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共生の心で繋ぐラマダンの月 ─ 異文化を尊重し、理解を深める一歩を①

私の帯広での生活は、昨年の春頃からシュアハウスでの就労開始を待機するインドネシア人の青年たちと入れ替わりながら、共同生活が続いています。
最近は忙しく職場で仮眠をとることが多くなり一緒に居れないのを心苦しく感じています。

日本の豊かな文化の織り成す社会の中で、インドネシアからの労働者たちは、彼ら独自の信仰と文化を持ち込んでいます。

中でもイスラム教徒にとって、ラマダンの月は特別な意味を持ち、彼らの生活に深く根ざした宗教的な行事となっています。

今週、このラマダンの期間に入りました。この期間は、彼らにとって精神的な浄化と自己反省の時であり、信仰心を試す重要な機会でもあります。

ラマダンはイスラム暦の第9月にあたり、世界中のムスリムが断食を行います。この断食は、夜明け前の食事(スフール)から日没時の食事(イフタール)まで、飲食物を一切口にしないというものです。

しかし、この実践は単に肉体的な制約を超えたものであり、嘘や悪口、揉め事を避けることによって心を清め、他者への思いやりや自己反省を促す精神的な訓練でもあります。

日本で働くインドネシア人ムスリムにとって、異文化の中でラマダンを遵守することは、彼らの信仰を堅持する上での大きな試練です。

日本の社会や職場では、イスラム教の習慣やラマダンの意義に対する理解が必ずしも十分ではないかもしれません。にもかかわらず、彼らはこの聖なる月を通じて、自己の信仰を深め、精神的な成長を遂げる機会を見出しています。

ラマダン期間中の断食は、自己制御の訓練であり、物質的な欲望を超えた精神的な満足を追求する過程です。

日没後に行われるイフタールは、家族や友人、コミュニティとの絆を深める大切な時間となります。

この時、人々は一緒に食事を共にし、一日の断食を通じて得た精神的な経験を分かち合います。このように、ラマダンは個人の精神的な浄化だけでなく、社会的なつながりを強化する機会でもあります。

日本でラマダンを過ごすインドネシア人にとって、この期間は自己との対話の時間であり、同時に周囲の人々との共生を促進する貴重な機会です。異文化の中で自身の信仰を守りながら、周囲との調和を図ることは、相互理解と尊重の精神を育むことにつながります。

ラマダンは、異なる背景を持つ人々が共に生きる社会において、平和と共生の重要性を再認識させてくれる時期なのです。

ラマダンの期間中、ムスリムは日々の礼拝に加えて、夜間に特別な礼拝(タラウィーフ)を行います。これは、コミュニティとしての結束を強め、一致団結して信仰を深めるためのものです。

また、ラマダンの最終10日間には、イティカーフと呼ばれる精神的な撤退が行われることがあります。これは、世俗から離れて祈りと瞑想に専念する期間であり、自己の内面と向き合い、精神的な浄化を図るためのものです。

日本でのラマダンは、インドネシア人ムスリムにとって、信仰を実践し、精神的な成長を遂げるための重要な機会です。彼らは、異文化の環境の中で自己のアイデンティティを保ちながら、周囲の人々との理解と共生を深めています。

ラマダンを通じて、彼らは自己の信仰を堅持し、精神的な充実を追求するとともに、多文化共生社会の構築に貢献しています。

~ 明日に続きす~

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