見出し画像

熱中症予防に爽やかな【甘み】×【酸味】で効果的な水分補給〜「酸甘化陰(さんかんかいん)」〜

夏に向けて段々と気温が上がってきていますね。今年はエアコンを点けても、換気のため窓を開けっぱなしなので、いつもよりお店が蒸し蒸しと暑い気がします。
これからの湿度が高く暑い季節に気をつけたいのが「熱中症」。
熱中症は、暑さによって体温調節機能である汗が体内から異常に失われることで体内の水分が不足状態に陥った場合や、長時間に暑さにさらされることで体温調整機能が乱れ、体外に熱を放出できなくなり体温上昇を引き起こすことが要因だと考えます。

症状としては、急激な発汗によって脱水が起こり、血液が濃縮されるため、口が渇いて、尿量が減る、胸苦しい、息切れして体に力が入らない、めまい、吐き気、高熱が出る、脈が乱れる、などがみられます。ひどくなると意識を失ったり、けいれんを起こすこともあり、心不全を引き起こすと命の危険性もあります。
熱中症の疑いを感じたら、

・すぐに医療機関へ相談、または救急車を呼ぶ
・涼しい場所へ移動し、横に安静にする
・衣服を脱がし、体を冷やして体温を下げる
・塩分や水分を補給をする

炎天下に長時間いることを避けるのはもちろんですが、地面からの照り返しにも注意が必要です。特にお子さんは地面から顔の距離が近いため、大人が気を付けてあげましょう。また、気温はそれほど高くなくても、湿度が高いとうまく汗を蒸発させることができません。熱をため込んでしまい、その結果、室内でも熱中症を引き起こすことがあります。

また、今は新型コロナによりマスクをつけていることにより熱中症のリスクが高まりやすいことが心配されます。厚生労働省のHPにマスクの着用について、心拍数や呼吸数、血中二酸化炭素濃度、体感温度が上昇するなど、身体に負担がかかることがあるため、場所や状況に応じて以下のようにマスクをはずすようにとの忠告がなされています。
以下、厚生労働省HPより
・高温や多湿といった環境下でのマスク着用は、熱中症のリスクが高くなるおそれがあるので、屋外で人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合には、マスクをはずすようにしましょう。
・マスクを着用する場合には、強い負荷の作業や運動は避け、のどが渇いていなくてもこまめに水分補給を心がけましょう。また、周囲の人との距離を十分にとれる場所で、マスクを一時的にはずして休憩することも必要です。

「熱中症」の予防にはこまめに水分補給することは大切です。
のどが渇く前からこまめに水分を補給しましょう。ただし、コーヒーや緑茶などのカフェインが多く含まれている飲み物、アルコール類は利尿作用があるので逆に体内の水分を失う可能性があります。
汗をかくと水分と一緒にミネラルやビタミンも失われます。水分補給だけではなく、ミネラルも補給した方が良いのですが、スポーツ飲料や清涼飲料水などは糖分が多いのが欠点です。飲み過ぎには注意が必要です。むしろ、ミネラルを補給するには、麦茶などの方が良いでしょう。
また、汗は身体に有用な水分なため、汗をかきすぎると疲れてしまいます。ただの水分補給では元気を補うことができませんので、栄養価のある飲み物を選んであげると良いでしょう。

【効果的な水分補給に『酸甘化陰(さんかんかいん)』】


中医学の考え方である『酸甘化陰(さんかんかいん)』はより効果的な水分補給と健康維持に効果的です。「陰」は中医学では身体に有用な体液や潤いを指し、「酸味と甘みを組み合わせるといち早く体液を増やし、体を潤すことができる」という意味です。スポーツする方がレモンのはちみつ漬けなどを利用されますが、正にこの「酸甘化陰」そのものです。同様に甘みと酸味を掛け合わせたリンゴ酢なども効果的です。他にも甘酸っぱいスープやフルーツなどもお勧めですよ。

【レモンのハチミツ漬け】

画像1

・レモン(適量/空き瓶にうまる程度。今回は14cm程度の高さの瓶で3個)※皮ごと使うので無農薬・無添加のものがオススメです
・ハチミツ(適量/空き瓶にうまる程度)
・空き瓶(煮沸消毒したもの)

煮沸した空き瓶にスライスしたレモンを敷き詰めて、最後にひたひたになるまでハチミツを入れます。
蓋をして1日常温で置いて、あとは1週間冷蔵庫で保存します。お水や、お湯、紅茶、炭酸水やお酒で割ってもOKです。
これからの時期の運動の際や、暑い日の水分補給に積極的にご活用くださいね。また喉の痛みや声枯れなど、喉の調子の悪い時にお湯に割って飲むと良いですよ。風邪予防にも使えます!

画像2


【りんご酢】

画像3

・りんご(適量/レモンのハチミツ漬けと同じ瓶を使用し約1.5個)
・氷砂糖(200g)
・お酢(200~300cc)

まずはりんごをカットします。瓶の大きさに合わせてカットしてください。今回は小さめの瓶なので、小さめにカットします。カットしたら色止めのため軽く水につけます。

画像4

りんごの水気を切ったら、煮沸した瓶にりんごを入れ、その後に氷砂糖を入れ、交互になるよう敷き詰めていきます。

画像5

画像6

瓶が一杯になったら最後にお酢をひたひたに入れて完成です。冷蔵庫で2週間ほど置いてから、りんごを取り出して召し上がってください。1年程度は保存が効きます。
こちらもお水や炭酸水、お酒で割るのも良いですね。
他にも自家製ドレッシング、酢の物としての調味料、ローリエ、鷹の爪、お好みで砂糖と合わせて自家製ピクルスなどにも活用できますよ。

【熱中症予防にオススメ漢方・『生脈散(しょうみゃくさん)』】
実際漢方薬で酸味と甘味の組成で成り立つのが、『生脈散(しょうみゃくさん)』。夏バテや夏の暑さをしのぎ、元気の出る漢方薬です。
心肺機能を高める働きを期待できる他に、配合されている生薬・人参(朝鮮人参)は身体の疲れや滋養競走に、麦門冬(ばくもんどう)は身体に潤いを与え、五味子(ごみし)は身体の収歛作用を高め、身体から余分に水分が逃げ出していかないようにコントロールしてくれます。

今年は『酸甘化陰』の食材と、漢方・生脈散とをうまく活用して、元気で清々しい夏を送られると良いですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?