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あらゆる経営苦境を乗り越えるための10のチェックリスト

FOTO:Karsten Winegeart

お久しぶりです。kaffee723です。

最近、経営コンサルの仕事をしていく中で日本の中小企業の大半が倒産または倒産予備軍という実態を目の当たりにしていて、私自身も駆り出されている中で、「苦境を乗り越える」ことについて簡単にWiki的にまとめておきたいと思い誰でも簡単にアクセスできるnoteを開きました。

「苦境」の前提

苦境にも色々ありますが、ここでは会社が倒産しかけている状況や場面を想定して記述します。倒産しかけている状態とは具体的にはキャッシュフローが悪化している時です。
キャッシュフローが悪化する要因を探りつつ、次に財務体質の改善までカバーしてみたいと思います。
また現実にキャッシュフローが悪化していない場合でも今ひとつ突破口が見えない時でも役に立ちます。簡単に経営改善できるのでやってみてください!

苦境に陥った際のチェックポイント

まず初めに苦境に陥る原因を知らなければなりません。
意外に思われるかもしれませんが苦境に陥るということは全く原因がないわけではなく、ちゃんとした原因があります。ここで簡単にリストアップしておくのでできれば全部見ておいてください。


  1. 時間管理

  2. タスク管理

  3. 目標管理

  4. 整理整頓

  5. 掃除

  6. セルフマネジメント

  7. 定期的なブラッシュアップ(メンテナンス)

  8. マクロ経済対策(経営学的アプローチ)

  9. ミクロ経済対策(経営学的アプローチ)

  10. 資産形成管理

(上のリストはコピペして使ってください)

1.時間管理

*時間管理はどんな経営者に対しても当てはまる項目なので、少し細かく記述しておきます。

一般的に苦境に陥る原因は時間管理が行き届いていないか、コントロール不能に陥った時です。仕事が大量に舞い込んできて収益はあるのに時間がないといったケースでも実は似たようなインパクトが起こります。
収益が悪化しているケースではもちろん単に優先順位が立てられていない=経営管理ができていない状態だからですのでわかりやすいケースです。
それ以外でも細かいことは多々色々あるかもしれませんが、基本原則に立ち返ると「優先度管理」は経営実務の最重要タスクの1番目ですからそこが甘くなると時間管理ができなくなります。優先度とは選択と集中なので=経営戦略となりますし、経営戦略の管理は経営者にとって日常業務の最初にくる重要項目だからです。
他方収益があるのに時間がない場合も直ちに危機はないかもしれませんが徐々に蝕んでいきます。生産効率が下がったり市場変化に耐えられないといった事態を招くからです。これらの直接の原因としてはバッファーを設置できていない、業務効率化が捗らない、デジタル化が間に合っていないなどです。

対策

ケースAとして優先度管理については特にあえて言及するまでもないので当てはまる方はそのまま改善していただくので良いと思いますが、問題はどちらかといえばケースBです。収益が上がっているのに時間がない。
実はこちらの方が結構厄介です。
収益が上がっているということ=優先度管理は行き届いているわけですからまぁ経営管理の基本は成立しているわけですから根本的には問題ありません。では何が厄介かというと直ちに問題がなさそうに見えることが厄介なのです。
意味としては時間のバッファーがあればあるほど「急ぎではないが重要なこと」に専念できるとお考え下さい。経営はいくら光を当てても10m先は闇という深海の世界と同じです。向こうに脅威があったとしても完全に把握し切れるわけではありません。なのでじっくりと将来に備える時間を取れることは経営者にとっては最大の理想的状態なのです。
収益が上がっていて税金も払えているだけだとA,B,C評価ではBかB+くらい。Aは何かといえば時間的余裕が持てること。
そのためには資産形成の考え方も必要かつ重要だということです。BかB+の段階の方はぜひ次のステップを踏んでいただきAになっていただきたい。
時間的余裕を作る方法は色々ありますが、一番簡単な方法はデジタル化です。デジタル化できなければできないほど時間的余裕はすり減ると考えてまず間違いありません。可能な限り時間優先が経営の大原則です。極論ですがお金がなくても時間があるという状態の方がある意味有利な場合もあるくらいです。利益が出るまではガッツだけである程度成長しますが、早晩ガッツだけでは持たなくなるという時期に差し掛かるので体力勝負任せにせず、可能な限り早い段階でデジタル化してください。
資産形成も時間の積立が基本です。時間を貯金するのとほぼ同じ。時間節約は資産形成の第一ステップなんです。いくら利益を出していてもいつどうなるかわかりませんからそこを無視せずに次のステージには上がれないのです。
むしろ、時間が開けば開くほどその空いた分だけ利益になるチャンスが色々と舞い込んできます。アポイントが増えたり人脈が広がったり、勉強して鍛えておくことや冷静に次のフェーズについて見つめ直す時間を取ることも可能になります。
実はプロ経営者と経営入門者の差はここにあります。経営期間がまだ短い方は営業利益を出すために日夜働くことになるので当然といえば当然ですが、その段階から次のプロ経営者段階である「時間もお金もある」状態にするには意外にもこの<時間の余裕を作る工夫>がミソだったりします。
もちろん新入社員じゃあるまいし通常タスクもこなせていない段階で時間の余裕など悠長なことを言ってもらっても流石に困りますが、収益が上がっている状態で時間がないのは単純に将来に備えられていないという意味でリスキーです。なるはやで何か解消法を見つけると良いです。

