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地域コミュニティによる外国人支援活動〜全国各地の取り組みと地域差の課題

はじめに

 日本各地で地域コミュニティが外国人支援活動を展開しており、その活動内容や方法には地域ごとの特徴や差異があります。

 地域ごとの取り組みを具体的にみて、地域差についても特にその課題について考えていきたいです。

1. 首都圏の取り組み

①東京都の多文化共生推進活動

 東京都は、日本で最も外国人が多く住む地域の一つであり、多文化共生推進のための様々な取り組みが行われています。東京都国際交流委員会(TIEC)や東京都国際交流協会(TISA)などの団体が、外国人向けの日本語教室や生活支援を提供しています。

東京都国際交流委員会(TIEC)

東京都国際交流協会(TISA)

②横浜市の多文化共生センター

 横浜市では、多文化共生センターを設置し、外国人住民の生活支援や相談窓口を運営しています。ここでは、日本語教室の他に、異文化交流イベントや就労支援セミナーも開催されています。

横浜市多文化共生総合センター

2. 関西地域の取り組み

①大阪市の外国人就労支援

 大阪市は、歴史的に外国人労働者が多く集まる地域であり、外国人就労支援に力を入れています。大阪市外国人就労支援センターでは、就労に関する相談や職業訓練、日本語教室を提供しています。

大阪市外国人就労支援センター

②京都市の多文化交流プログラム

 京都市は、観光地としても有名で、多くの外国人観光客が訪れるだけでなく、外国人住民も多い地域です。京都市国際交流会館では、日本文化体験プログラムを通じて、外国人住民が日本文化を学び、地域に溶け込む支援を行っています。

京都市国際交流会館

3. 北海道の取り組み

①札幌市の多言語支援

 札幌市は、外国人観光客が多い地域であり、多言語支援に力を入れています。札幌市国際プラザでは、観光案内や生活情報を多言語で提供するサービスを展開しています。
札幌市国際プラザ


②帯広市の農業就労支援

 帯広市は農業が盛んな地域であり、多くの外国人技能実習生が働いています。帯広市では、農業に従事する外国人技能実習生を対象に、日本語教育や生活支援を行っています。

帯広市国際プラザ

4. 中部地域の取り組み

①名古屋市の地域交流活動

 名古屋市は、中部地方の中心都市であり、多くの外国人が居住しています。名古屋国際センターでは、日本語教室や生活相談窓口を運営し、外国人住民の生活をサポートしています。

名古屋国際センター

②浜松市の製造業支援

 浜松市は製造業が盛んで、多くの外国人労働者が働いています。浜松市外国人労働者支援センターでは、外国人労働者の就労支援や生活支援を行っています。

浜松市多文化共生センター


5. 四国・九州地域の取り組み

①福岡市の留学生支援

 福岡市は、多くの留学生が学ぶ地域であり、留学生支援に力を入れています。福岡市留学生サポートセンターでは、日本語教室や生活相談、就職支援を行っています。

福岡市留学生サポートセンター

②高知市の地域コミュニティ支援

 高知市では、地域住民と外国人が一緒に活動する場を提供することで、多文化共生を推進しています。高知国際プラザでは、日本語教室や異文化交流イベントを開催しています。

高知国際プラザ

6.地域差の課題について

 地域ごとに異なる取り組みや支援活動がありますが、共通する課題もいくつか存在します。
 指摘したいことは多文化共生を掲げている日本政府ですが、国家としての外国人の生活環境や日本語教育についての立法化がなされないことです。

 このため、特に地方地域での財源も乏しく人員の配置も不十分でボランティアのみなさまに頼っていることは素晴らしいことでもあり、反面、施策が不十分で嘆かわしいことでもあります。

(1)日本語教育の質と量

 外国人が地域社会に適応するためには、日本語の習得が不可欠です。しかし、日本語教育の質と量が地域によって異なります。

 特に地方地域では、自治体の積極性に温度差があり、日本語教室の数が限られており、外国人が学ぶ機会が少ないという問題があります。これは、地方自治体の財源の確保が出来ていないという課題があります。

 オンライン日本語教育の充実を図り、地域を問わず質の高い日本語教育を提供することが重要です。

 例えば、東京都のオンライン日本語教室のように、インターネットを活用した学習プログラムの導入が効果的です。

 各地方自治体でも一元化した全国での学習プログラムがあれば、インターネット環境があれば、全国どこでも無料で日本語の学習ができるという仕組みを構築できればと願っています。

(2)情報提供の多言語化

 災害時や緊急時に外国人が適切な情報を得られるよう、多言語での情報提供が重要です。しかし、地域によっては多言語対応が十分でない場合があります。

 私たちは、今年は北海道での各地域がどうなっているのかを調査対象としています。

 多言語での災害情報提供システムを全国的に整備し、迅速かつ正確に情報を伝える仕組みを構築することが必要です。北海道でいうと、札幌市の多言語支援の取り組みは、他地域への良いモデルとなると思います。

(3)地域住民との共生

 外国人と地域住民が共生するためには、互いの理解と協力が不可欠です。しかし、地域住民の中には、外国人に対する理解や受け入れに抵抗がある場合もあります。

 地域住民と外国人が交流する機会を増やし、互いに理解し合う場を提供することが重要です。

 例えば、京都市の多文化交流プログラムや横浜市の異文化交流イベントのように、地域イベントを通じて交流を深める取り組みが効果的で楽しい思い出ともなります。

(4)地域差を超えた共通の課題

 日本各地の外国人支援活動には、地域ごとの特徴や差異がある一方で、共通する課題も多く存在します。

 これらの課題に対する解決策を模索し、全国的に統一された支援体制を構築することが求められます。ここでのDX化は構築されずにいますが、急いでほしいと思います。

(5)日本語教育の質と量の向上

 外国人が日本社会に適応するための基本的な要素である日本語教育の質と量を向上させることが必要です。オンライン教育を活用し、地方部でも質の高い日本語教育を受けられるようにすることが求められます。

(6)多言語での情報提供

 災害時や緊急時に外国人が適切な情報を得られるよう、多言語での情報提供システムを全国的に整備することが重要です。

 北海道でいうと、札幌市の取り組みを参考に、他地域でも同様のシステムを導入することが必要です。

(7)地域住民との共生

 外国人と地域住民が共生するための理解と協力を促進するため、交流イベントや異文化理解プログラムを積極的に開催することが重要です。

 京都市や横浜市のような成功事例を全国に広めることで、共生社会の実現に近づけるでしょうし、日本人の子供たちにとっても良い未来へのカギとなるきっかけ作りにもなると思います。

まとめ

 これらの課題を解決するためには、地域ごとの特性を踏まえつつ、全国的な統一基準や支援体制を整えることが求められます。各地域の取り組みや成功事例を参考にしながら、外国人が安心して生活できる環境を整備し、多文化共生社会の実現を目指していくことが重要だと思います。

日本は、将来の日本の社会のために、
より良いしくみを構築できるはずです。




オンラインセミナーをありがとうございました🙇‍♂️




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