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会計初心者のための会計学習方法とオススメの簿記・会計テキスト

「会計の勉強をしようと思っているけど、どう勉強したら良いかわからない💦」

「会計テキストが多すぎてどれが良いかわからない」

こんなお悩みにお答えします!

会計の学習を進めていられる皆さんは何のテキストを使っていますか?

Amazonで検索するとたくさんの会計関連書籍があってどれが良いかわからないですよね😅

私は、普段、大学生に簿記・財務会計を教えています。

学生からオススメのテキストを聞かれることもよくあります。

本日は、会計学者の視点から、財務会計の学習方法とおすすめテキストをご紹介します。

財務会計は大きく①簿記、②財務会計論③財務諸表分析に分かれます。

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全て紹介すると、記事な長くなるので、①簿記②財務会計論絞ってお話しします。

※財務諸表分析については、以下の記事をご覧下さい。

財務会計の3分野

財務会計は企業の経済活動を貨幣額(お金)に換算し、その情報を集約して企業外部に伝達することを主たる目的としています。この財務会計の前提にたって、大きく、①簿記②財務会計論③財務諸表分析の3つの分野に分けることができます。

①簿記



簿記では財務諸表作成システムの学習を行います。具体的には、企業の経済活動を仕訳し、勘定に集約します。損益計算書と貸借対照表などの財務諸表を作成することが最終的なゴールになります。


②財務会計論

財務会計論では、仕訳や財務諸表の表示方法の理論的背景や、その手続きのベースになっている会計基準について学習を進めます。

③財務諸表分析



財務諸表分析では、作成された財務諸表の解釈や会計情報を活用した企業分析の方法を主として学習します。


財務会計学習の全体像と学習方法

会計初心者にとって、財務会計の学習の全体像をまず理解しておくことは非常に大切です。

いわば、学習の全体像は「地図」の役割を担っています。今、自分がどのレベルにあるのか、そして次に何を学習すればいいのかを把握しておくことで効率的な学習につながるはずです。

下図は、財務会計論の全体像を要約したものです。

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会計は事業の言語ともいわれますが、その通りで、財務会計の学習は、英語の学習に非常に似ています。

英語では、①単語の意味、②文章の組み立て方(分法)、③文章の解釈を中心に学習していきますが、会計の学習もそのプロセスの通りに学習していきます。

まず、企業の経済活動を勘定と呼ばれる項目に集計していくわけですが、これら専門用語をしっかり知ることが大切になってきます。また、財務諸表の書式や表示方法にもルールがあるので、それを守って作成していきます。

それらのルールは文法の学習になぞらえます。英語と同じように文法の学習が大切です。

そして、最後に、解釈方法の学習をしていきます。

英語は毎日コツコツと学習を続け、日常生活で実際に英会話などの実践を行っていくことが重要になります。

会計も同様です。まず基礎的な学習を通じて会計の理解を深め(知らない勘定を覚え、文法を学ぶなど)、実際に財務諸表の作成を行う問題演習を行う)、そして、実際の企業の財務諸表を読むなどの実践によって効率的に学習を進めることができます。

👇会計初心者のための財務諸表の読み方についてはこちら👇


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有料マガジンになりますが、定期的にクイズを追加していく予定なので、早めに購入するとお得になります。
なお、クイズ追加ごとにマガジンを値上げする予定ですので、ご了承下さい。


オススメの簿記テキスト

簿記学習は長い道のりになります。

そのため、何よりもモチベーションが大切になると思いますので、個人的には日商簿記検定の取得(会計初心者は日商簿記検定3級の取得)を目指して学習すると良いと思います。

日商簿記検定用のテキストは無数にありますが、その中でもオススメのものをご紹介したいと思います。

2022年最新版の簿記テキストは以下の記事でご紹介しています。

①日商簿記検定3級レベル(会計初心者)

・『【検定簿記講義】3級商業簿記〔2021年度版〕』(渡部裕亘・片山 覚・北村敬子、 2021年、中央経済社)

・『【検定簿記ワークブック】3級商業簿記』(渡部裕亘・片山 覚・北村敬子、 2021年、中央経済社)