私の場合は、どんなに忙しくても1日10分の瞑想と10分のタスク整理、10分のコーヒータイムをしています。合計30分です。いくら大統領並みに忙しい人でもそのくらいはできるし、できないとなると何かメンタル的な問題を抱えていることを疑います。ちなみに10分の瞑想は脳内から不安や恐怖などの原因になる余計な情報を削ぎ落として冷静客観的に物事の優先度をつけるためで、10分のコーヒータイムは消耗した脳を回復させる時間。
無用の用です。尚この時間はどんなに忙しくても仕事はしません。

2.タスク管理

タスク管理ができていないのは単にリストアップ未遂がほとんどなのでこれも書くほどのことではないかもしれません。普通仕事している人なら誰でもタスクリストをEvernoteや手帳などで管理しているはずなので考える必要はないはずなのですが、強いて改善策をいえばTrelloやSlackなどでクラウド化することで二重チェック三重チェックすることができます。
ただSlackはあくまで一次元チェックなので流動的です。プロジェクト管理などのストックには向いていませんのでやはりTrelloを導入した方が良いでしょう。

3.目標管理

ここはヴィジョンやミッション、バリューなどにもよるので経営管理と一括りにするのは難しいです。目標管理だけで考えていいのは従業員サイドですので、経営者側が考えるときにはもちろん全体の経営を俯瞰し立ち位置などを明瞭化した上で目標管理をしていくことが課題になっていきます。
創業したて(おおむね2期目まで)のベンチャーは立ち上げ当初は採算性や事業性の成立が最優先なので築城に専念していただいても良いのですが3期目からはミッション、ビジョン、バリュー(価値観)も考えなければなりません。
経営者にしてそれらも含めた上での目標管理です。
なぜならマーケティングにしてもバリューによってストラテジーが変わるからです。例えば都市的なバリューを優先しているのに田園地域に出店しても仕方ありません(例外はあるかもしれませんが)。逆に牧歌的ならば都市に出店するのは面白いかもしれません。このように出店地域や店舗数でさえもバリューに必ず紐付いてくるので最低でもバリューは固めておく必要があります。

ミッションは実際に何を提供するかのWhatやHowに影響があります。例えば先進医療で人々に安心を与える医療ビジネスがミッションなのに世界大戦前の対症療法を提供するのでは周りから見ていてもまるでやっていることと言っていることがチグハグです。
ビジョンは経営計画に直接影響があるし、バリューはマーケティングに直結しています。

経営者にとっての目標管理というのはこのようにミッションビジョンバリューによって定義づけられるので、経営者が目標管理する際はこれらを参照することからスタートしてください。
特に、時代の変遷が激しい今、より長期に存続するような価値観を設定し直す必要があったり、ビジネスモデルや商品自体を刷新することが求められます。いくら歴史があってこだわりがあっても売れなければビジネスとして成立し得ないので趣味としてはいいかもしれませんが仕事にはなりません。
なので、目標達成が著しく達成できていないケースではこれらの経営上の最上位概念から見直すことをお勧めします。

