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きっと夏を待てなくて|詩


「きっと夏を待てなくて」

凍えた風鈴は庭先で空を見ていた
あと幾つの風が吹いたら
あなたに逢いに行けるのだろう

カリン、と鳴いたその声は
まるでラムネ玉のような淋しさで
どうしたって翔べないサクラに
息苦しくて泣きそうになる

きっと夏を待てなくなって
だけどあなたは何処にもいなくて

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