の外側に出なくてはならない。人間は例外なく死

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堕落論・読書ログ

堕落論・読書ログ

どうも、かいるんです
これまでInstagramの方でゆるく読書感想文を書いてたんですが、せっかくなんでそのままnoteにと。インスタの方でこれまでの纏めてるんで、もし良ければ

堕落論 坂口安吾 1906-1955

文学、歴史、文化、芸道、戦争など様々な角度から日本人の精神分析がなされてて勉強になる。
藤原氏や将軍家にとって何故天皇制が必要で、何故彼ら自身は主権を握らなかったか。そして天皇制

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暇と退屈の倫理学

暇と退屈の倫理学

*るんさん初めて書評を書いてみることにしました。事前に書き方とか調べたけど如何も事前に考えれば考え過ぎる程馬鹿になってくるタチなので書評“らしきもの”を書いてみます。仕上がりが読書感想文になるかも知れませんが,一応書評を意識して書くつもりで始めます。では;)

⚠︎第四章について取り上げているので,第四章だけ軽くネタバレ含みます。

暇と退屈の倫理学  著 國分功一郎

世界には沢山の物に溢れてい

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