4.整理整頓

今からほんの5年前までは会社の本店所在地がフィジカルに必要でした。その目的はおおよそ情報管理のためです。そして、情報資産は会社経営の最大のリソースの一つです。経営管理=情報管理であると言っても過言ではありません。ですので、ERPを考えるならばまずは情報管理から始めてみてはいかがでしょうか。今はアプリケーションの大半がトライアル期間無料で使えることも多いので色々試してみて、これがいいと思ったらそれを使い続ける。案外入りは難しくありません。
ただ、企業規模にもよりますが大体従業員が10人以上の規模になってくると組織的かつ体系的な管理システムを独自に構築していく必要があるのでその手に詳しいコンサルタントをつけた方がいいでしょう。

加えて、感覚値ではありますが業績悪化の原因の第四位はこの情報管理にあります。書類(データ)がどこに行ったかわからない、情報更新が遅れている、もそうですが、サーバーのバージョン更新をしていない、定期的なデータベースメンテナンスを怠っているなどもその類型ですね。これも立派な業績悪化の原因になります。
書類についてはさまざまな意見があるかもしれませんが、小さなベンチャーであればGoogle suiteで十分です。検索も容易でアクセス管理の設定も簡単にできますから、何もこだわりがなければGoogleでいいでしょう。

5.掃除

掃除は昔から言われているように掃除の出来によって収益が決まります。掃除が行き届いていない会社は潰れる傾向にあるので毎日少しでもいいので掃除をしてください。
実際収益が伸びている会社の共通点にはもちろんタスク管理や社内システムの充実もあるかもしれませんが、案外見落とされがちなのはこの「掃除」です。これも成長し続ける企業のコツの一つだと思います。
すでに掃除しているよ!というところは収益が上がっていると思いますが、掃除用具を定期的に新しく交換する、掃除を交代制にするといったこともすごく良い仕組みだと思います。備品管理が行き届き社員のモラルも向上して一石二鳥ですよ。

6.セルフマネジメント

ここからは社長自身の個人の問題です。
これも案外見落としがち。ですが、会社とはそもそもほとんどの領域が社長次第です。成長も衰退も全てです。もちろん進退極まるときの判断も社長自身がしなければなりません。
いわば会社の状態は社長の脳内の状態なんです。
会社の状態を見たら今の自分の内面状態だと思ってください。
ですので何かやばいと思ったらまず内省に力を入れてください
当然、自身のメンテナンスやマネジメントが行き届いていなければ会社のメンテナンスもマネジメントも行き届いていないという結論になります。
ですので、掃除も整理整頓もして、時間管理もできている、目標も、ミッションもビジョンもバリューもしっかりと見直しました!でも良くなりません!(ってことは実は相当大成長を迎えるタイミングにきているはずです!おめでとうございます!)って方はぜひ内省にこだわってみてください。

