k2/自治体経営・政策・法務

自治体経営・政策・法務を研究する自治体職員

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【自治体経営】マネージャーって難しい⑪not to do list

自治体の業務を大まかに同じ仕事を皆でやるような業務(税関連や住民票関連などの窓口業務)と各個人が異なる役割持つ業務(こちらは幅広にあります。)と分けた場合に、各個人が異なる役割を持つ業務におけるメンバーの進行管理については、本当に本人が何をしているのかを把握することは難しいなと感じております。 過干渉は、マイクロマネジメントというような批判を浴びてしまいますが、例えば、プロジェクト業務のように、自治体の業務の中でも期限と成果が見えやすい業務であっても、個々のメンバーがどのよ

    • 【自治体政策】近距離移住とワーケーション

      今朝の日経新聞に「近距離移住」の記事が掲載されていました。コロナウィルスの感染拡大などの影響から近距離移住の候補地として神奈川県への注目が集まっており、神奈川県や逗子市、二宮町などの自治体が移住支援策を用意しているとのことでした。また、別の紙面では、岡山県が経済再生に向けて、ワーケーションの誘致に向けた実証実験を始めたとのことでした。 前回のnoteの投稿に関係人口の可能性について、言及しましたが、コロナウィルスの影響で一極集中が是正され、「密」を回避する動きが現実的になり

      • 【自治体政策】「関係人口」を考える。

        「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉であり、地方圏では、このような地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。(関係人口ポータルサイトよおり) 自分自身は、何処かの「関係人口」になっているという意識は、無いのですが、知り合いの職員が関係人口に関わる活動をしているのを知って、これは今後、考えるべきテーマだなと思いました。 交流人口のように、有名な観光名所に行って、その地域の自然や食

        • 【自治体経営】マネージャーって難しい⑩ セルフ・アップ・ダウンマネジメント

          自分と同様に課長や部長などの上司がいて、班員やチーム員などの部下がいる、いわゆる中間管理職が一番難しいなあと日々感じております。 以前のnoteに投稿した「ベルコン上司」のように、スルーパスばかりしている人はいいのですが、上司の要望を探り、部下の仕事と擦り合わせる。また、部下の仕事上の提案を、上手く上層部の意向に合わせられるか判断するなど、気苦労の多い仕事だとも思います。 上司や部下の意向に注視している状態というのは、カテゴライズすれば注意の方向性が「広く外的」に向いている

        【自治体経営】マネージャーって難しい⑪not to do list

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        • 自治体経営を考える
          12本
        • 自治体政策を考える
          2本

        記事

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑨ 要求・要望する側の責任

          自治体で仕事をしていると市民の皆様や市議会議員の方、各種団体の方々から様々な要望を受けることがあります。わかりやすい例でいえば、道路における信号やカーブミラーの設置、騒音等の問題、子育てに関する支援などなど 最近では、直接的な要求や要望ではないにしても、コロナ禍において、3密を避けることや、緊急事態宣言などを行って様々な活動を自粛の機運を高めるなど感染の拡大を防止する「感染防止対策」すべきであるということとコロナ禍で自粛している人の気分を緩和し、これまでと同様に飲食や旅行に

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑨ 要求・要望する側の責任

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑧ 期限と忍耐

          基本的には、仕事のやり方や資料の作り込みは、担当者に任せています。 ただ、①比較的短期間に期限のある仕事を複数こなさなくてはならない場合や、②市長など忙しい幹部職員にポイントだけ理解してほしい場合、③担当者の知識や経験では、最後まで仕事や資料作成が完成しないことがわかっている場合などは、自分でやってしまった方が早い場合が当然あります。 その仕事が進まないと、全体のスケジュールが狂ってしまうことが見えてくると、比較的せっかちな私は、焦り始めてしまいます。 しかし、ここで手を出し

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑧ 期限と忍耐

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑦ 仕事が「できる」人

          目標達成のために仕事を管理する側の人間としては、任せた仕事に対して、「期待以上の成果」、「早期の完遂」などを上げてくれる担当者がいれば苦労はありませんが、現実はそうはいきません。 他部署から異動してきた人について、「あの人は仕事が『できる』人だよ」というような前評判が高い人と一緒に仕事をすることがありますが、仕事ができるタイプにも色々あるなと感じています。 一を聞いて十を知るではないですが、法律や制度をきちんと調べるとともに、課題に必要な情報を集めて資料作りもしっかりできるタ

