映画『グレタ ひとりぼっちの挑戦』で考えさせられる、環境問題
こんにちは。
最近は、SDGs関連の映画をnoteに紹介してきたのですが、その流れで現在公開中のグレタ・トゥーンベリさんを追ったドキュメンタリー映画も紹介できればと思います。
こちら、素晴らしかったです。
グレタさんはニュース等で見かけたことはあると思うのですが、実際はどんな人なのか、なぜそんなにマスコミに取り上げられているのかなど不思議に思ってる部分もあると思いますが、彼女の取り組み、彼女が訴えていること、なぜそんなに怒っているのかがこのドキュメンタリーを通して見えてきます。
そんな本作の見どころを今回紹介できればと思います。
『グレタ ひとりぼっちの挑戦』(10/22公開)
2020年 スウェーデン、アメリカ、ドイツ、イギリス 101分
監督:ネイサン・グロスマン
出演:グレタ・トゥーンベリ、スヴァンテ・トゥーンベリ、他
これは、15歳にしてスウェーデンで活動を始めた女の子、グレタ・トゥーンベリさんを追ったドキュメンタリー映画です。
この映画を通じて彼女の言いたいことがビシビシ伝わってきますし、意識を改めさせてくれるメッセージの詰まった素晴らしい作品。
今回は本作の見どころを紹介していきます。
グレタの肩書き
彼女が現在言われている肩書きがもうすごいんです。
そこだけが一人歩きして偏見すら持ってる人もいるかもしれません。
でもそれだけ注目されているってことなんです。
◎ フォーブス誌が選ぶ"世界で最も影響力のある女性"
◎ 米タイムス誌が選ぶ"パーソン・オブ・ザ・イヤー"
◎ 16歳でノーベル平和賞候補!
まず、グレタがはじめたこと
2008年8月、15歳の時にまず彼女がはじめたことは、スウェーデンのストックホルムにある国会議事堂前で学校ストライキをすることです。
直後に行われる選挙に向けて、環境問題を訴えるため学校をボイコットする座り込みをたったひとりで始めるんです。
手作りのボードを作成して通行人に向けてリーフレットも用意します。
そして若者を中心に次第に彼女の周りに人が集まるようになってきます。
選挙の争点が環境問題にならなかったことで、グレタは選挙後も活動を続けることにします。
その活動名は、「FFF」。Friday For Futureです。
グレタが訴えていること
彼女が懸念していることはとてもシンプルで、環境問題による地球温暖化です。
そのための対策をすることを各国のリーダーたちに訴えています。
地球温暖化は近年急速に進み、世界中で異常気象による災害が頻発しています。このままでは将来とんでもない事態となり地球の寿命を縮めてしまいます。
それが分かっているからこそ、SDGsの取り組みなどが世界中のみんなの目標として行われていて、パリ協定で世界中のリーダーがCO2排出量の削減を約束しています。
ところが、それにも関わらず世界のCO2排出量は減っておらず、温暖化は上昇を続けている。 それに対して彼女は怒っているんです。
各国のリーダーは、やると言ってやっていない。減らすと言って減らしていない。本気で取り組んでいない、やろうとしていない、と。
彼女は本気なんです。
世界中に招待されてスピーチしている彼女ですが、CO2排出や環境問題を考えて飛行機には乗りません。電気自動車か列車で外国でも移動します。
そして、牛肉や乳製品を取らなくなりました。
(映画の中で説明はありませんが、家畜の牛が放出するCO2が実はCO2問題のトップクラスの課題なんです)
彼女にとって環境問題を意識していると言いながら飛行機に乗ったり乳製品を取ることは矛盾なんです。 しっかりとした知識もありますし、とても真っ当なことを言っていて、それをちゃんと行動に移しているとこがすごい。(ここが普通なかなかできないです)
そして彼女がやっていることは、特別な人間じゃなくてもできることなんです。誰しもができることで、それを訴えることも実は誰でもできるんです。
グレタの動きがムーブメントに
グレタがひとりで始めた活動は若者を中心に共感を呼び、自分たちの未来のために環境問題、地球温暖化の抑制、脱炭素化に向けてスウェーデン以外にも広がり、ムーブメントとなっていきます。