どういうことかというと名社長と呼ばれる人は全員と言っていいほど自社仏閣での瞑想はもちろんやっていますが、<人間関係>について疎かになっているケースがたまに潜んでいます。
男女関係もその一つです。どうしても社長というのはストレスが従業員の数億倍。プレッシャーも数億倍です。従業員しかやったことがない人がいくら経営コンサルタントを名乗っても経営のことは一つも分かりませんし経営者の気持ちは1mmもわかりません。
ですから、普通社長というとまず孤独なのですね。それでついつい男女関係を疎かにしてしまう方が多いように見受けられます。気持ちは痛いほどわかります。でも、やはりダメです。笑
理由は色々あります。当然リークされて弱みを握られていらない商品を買いこまされることもあったり、男女関係のトラブルが原因でメンタルがやられて業績が落ち込んだりすることもザラです。仮に公にして大丈夫な関係にあったとしても、パートナーシップを蔑ろにする人に本当にいい仕事は舞い込んできません。もちろんお付き合いしていないよ、という方はその限りではありません。しかし、すでに関係をお持ちの方がいい加減にするとそれが経営に与えるダメージたるやもう悲惨です。飲みすぎて帰れない日が続いたりってこともあるでしょうね。社長が元気がないと従業員も元気なくなります。
反対にパートナーシップが良好だと本当に色々助けてくれたりする(逆に保身的で助ける気のないパートナーはそもそもやめた方がいいです、そういう人は基本自分のことしか考えていませんし、少なくとも経営者のパートナーには向いていません)ので、強みになることもしばしば。
まだパートナーいないよ!という方は是非ともパートナーを掴んでください。あたりがいいと急に飛躍したりすることがあり(私はそういうパートナーをエンジェルパートナーと勝手に呼んでいます笑)ますし、そもそも生物というのは子孫を残すようにプログラムされており某心理学者曰く無意識の大半はそのプログラムに支配されていると申しております。
まぁそこまでのことは言いませんが、リフレッシュしたり、落ち込んでいる時にそっと支えてくれるパートナーというのは人生の彩を豊かにしてくれる必須栄養素の1つだと思ってください。
確かに大変なところもあったりしますが、人間的に落ち着いている方というのはなんとなくの魅力として滲み出るものです。社交の幅も広がり人生に大きな変化をもたらしてくれるのは間違い無いでしょう。
しかし、いい加減なパートナーシップは逆に経営を悪化させる原因になりがちなのでできれば控えてくださいね。特に自分の気が大きくなっている時やひどく落ち込んでいる時ほどパートナーシップが蔑ろになりがちです。
ちゃんとした大人として男女関係にも節度を持ちましょうね。

7.定期的なブラッシュアップ

突然ですが私の周りにいたお年寄りはプログラミングのプロだったりAIに精通していたり、海外によく行かれる方が多いです。
そういう方々に限って資産家になります。
80になっても中性子や重力波の研究に貢献する大学教授などもいました。


この根拠として、体力は全員平等に衰えますが、脳は何歳になっても鍛えられるからです。これについては最近、脳科学者も認めているくらいです。

脳にはまだまだわかっていないことが無数にあるらしいのですが、最近やっと「認知症は治るか、もしくは確実に予防改善が可能な疾病だ」ということをアメリカのリハビリセンターの医師が最近公言しました。

また少し話は変わりますが脳の凄さを伝える上で例えばひどい損傷がある人でも、一定レベルまで脳が再生することもわかっています。


脳の可塑性
脳の可塑性は、ノルウェーの神経解剖学者のAlf Brodaが自分が脳梗塞になった体験から、 1973年に唱えだした比較的新しい概念です。脳の細胞は一度失われる2度と再生することはありませんが、脳への刺激により、脳細胞の配列が変化し、損傷していない部位が壊死した細胞が担っていた機能を代替し、運動の記憶が戻る、つまり運動機能が回復されていくという理論に基づいています。
引用元:脳梗塞リハビリセンター

つまり、目が悪くなるなどの肉体の衰えはあってもどうやら脳はそう簡単に衰えないらしいのです。(ただしストレスホルモンを止める機能は低下するらしいです)

私も脳科学者たちの論文を通して私の周りのお年寄りがスマートさをいつまでも失わないことに腑が落ちました。これは希望がありますね。

反対に、入居者のいない家の劣化が早いのと同じで、脳も使わなければ歳は関係なく衰えるのだそうです。脳年齢と肉体年齢は相関性がありそうで実はあまり無いということを先ほどの脳科学者が言っていましたが、要は使えば使うほど脳は維持できるということです。

そして、経営者というのはナレッジワーカー中ではAIの研究者並みに最高位のポジションな訳ですから、税法の改定や医学論文だけでも良いので普段から触れておくようにしてください。新しい発見や視野の拡張は心身若返りの秘訣です。
いつまでも若々しく健康であるためにも、経営の環境変化に適応するためにも、いつも勉強だけは欠かさないでくださいね。それは、経営者に限ったことではありません。
かつて経営というと財務会計がわかればいいという世界でしたが、今は会計や申告決算の類の転記作業が自動化した代わりにITが共通の教養科目となりました。1の時間管理と合わせて考えておくと良いのですが、昔簿記3級が誰でも取っていたのと同じで、今もITパスポートくらいは取れるように勉強するなど、誰にでも年齢に関係なくできる努力はいつの時代もあります。

8.マクロ経済対策(経営学的アプローチ)

