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入学者の5人に1人しか薬剤師になれない薬学部

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今津です。新宿で書いています。

大学が閉学する話って昨今ときどき耳にします。

でも、それは地方の大学だったり、そもそもあまり人気のなさそうな学部だったりしているものが大半です。

特に大学としては、時代の流れや少子化を踏まえてあまりニーズのなさそうな学部学科をなくしたり、今後ニーズが出てきそうな学部学科を新設したりする動きが随分前からありました。

国際何とか学部や、医療系学部が増えているのは、その流れのためです。

ところが、人気のある学部であっても募集停止を余儀なくされたところがあるのをご存じでしょうか。

2024年4月、兵庫県の姫路獨協大学が薬学部の募集停止を発表しました。

2025年度以降、募集を行わないということです。

以下、ダイヤモンドオンラインの5月23日付記事を参考に書いてまいります。

薬学部は、以前は4年制だったものが6年制となり、さらに新設や定員増が行われてきました。

2006年には44大学45学部だったものが、2024年には59大学62学部となっています。

増えてますね~。

実際に塾説なんかに出向くと、「今度ウチの系列大学に薬学部を設置します!」と声高らかに発表している理事長先生の様子をよく目にしたものです。

こんなに薬学部がたくさん設置されて大丈夫なのでしょうか?

もし親の立場で自分の子どもが薬学部に入ったとなれば、お財布は泣きそうですが顔はニヤニヤしてしまいます。

だって、安定の「薬剤師」になってもらう可能性があるわけですから。(ちゃんと卒業して国試に受からないとタダの人ですけど)

でも、客観的にみると、将来的に薬剤師って余ったりしないのかなあと不思議になります。

実際に、厚生労働省の有識者会議である「薬剤師の養成及び資質向上等に関する検討会」において、2045年には薬剤師が最大12万6千人も過剰になるという推計が公表されています。

また、人気を誇る薬学部においてですら「定員割れ」が起きている大学があるのです。

文部科学省では、2022年8月に「6年制課程における薬学部教育の質保証に関するとりまとめ」を発表しています。

その中で、6年間の在学での卒業率と国家試験合格率が低く、学生が集まらない大学は、今後私学助成金の減額・不交付を行う、としています。

要するに、国によるお取りつぶしも辞さない、ということです。

ダイヤモンドオンラインによると、全国56私立大学薬学部のうち、入学定員充足率が最悪だったのが姫路獨協大学の26・3%で、次いで岩手医科大学の41・5%、徳島文理大学の42・3%でした。

同紙では定員充足率だけではなく、卒業率や国試合格率、さらに経常収支差額比率などを加味した上で総合偏差値を出して、淘汰危険度ランキングを出しています。

全部をここに出すとダイヤモンドオンラインさんに間違いなく怒られますので、ワースト3をご紹介したいと思います。

【淘汰危険度ワースト1】

千葉科学大学

入学定員充足率は49・9%ですが、卒業率は35・6%、国試合格率は27・3%しかありません。

要するに、3人に1人しか卒業できないだけでなく、4人に1人しか薬剤師資格を手にすることができない、ということなんです。

【ワースト2】

医療創生大学

千葉県柏市にある大学です。もともとは「いわき明星(めいせい)大学」として1987年に開学しています。

2016年に兄弟校である「明星大学」と法人分離を経て、2019年に今の名称となりました。

入学定員充足率は64・5%ですが、卒業率は35・6%、国試合格率は27・3%でした。

【ワースト3】

これが件の姫路獨協大学です。

卒業率は40・0%、国試合格率は22・0%でした。

メチャクチャ高いお月謝を払った上に卒業ができなかったり、さらに国試に受からないとなれば、親としてはたまったものではありません。

お子さまご本人にとっても、とても大事な時期を完全にムダに終わらせてしまうわけですから、損失は計り知れません。

こんなことになるくらいならば、いっそのこと入試の時点で落としてもらって早々に別の道へ進んでもらったほうがいいに決まっています。

ところで、千葉科学大学といえば、加計学園が運営母体だったのですが、経常収支比率が5年間連続でマイナス20%となっていたため匙を投げかけている学校でもあります。

公立化の検討もなされているのですが、地元の銚子市としても難しいかじ取りとなりそうで、どうなるのかがわかりません。

ワーストの大学は経常収支差額比率も低い、つまり経営が厳しいのですが、それを改善するには学生の確保が第一です。

しかし、数を集めても質が低下する可能性が高くなるだけかもしれません。

そうなると、大学の淘汰という道筋しか残らなくなる可能性が高いかもしれません。

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