未来のための金曜日「FFF(Friday For Future)」の学校ストライキは、2019年9月、世界185カ国でなんと700万人!が参加し、「史上最大の世界一斉デモ」となりました。
▼FFF Japanもあります
グレタの素顔
彼女はアスペルガー症候群です。
孤独が好きで、人とのコミュニケーションが苦手で、数時間も黙ってしまいますが、関心があることにはとことんのめり込みます。
学校では疎外され友達はおらず、学校にも行かなくなり家族といつも一緒にいて、犬が大好きで、決まったルーティン(日課)をすると落ち着きます。
そんな彼女の日常や素の姿を垣間見れることで、こんな彼女だから思うこと言えることだったんだってことがよく分かります。
そこに一切の嘘はなくて、真摯に向き合っていることが伝わります。
若い子が何かに傾倒していたり、突出している場合、(スポーツ選手でもアーティストでも)大抵は親の影響があるものですが、グレタの場合そうじゃないのがまたすごいんです。
どちらかという真逆の現代的な大量消費をする家庭で生まれ育ったのに、「これは普通ではない」と自分で気づき活動を始めています。
グレタの言葉
グレタは国連など様々なところでスピーチをしていますが、その中で印象に残ったスピーチがありました。
最初に彼女が発した言葉が、
「このマイク、オンになってますか?」
「私の英語は大丈夫ですかね、伝わってますか?」
それに対して観衆は笑いながら、「マイク聞こえてるよー」「英語も大丈夫だよー」なんて返してました。
スピーチ前の和ませるためのジョークにあたたかく応えていました。
ところが、彼女はそのまま続けます。
「自分はずっと温暖化問題を訴えてきたのに、何も変わっていない」
「あなたたちは何を聞いていたのか、何をしてきたのか」
「マイクはオンになっていますか? 私の声は伝わっていますか?」
これにはグーの音も出ないほど静まり返ってました。
まさかそんな痛烈に皮肉の効いたオチに繋がるフリだったとは。
16歳とは思えないとてもインパクトのあるスピーチでした。
グレタの世代
地球温暖化による環境問題は、悪化の一途を辿っています。
そしてその影響を受けるのは、これからの世代です。
今のリーダーたちやその前の世代のツケを払わされるのは、グレタたち今の若い世代なんです。
だから若い世代がこの問題にとても関心があって、怒っていてグレタへ共感しているのは当然とも言えます。
この世代がちゃんと関心を持っていて、行動を起こしているってことがとても救いだと思います。
そして、そのキッカケを作ったのがグレタなんです。
今回ボクが紹介したのは一部ですが、この映画全体を通してグレタ・トゥーンベリというひとりの少女がはじめて世界を動かし始めていることをとても身近に感じることができます。
(最初から撮影に成功している監督がすごい。たまたまトゥーンベリ一家と知り合いだったのだとか)
これは全員が観るべき映画で、とてもおすすめです。
今の日本の動き
日本は最近、"化石賞"というとても不名誉な賞をもらっています。
この時代に脱炭素化を見送るということを岸田総理は決めました。
これは世界からめちゃめちゃ批判されています。
中国やアメリカなど一番排出している国も自国の経済を優先していて、今回のニュースなんかもまさにグレタさんがずっと訴え続けていて怒っていることです。
インスタでも
インスタでも日々映画にまつわることを紹介しています。
こちらもぜひチェックしてみてください。
SDGsな映画
以前に、SDGsな映画に関するnoteを書いていますので、興味ある方はそちらも見てみてください。
映画も結構このテーマのものは多いんです。
最後に
本作は、2021年11月7日現在でまだ上映中です。
公開後2週間経っているので、まだ少しやると思いますが終了間近だと思いますので、劇場でやっているうちにぜひ観ていただきたいです。
そしてこれからのグレタさんも注目していきたいなと思いました。
自分自身ももっと意識を高く持たないといけないんだと改めて思うキッカケを与えてくれた良い作品でした。
これからも良い映画をもっと紹介していければと思います。
最後までありがとうございます。
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