マクロ経済の理論は経営者なら誰しも通る道ですが、マクロ経済の変化への対応や適応は千差万別で大学の教科書通りにはなりません。
従って、ミッション、ビジョン、バリューと共に戦略とマーケティングについてもある一定のレベルまでは理解しておく必要があります。
戦略とは、最終形態としては具体的にどのようにミッション、ビジョン、バリューをこなして目標達成するかについての行動計画のことです。
目標達成が芳しくない場合、ミッションビジョンバリューと共に戦略、マーケティングを同時期内に考えておく必要があります。
特に従業員がいるのに達成割合が良く無い場合、戦略が間違っているケースがほとんど。従業員は案外それに気づいていたりしますが皮肉なことに社長側が気づかないことの方が実は多いのです。

理由はいろいろだと思いますが、一番は遊びに行っていない。基本的に遊びに行かないと戦略は思いつきません。反対によく遊ぶ社長(クライアント様に登山家の方がいらっしゃいますが、遊びと称するべきかはわかりませんが仕事に直接関係なくてもアウトドアやフィールドワーク系は効果覿面でしょうね)に限ってスマートな戦略を思いついたり意思決定が速やかだったりするのは、おそらく定期的にリフレッシュして冷静に物事を判断できる心のバッファー(=和訳すると「あそび」になる)があるからだと思います。

*ゆめゆめ男女遊びでバッファーを作ろうとせずキャンピングや釣り、温泉などで心のバッファーを作ってくださいね。余裕を生み出すには利害が関係ないところでやることが肝要ですから。

もう一つ、よく遊ぶ社長がスマートな戦略を生み出すのはおそらく市場感覚が研ぎ澄まされたり最新の情報が入ってきやすいからだと思います。一昔前まではそれがゴルフだったのかもしれませんが、利害の関係のあるところで純度の高い情報を得るのは至難の業です。営業活動の一環としてはいいと思いますが、戦略を編み出すには少々向いていないように思います。それなら、フェリーに乗ったりたまにはいつも行っていない国に行ってみるなど脳に刺激を与えるタイプの遊びを推奨します。

これが、マクロ経済対策になるかといえば怪しいところもあるかもしれませんが、経営者というのは通常基本的に経営学はすでに一通り学んでいて初めて経営者ですから、学ぶことよりも遊ぶことが比較優位に立つわけです。

9.ミクロ経済対策

経営でいうところのミクロ経済というと有体にいえば最終的には顧客との取引や営業活動になります。
営業活動はマーケティング実務の一環ですから究極マーケティング戦略によって付加価値の生産効率が決定します。
というより、付加価値そのものがマーケティングと言っても過言ではないので、経営者はその経営実務上はマーケティング戦略と計画について毎日更新しても良いくらいです。
ただ、最近はもう一つ欲しくなるのはコンプライアンスの問題です。コンプライアンスもそうですが、社員が多くなればなるほどモラルハザードリスクも勝手に上がっていくので社員の情報管理については極めて高い慎重度を要求されます。
そういう意味では別働隊が必要になったのはいうまでもありません。
当たり前ですが昔は日本にも法律があまりなく威迫行為や顧客を動揺させて誘導するような気狂いめいた営業も存在しましたが今それをやると秒速で営業停止処分なのでやめさせてください。
そうすると結局はリモートの方が効率的です。というのはZoomやGoogle Meetなどの遠隔面談ツールには録音録画がデフォルトで備わっています。昔の携帯電話はそれをアプリで動作させなければならず導入が大変でしたがクラウド化されている今、ほとんどの企業がリモートで対応しています。

また海外では普通ですがメールやチャットですと証拠も残りますし反対に顧客からの社員へのモラハラ予防になります。モラハラする人はあまりメールやチャットを使わないで比較的証拠の残らない口頭や対面、電話に頼る傾向があるため避けた方が良いです。(最近はどこの国もAI監視が適用されており何かトラブルがあると警察がすぐきますが日本での実装は2025年以降になりそうです)