定番テキストの1つです。大学教授が執筆している日商簿記検定用の簿記テキストで、毎年更新されています。最新の検定試験に適応した更新を行っているので、日商簿記検定3級の合格を目指している方や簿記初心者の方にオススメです。ワークブックにはテキスト各章に関連した問題が豊富に収録されています。合わせて学習すると効果的です。解答用紙も中央経済社HPからダウンロード可能です。


・『スッキリわかる 日商簿記3級 第12版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)』(滝澤 ななみ  (著)、2021年、TAC出版)

・『スッキリうかる 日商簿記3級 本試験予想問題集 2021年度』(滝澤 ななみ  (著)、2021年、TAC出版)

こちらは、簿記テキストを中心に執筆している著者の書籍です。解説が豊富でテキスト単体としてわかりやすい内容になっています。こちらも日商簿記検定対応の基本テキストとしてよく大学などで利用されています。また、別売りの本試験予想問題集は、「予想問題9回分 」+ネット試験の模擬試験プログラム付と試験用の問題数が豊富です。



②日商簿記検定2級レベル(会計中級者)

先ほど、紹介したテキストの日商簿記検定2級版がオススメです。それぞれ問題集もありますので、そちらもぜひ活用してください。

・【検定簿記講義】2級商業簿記〔2021年度版〕(渡部裕亘・片山 覚・北村敬子、 2021年、中央経済社)


・『スッキリわかる 日商簿記2級 商業簿記 第13版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)』(滝澤 ななみ  (著)、2021年、TAC出版)


③日商簿記検定1級レベル(会計上級者)

『【検定簿記講義】1級商業簿記・会計学(上巻)〔2021年度版〕』(渡部裕亘・片山 覚・北村敬子、 2021年、中央経済社)


『スッキリわかる日商簿記1級 商業簿記・会計学 (1) 損益会計編 第9版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)』(滝澤 ななみ  (著)、2021年、TAC出版) 


会計基準/会計理論/財務会計論のおすすめテキスト

①会計初心者へのオススメ

財務会計・入門〔第14版〕』(桜井 久勝・須田 一幸、2021、有斐閣)

財務諸表の作成までの一連のプロセスを網羅的かつ簡潔に説明している会計初心者にとってオススメのテキストです。この1冊で、会計基準・会計理論を包括的に学習することができます。テキストも定期的に更新されますので、最新の会計基準の解説にも触れることができます。


【新版】財務3表一体理解法』(國貞克則、2021、朝日新書) 

上記の書籍が難しく感じる方は、まず財務諸表の全体像を理解するテキストがお勧めです。こちらは、理論的背景の解説は少ないですが、その分、わかりやすさを追求したテキストで、簿記学習の理解を深めるために会計初心者にとってオススメのテキストになっています。また、財務諸表分析への前段階としても非常にオススメです。


②会計中級者以上へのオススメ

新・現代会計入門 第4版』(伊藤 邦雄、2020年、日本経済新聞出版)

会計2大テキストの1つです。一橋大学特任教授の伊藤邦雄先生が執筆しており、日本の会計基準の変遷やIFRS対応などを包括的に解説されています。また、事例も豊富で実際の企業事例を確認しながら、会計の見方を学習することができます。


財務会計講義(第22版)』(桜井 久勝、2021年、中央経済社)

会計2大テキストの1つです。公認会計士・監査審査会会長の桜井久勝先生(元神戸大学教授)がしぴつしており、最新の会計基準をフォローしており、財務会計の全体像を網羅的に理解できるテキストです。数値例と仕訳をベースに、取引・事象の財務的影響について詳細に解説しています。




本日のまとめ

本日は会計学の学習方法とオススメのテキストについてお伝えしました。

①会計学の体系

①簿記、②財務会計論、③財務諸表分析の3つがあります。

②学習方法

英語の学習に似ています。専門用語を把握し、会計ルールを学習し、実際の企業の財務諸表を読むなどの実践によって効率的に学習を進めることができます。

③簿記と財務会計論のオススメのテキスト

簿記:【検定簿記講義】シリーズ、スッキリわかるシリーズ
財務会計論
会計初心者『財務会計・入門〔第14版〕』『【新版】財務3表一体理解法
中級者『新・現代会計入門 第4版』、『財務会計講義(第22版)

こちらの記事が皆様の学習に役立つととてもうれしいです。

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