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いまさら聞けないストック・オプションのキホン

(最終更新日:2022/8/15)

今回はストック・オプション(以下、SO)のお話です。
ベンチャー企業に入ると付与されることも多いSO。色々種類があってよくわからない、何が違うの?という方も多いはず。
そこで今回は、SOの種類について簡単に纏めてみました。

SOの概要・種類

SOとは「一定の条件を満たした際に、株式を安い価格で取得できる権利」で、会社業績に対する従業員へのインセンティブ付与・モチベーションアップ目的で制度設計されています。

こちらのサイトに基本的な事項がきれいに纏まっているのでご参照ください。SOICOさんのサイトはSO関連コラムが充実しています。

主に、種類として以下の4つがあります。上記には載っていませんが、内容の違いを筆者目線でまとめてみました。

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筆者作成

ベンチャーでは基本的に税金が優遇される税制適格SOを前提に設計がされますが、割当対象者の範囲が役員又は使用人に限定されること、権利行使により取得する株式総額が一人当たり1,200万円以下などが要件となっているため、会社によっては社外協力者への付与のため、あえて有償SOを発行するケースなどもあります。

また、そもそも公開前規制として、
直前々期(N-2期)以降の株式・新株予約権の発行は開示対象になる点
直前期(N-1期)以降の株式・新株予約権の発行は継続保有義務が発生する点
も基本として抑えておきたいですね。


もっと深く学びたい人へ

スタートアップ界隈、CFOのみなさんを中心に、SOをはじめとするインセンティブプランについて、非常に有用かつ読み応えのあるnoteが増えています。
基礎がある程度わかっている方は、こちらを読むのをお勧めします。


インセンティブの観点から

ベンチャーに関わる人材にとって、SOはインセンティブとなり得ますが、

SOを付与される従業員が、どのような権利であるかしっかり理解すること

がもちろん大事です。制度設計側としても、しっかり従業員向けの理解を促すよう、周知徹底しましょう。

転職する際の注意点

一般的にベンチャーに転職する際には年収が落ちるため、その穴埋めとして使用されるケースが多く見受けられます(例:現状年収1,000万円→800万円+SO)。
その際注意したいのが、SOの期待値です。
基本的にIPO時の想定時価総額×%で自分の懐にいくら入るかの大体の金額がわかるため、例えば想定時価総額1,000億円×0.1%でも想定時価総額100億円×1%でも期待値は同じになります(税金除く)。1%程度もらうのはマネジメントポジション周辺じゃないと厳しいかも。
ですので、%の比率も大切ですが、この会社はどの程度まで伸びるか?ターゲットとしている競合企業・類似企業などはどのくらいまでスケールしているか?をイメージしておくことが大切です。
(2022年現在のマーケット環境だとどのインダストリーもマルチプルが下がっており、夢がないかもしれませんが、、、)

読んでいただきありがとうございました。


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