2021年3月の記事一覧
即興小説トレーニング未完集
即興小説トレーニング14日間で、時間切れしてしまったものをまとめました。
無理だったのは以下の3つのお題。
1『男同士の春雨』
2『彼の民話』
3『強い犬』
記事の最後に、全体的なトレーニングの感想を書いています。
3/7(日)『ぼとぼとの春雨』
制限時間:15分 お題「男同士の春雨」
僕ははっきり言って料理が下手だし、同居人は一切やらないから、料理をする=自炊で節約程度の義務的な意味合いし
地獄の不況と少年少女開発
即興小説トレーニング
制限時間:15分 お題「東京の教室」
六本木エリアにある超高層ホテルの一室で、件の脳力開発教室は行われていた。
喪服を着た少年少女たちが十人ほど集められ、豪華なシャンデリアにぶら下がったり、じゅうたんの模様に沿ってマカロンを転がす競馬など、なんの効果があるのかさっぱり分からない『プログラム』に励んでいる。
僕は警視庁の秘密の秘密裏にある怪異事件専門部署に所属する新米刑
ぷつりと皮膚を破る想像が
即興小説トレーニング
制限時間:15分 お題「やわらかい14歳」
僕は、中学二年生の夏に、自分を置いてきてしまったと思っている。
あの夏、自分が心の底から納得できる選択をしていれば、いまこんな風にうだうだ悩んでいなかったんじゃないかな……という後悔の湖の底へ、ぶくぶくと沈みつつあるのである。
中学三年間、僕は文芸部だった。
小説の真似ごとのようなものを書いたり、演劇部に脚本のタネのタネ
トイレに流すだけの簡単な家事
即興小説トレーニング
制限時間:15分 お題「名前も知らない家事」
僕は代々受け継がれている神社の跡取り息子で、子供の頃から「お前はいつか宮司になるんだから」と言い聞かされて育ってきた。
別にそれに対して文句とかはないし、不満を持ったこともない。
子供の頃は、自分にとっての常識がよその家では違ったりすることがあって、少し生きづらかった。
だけど、中三になったいまはそれすらもなく、受験戦争
地獄を四季にしたくて〜妄想の強い恋〜
即興小説トレーニング
制限時間:15分 お題「帝王の春」
みかどはうつ伏せに寝そべり、雲の隙間から地上を覗いて、はあっとため息をついた。
「可愛い……可愛い……」
視線の先には、清潔な紺のブレザーに身を包み、教室の窓際で憂いを帯びた表情を浮かべる、美少女がいた。
「まだ分からぬのか? 調査団はどうした」
「帝王猊下、無理をおっしゃらないでください。地獄の者を人間の世界に送り込むのは大変なので
ウィンドラボの風盗難事件
即興小説トレーニング
制限時間:15分 お題:100の風
誰も知らないと信じているけれど、この惑星に吹く風には分類がある。
ウィンドラボと呼ばれる無菌状態の研究施設に、風の種が厳重に保管されている。
今朝はいつもどおり出勤して、ちょっとぶかぶかの白衣を羽織って、部屋に入った。
透明なボトルが百本。
春夏秋冬・風の強さや湿気のレベルごとに、きちんとラベリングされて並んでいる……はずだった
手のひらサイズの彼女の瞳に月面を透かす
『即興小説トレーニング』というサイトで書きました。
制限時間:15分 お題「ちっちゃな恋人」
15分だと、小説の腕より、タイピングの速さを問われるような(?)
僕には秘密がある。
二年前、中学三年のときから、内緒で付き合っている恋人がいるのだ。
名前は更紗(さらさ)。
手のひらサイズの女の子で、透き通る白い肌に黒目がちな大きな瞳。桃色の唇。
つやつやの黒髪が胸のあたりまですとんと落ちて