結局はデータに残せるのが経営側としても最もハイパフォーマンスなのでコンプライアンスを自動的に守れるので電話ではなくオンラインを使いましょう。

10.資産形成

お疲れ様でした。最後は経営者の方に忘れられがちな資産形成についてです。
会社自体がうまく行った=経常益が出たとしても資産が残せなければ経営としてはまだまだ不完全の状態です。
特に日本国籍の場合は否応なく赤字にしないと税金で倒産するケースが跡を絶ちません。また高齢化に伴って相続対策も必要不可欠になっています。
この10年で税金は死ぬほど上がっており実効税率は世界でもかつての世界第二位から第一位に昇り詰める勢いです。
つまり、日本内国法人においての資産形成はすなわち税対策を意味するといえます。
日本国内しか法人をお持ちでないケースでは税対策はほぼ不可能になっています。あるとすれば債務超過になる方法がありますがコストプッシュインフレに極めて弱い(需要が牽引するインフレならむしろ機会で国政もそれを意図して増税ないし借入推奨しているのかもしれないが今はむしろ真逆のステータス)ので危険ですし、そもそも財務体質が良いわけではないのでできれば避けたいですね。
よく、昔の会社で「借入返済が信用だ」とおっしゃる方が多かったのですが、今倒産企業の大半がそういう昔ながらの信用定義で経営していらっしゃった会社が多いのです。

そもそものツッコミですが、「借入」や「信用」はツールであって目的なのでしょうか。「信用」は確かに顧客との取引をする上で追い風になるのであった方がいいのはいいです。しかしそもそも「借入返済」をするために会社経営をしているんでしょうか。いつの間にか目的と手段が入れ替わってませんか。

経営というのは会計論でいえば結局は全てNNVの一言で完結ですよね。

だとしたら借入返済はただのレバレッジツールでしかないと割り切ることはできないでしょうか?
私なら財務指標として自己資本比率が80%を超えないと危険な会社経営をしていると感じてしまいます。安全指標、成長指標両方をバランスよく見て、最終の意思決定をしたいものです。

そして話を元に戻すと資産形成というのはこの財務諸表(B/S)に帰結します。

もちろん日々の業務はP/LかC/Sなのはわかっていますが、長期継続は経営の共通の目的地でもあります。なぜなら経営継続しないならば自営業でプロジェクト管理で十分だからです。しかしフリーランスでさえも長期継続が前提にないとすぐに息切れ、失速します。
どういう価値観にせよ長期継続を前提に計画を立てなければ経営にはならない。そこで登場するのが資産形成の考え方です。

資産形成の考え方は大きくは2つ。環境と金利です。

環境はファンダメンタルズに代表されどの国や地域で営業するかといったリージョンの考え方。これは税制も関連しているからです。

金利は最終はやはりアセットアロケーションのパフォーマンスで概算として結論づけることが可能です。自社の運用パフォーマンスはどの程度なのか、という観点ですね。

この2つの視点から自社の経営環境と利率やEVを考える。
これが苦境を乗り越えるタスクリストの最後としてふさわしいのではないでしょうか?


まとめ

いかがでしたか?
もちろんですがチェックの順番は1から10までの冪順で見てください。上に行けば行くほど緊急度が高く、下に行けば行くほど緊急度は下がりますが重要度はいずれも変わりません。

大体、経営が立ち行かなくなる場合はこれら1から10のいずれかが抜け落ちているか、何らかの理由で抜け落ちてしまったケースです。

ここにはメンタルヘルスは記載しませんでした。また人間関係においてのトラブルが要因で落ち込むケースもあります。ただし、あえて書かなかったのは理由があって、それらは案外外的要因によるものだからです。

外的要因を変えるのは非常に骨が折れる上にコントロール不能なことが多いので、書かなかった、言い換えれば自分一人でもコントロール可能なことに集中していただきたいのでこういう内容にまとまったわけです。

当たり前ですがコントロール不能なことは置いといてください。
それは人生上どこかで解決するかもしれませんが経営のこととは明らかに別問題です。
それを言い出すと経営者としてやっていくべきか否かの問題になってしまい私では手に負えないですしどちらかといえばカウンセラーの仕事だからです。

もちろん経営をしていくと決めているがうまくいかないところがある、ということなら私も対応が可能ですし一般的に経営コンサルを名乗る人は全員こういうことがわかっていて自分でもできているはずですから、身近なコンサルタントにこれらの改善を頼んでみてくださいね。




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