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ふたり|詩


「ふたり」

遠まわりの帰りみち
きっとそれは夏の海のそば
大好きだよ
足もとの無邪気が
透明な足音を弾ませる

駅のうら揺れる紫煙
素っ気なく逸らした瞳は深く
下手くそだな
相変わらずの強気な弱さが
妙に心地よく今と僕を繋いだ

君たちが会いにくる日は
決まって庭は霧に隠れていて
手のひらを透けて見える景色は
いつだって僕のなかにある

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