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑦ 仕事が「できる」人

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑥ 公共的ニーズへの「配分割合」を変えること

          自治体としての目標を達成するための政策形成過程のモデルとして「PDCAサイクル」によって説明することがあるかと思います。計画→実行→評価→改善という継続的な業務改善のモデルということなのですが、このモデルの有用性はさておき、課題解決を説明する手順としては、共通理解をする上で使える部分もあると思います。 具体的には、①何らかの公共的課題が、対応すべき事項として所管課(所管と思われる課を含む)に現れる。②対応策を検討して、調整などを行う。③実施する、④評価するのような感じを説明す

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑥ 公共的ニーズへの「配分割合」を変えること

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑤ 人事評価と納得

          私の自治体でも取り入れられている人事評価制度の運用についても思うところがあります。 私の自治体の人事評価制度は、所属の職員に対して、班長が一次評価者、所属長がニ次評価者となって、評価を行うものです。 その目的としては、組織目標達成のために職員という人的資源の価値を上げるために、人事評価を行うことで、「求められる能力を明らかにする」、「目標のためのベクトルを合わせる」、「人材育成・人事配置の基礎情報を得る」などのことがあるとなっています。 私の立場は、一次評価者ということで、評

          【自治体経営】マネージャーって難しい⑤ 人事評価と納得

          【自治体経営】マネージャーって難しい④ 心理的安全性

          マネージャーとしては、部下に気持ちよく働いてもらうために、日々いろんなことをチューニングしながら、業務遂行の管理を行うことが必要だと考えていますが、中でもこの「心理的安全性」の確保は大事だなと考えています。 この言葉は、グーグルの人事畑で働いていたピョートルさんが「世界最高のチーム」という本で述べています。https://books.rakuten.co.jp/rb/15544555/ 「心理的安全性」とは、「自分らしさを発揮しながらチームに参画できる」という実感のことだ

          【自治体経営】マネージャーって難しい④ 心理的安全性

          【自治体経営】マネージャーって難しい③ ベルコン上司

          マネージャー業務としては、幹部の方向性を予測して、実際の動きにすり合わせたり、また今起きている課題をわかりやすく幹部に伝えたりといった「調整業務」のほか、幹部にあげるべき選択肢のある項目のどちらを上げるのかや、どの部下にどのように実行をしてもらうかと言った「判断業務」もありますが、このような業務遂行に真摯に取り組むことは、本当に難しいと思う日々です。 そのような中、上司からあった課題や部下からの提案を全く判断もせず、そのまま流してしまう班長や課長もいます。サッカーで言えば、ス

          【自治体経営】マネージャーって難しい③ ベルコン上司

          【自治体経営】マネージャーって難しい② 自律的に行動する職員

          人材の育成指針やプランを見ると、これから求められる職員の姿として、「自律的に行動する職員」という表現がされているものがあります。 自ら進んで物事に取り組む「進取の気風」を持つ職員が必要だということなのでしょうが、このようなプランや指針は、「作って満足」、「議会で答弁して満足」という事が少なくありません。 職員の育成をする。=プランを作って、プランの内容を研修する。だけではないのに、言葉を綺麗にまとめることが成果につながるような気になっているケースもあると思います。 数年単位で

          【自治体経営】マネージャーって難しい② 自律的に行動する職員

          【自治体経営】マネージャーって難しい① 今の所感

          マネージャーとは、ある単位の組織をマネジメントする立場の人を言いますが、その組織の単位は、各都道府県、各市町村によって異なると思います。 自分も市役所の課の班長職として勤務していますが、班長には班長のマネジメント、課長には課長、部長には部長のマネジメントがあると思います。 マネジメントと言っても、定義は様々ありますが、私自身は定義というよりも、いわゆる「管理者」というイメージで捉えておけば良いと思っています。 この「マネジメント」って真剣に考えると、とっても難しいと思う今日

          【自治体経営】マネージャーって難しい① 今の所感